2026/03/26|864文字
<会社が労災申請を拒否する場合>
まず大前提として、労災保険の申請は「労働者の権利」であり、会社が拒否する権限はありません。
- 会社が拒否する典型的な理由
・「うちの会社に労災保険はない」
・「うちの会社ではアルバイトに労災を使わない」
・「労災にすると労基署に目をつけられる」
・「本人の不注意だから労災ではない」
・「忙しいから書類は書けない」
しかし、これらはすべて法律上正当な理由にはなりません。
- 会社が拒否した場合の実務的な対応
・労働者は会社の協力がなくても労災申請できます。→「会社が証明しない場合の申立書」を添付します。
・労基署は、会社が協力しなくても、労働者の申告・医師の診断・同僚の証言・勤務記録などから事実を調査します
- 会社が拒否することの問題点
・法律違反(労災隠し)に該当する可能性
・罰則(50万円以下の罰金)
・労基署からの指導・監督強化
・会社の信用低下
つまり、会社が拒否しても労災の可否には影響しないという点が重要です。
<労基署が労災を却下する場合>
こちらはまったく別の話で、労災保険の「認定基準」に照らして、法律上労災とは認められない場合です。
- 労基署が却下する主な理由
・業務起因性が認められない―業務や通勤が原因ではない
例:私的な行動中のケガ、通勤途中の大幅な寄り道
・業務遂行性が認められない―業務や通勤を行っていたのではない
例:勤務時間外に会社敷地で遊んでいてケガ
・医学的な因果関係が弱い
例:持病の悪化であり、仕事との関連が薄い
・証拠不足
例:事故の状況が確認できない、医師の診断が不十分
- 労基署の判断は「会社の意見」とは別
会社が「労災ではない」と言っても、労基署は独自に調査します。
逆に、会社が「労災でいい」と言っても、基準に合わなければ却下されます。
- 却下された場合の救済
・審査請求(不服申立て)
・再調査請求
・裁判で争うことも可能
<ポイント>
・「会社が拒否しても、労災申請はできます」
・「労災かどうかを決めるのは労基署です」
・「却下される場合は、法律上の基準に合わないと判断されたときです」
この3点を押さえておくと安心です。