2026/03/27|1,220文字
「もっと働きたい」という前向きな声は歓迎しつつも、会社としては制度・安全配慮・公平性の観点から慎重に扱う必要があります。
<「もっと働きたい」と言う従業員に見られる主な特徴>
① 成長意欲・貢献意欲が高いタイプ
・新しい仕事を覚えたい
・責任ある仕事を任されたい
・評価やキャリアアップを求めている
② 収入を増やしたいタイプ
・家計事情やライフイベントにより労働時間を増やしたい
・副業禁止のため、会社で働く時間を増やしたい
③ 現状の業務量に物足りなさを感じているタイプ
・業務が単調で刺激が少ない
・能力に対して業務が軽すぎると感じている
④ 職場へのエンゲージメントが高いタイプ
・会社やチームに貢献したい気持ちが強い
・周囲からの信頼を得たい
⑤ 実は「働きすぎ」の可能性があるタイプ
・自己評価が低く、過剰に頑張ろうとする
・ワーカホリック傾向
・無理をして体調を崩すリスクがある
<会社として取るべき対応>
① まずは「意向の背景」を丁寧にヒアリングする
「なぜもっと働きたいのか」を確認することで、対応方針が変わります。
・キャリアアップ目的か
・収入増加目的か
・業務内容への不満か
・チーム内の役割調整の問題か
・過剰な自己犠牲や無理をしていないか
背景の把握を誤ると、逆にトラブルや離職につながるため、最初のヒアリングが最重要です。
② 業務量・業務内容の棚卸しを行う
・本人のスキルで任せられる業務は何か
・チーム全体の業務量バランスはどうか
・他の従業員との公平性は保てるか
「やる気があるから任せる」ではなく、業務設計の観点で判断することが必要です。
③ 労働時間の増加を希望する場合の対応
- 正社員の場合
・時間外労働の上限規制(三六協定)の確認
・健康確保措置(三六協定)の要否
・業務量の適正化
- パート・アルバイトの場合
・契約時間の変更(労働条件通知書の再発行)
・社会保険加入要件の確認
・他従業員とのバランス調整
④ スキルアップ意欲が高い場合の対応
・OJTの計画的な実施
・新しい業務の段階的な付与
・評価制度との連動
・キャリア面談の実施
「やる気がある人を伸ばす仕組み」を整えると、組織全体の活性化につながります。
⑤ 過重労働・健康リスクのチェック
「もっと働きたい」と言う人ほど、無理をしがちです。
・長時間労働の傾向はないか
・メンタル面の負荷はないか
・私生活に支障が出ていないか
健康管理は会社の安全配慮義務に直結します。
⑥ 公平性の確保
・特定の人だけに業務が偏らないようにする
・他の従業員の不満につながらないよう配慮
・評価制度と整合性を取る
「やる気のある人に仕事が集中しすぎる」のは典型的な組織課題です。
<実務の視点から>
「もっと働きたい」という声は、会社にとって貴重です。
しかし、その意欲を適切に活かす仕組みがないと、本人の疲弊や他の社員の不満につながることもあります。
意向の把握 → 業務設計 → 契約・制度調整 → 健康管理
この流れで対応すると、組織として無理のない運用ができます。