過労死が発生しないための法規制

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2020/08/24|1,417文字

 

<労働基準法を守っていたらつぶれるという会社>

ビューティークリニックの女性経営者が、労働基準法を順守していたら会社がつぶれるというような発言をして、マスコミを騒がせたことがありました。

法律は国会で審議・可決され成立するのですが、法律案の段階で多くの専門家が関わりますので、普通の人や普通の会社が順守できないような法律が施行されることは稀です。

たとえそのような法令が施行されたとしても、やがて実態に合わせて改正されていきます。

特に労働基準法などの労働法で、会社の負担が過大になるような規定ができてしまうと、会社の経営が苦しくなり、結局、労働者の処遇が低下したり、整理解雇が必要になったりして、労働者の保護にはなりません。

労働者の保護を目的とする労働法は、このバランスに配慮して作られています。

最近の労働基準法改正では、一度に大きく改正しないで、少しだけ改正して様子を見ることも行われています。

ですから、労働基準法を守るとつぶれてしまう会社というのは、経営者が本業以外に気を取られているとか、顧客のニーズに対応していないとか、今の時代には合っていないとか、根本的な問題を抱えているのでしょう。

労働基準法の中でも、労働時間や休日についての基本的な規定は、過重労働による過労死を防ぐのに役立ちます。

以下の規定が守られていない会社では、守れない原因の原因、そのまた原因を突き止めて、一つひとつ解消する努力が求められます。

 

<法定労働時間>

形式的な労働時間とは、始業時刻から終業時刻までの時間から休憩時間を除いた時間をいいます。

実質的な労働時間は、労働者が使用者の指揮監督の下にある時間をいい、必ずしも実際に作業に従事していることは必要ありません。

何もしていなくても、その場を離れることができない手待ち時間は労働時間となります。

この実質的な労働時間は、客観的に決まるものですから、就業規則などにより違うルールにすることはできません。

労働時間の長さは、週40時間以内、18時間以内に制限されています。〔労働基準法第32条〕

 

<法定休日>

休日とは、労働契約で労働義務が無いとされている日のことをいいます。

使用者は労働者に、毎週少なくとも1回、あるいは4週間を通じて4日以上の休日を与えなければなりません。〔労働基準法第35条〕

カレンダーで色の違う日付が休日というわけではありません。

就業規則などにより、職場ごとに決められます。

1日のうちの一部でも仕事をさせれば、たとえ30分位の短時間であったとしても、その日は休日を与えたことにはなりません。

 

<法定時間外労働・法定休日労働>

法定労働時間を超えて労働者を働かせる場合や、法定休日に働かせる場合には、あらかじめ労働者の過半数代表者(過半数の労働者で組織される労働組合がある場合にはその労働組合)との間に、「時間外労働・休日労働に関する協定」を締結し、労働基準監督署長に届け出なければなりません。〔労働基準法第36条〕

 

<社労士(社会保険労務士)の立場から>

従業員一人ひとりの労働条件が、文書で明示されていない職場もあります。

もちろん違法ですし、労働基準法に罰則もあります。

また、労働時間を客観的に記録し保管していない職場もあります。

これも違法ですし、罰則があります

こうした規制は、労働者を守るためですが、会社を守るためでもあります。

何をどうしたら良いのか迷ったら、信頼できる社労士にご相談ください。

 

解決社労士