2025/07/27|1,014文字
<面接は「見極め」と「魅力づけ」の場>
採用面接は、単に応募者を評価する場ではなく、企業と応募者が相互理解を深める場です。
面接官は「選ぶ側」であると同時に、「選ばれる側」であることを意識し、公正かつ誠実な対応が求められます。
<面接前の準備>
面接を正しく行うためには、事前の準備を丁寧に行う必要があります。
- 採用基準の明確化
– 求める人物像(スキル・経験・価値観)を定義
– 評価項目と評価基準を統一(例:コミュニケーション力、主体性など)
- 質問内容の設計
– 面接の目的に沿った質問を用意
– スキル・経験・価値観・志望動機などを網羅
– NG質問(後述)を避ける
- 応募書類の事前確認
– 履歴書・職務経歴書を読み込み、深掘りポイントを整理
<面接時の進行と対応>
面接を行うにあたっては、進行段階を意識すると上手にできるでしょう。
- アイスブレイク
– 緊張を和らげる雑談(天気、来社手段など)
– 面接官から自己紹介を行うと効果的
- 質問の進め方
– オープンクエスチョンを活用(「どう思いましたか?」など)
– 回答に対して深掘り(「なぜそう考えたのですか?」)
– 応募者の話を遮らず、傾聴の姿勢を示す
- 逆質問の時間を設ける
– 応募者の疑問や不安を解消
– 志望度や企業理解の深さを確認できる
- クロージング
– 選考結果の連絡方法・時期を明示
– 面接への感謝を伝える
<NG質問・NG行動を確実に避ける>
厚生労働省が定める「公正な採用選考の基本」に基づき、以下の質問は就職差別につながる恐れがあるため避ける必要があります。
◯本人に責任のない事項
– 本籍・出生地
– 家族構成・職業・収入
– 住宅状況・生活環境
◯本来自由であるべき事項
– 宗教・支持政党・思想
– 尊敬する人物・人生観
– 労働組合・学生運動歴
これらの質問は、面接官の無意識な偏見や先入観(アンコンシャス・バイアス)によって行われることもあるため、事前にチェックリストを用意すると安心です。
また、次のような行為も、就職差別につながる恐れがあるため避ける必要があります。
– 身元調査の実施
– 合理的必要性のない健康診断
– 本籍記載の住民票の提出要求
<実務の視点から>
採用面接を正しく行うためには、事前準備・公正な対応・適切な質問・誠実な姿勢が不可欠です。
面接は「評価」だけでなく、「信頼構築」の場でもあります。
応募者の可能性を引き出し、企業との相性を見極めるためにも、面接官自身の意識とスキルの向上が求められます。