自宅待機させたら待機手当は必要か

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2020/06/26|1,090文字

 

<自宅待機は労働時間か>

労働時間とは、労働者が使用者の指揮命令下に置かれた時間のことをいいます。

これは、就業規則などの社内ルールとは関係なく客観的に認定されるものです。

ところが、自宅待機は会社側の都合でとりあえず仕事が無く「もし仕事が入ったら出勤する約束で自宅にいてもらうこと」ですから、実際に仕事で呼び出されない限りは、労働者が自由に過ごして良いというのであれば、労働時間にはあたらず給与の支払い義務は発生しません。

たしかに、待機中は会社からの連絡に注意を払わなければならず、その前提として、すぐに連絡がつく場所にいなければならないのですが、使用者の指揮命令下に置かれているとはいえないのです。

 これは、懲戒処分の内容を検討するにあたって、調査している間、自宅待機命令を出しているのとは事情が違います。

 

<職場待機の場合には>

これに対し、労働者を職場で待機させ、仕事が発生したらすぐに業務に就くように命じてある場合には、その待機時間は、場所的な拘束があること、業務に備えた状態でいなければならないことから、使用者の直接の指揮命令が及んでいると評価され、労働時間にあたります。

したがって、職場待機の場合には給与の支払義務が発生します。

 

<待機手当の支給が望ましいケース>

その職場で、同じ職種のすべての社員が、当番制で平等に自宅待機を受け持つなら、自宅待機の負担込みで給与が設定されていると考えられます。

しかし、一部の社員だけが自宅待機の対象となったり、自宅待機の回数が個人ごとに片寄ったりしたのでは、不満が出てくるでしょう。

この場合には、待機手当の支給を考えたいものです。

 

<待機手当を設定するなら>

待機手当は給与の一部になりますから、就業規則などにその詳細を定める必要があります。

待機手当の金額は、定額あるいは基本給に対する一定割合などで定めます。

金額が少ないと、負担に見合っていないという不満が出ますし、金額が多すぎると、実際に勤務している場合とのバランスが悪くなってしまいます。

これについては、自宅待機することのある社員にヒアリングすると良いでしょう。

それだけではなく、自宅待機の時間帯、服装・髪・ヒゲなどの身だしなみ、外出や飲酒の制限など、待機手当を支払うからには、ある程度の基準を設定したいものです。

ただし、使用者の指揮命令下に置くことになる内容は含めることができません。

 

<社労士(社会保険労務士)の立場から>

一度、待機手当について定めてしまうと、後から労働者の不利益に変更するのは限定されてしまいます。

待機手当を導入する前に、ぜひ、信頼できる社労士にご相談ください。

 

解決社労士