ストレスチェックの導入

2025/09/15|790文字

 

<ストレスチェック制度とは>

ストレスチェック制度は、労働安全衛生法に基づき、従業員の心理的負担の程度を把握するための検査です。目的は、メンタルヘルス不調の予防と職場環境の改善。現在は「常時50人以上の労働者を使用する事業場」に年1回の実施が義務付けられていますが、2025年の法改正により、50人未満の事業場にも義務化される予定です。

 

導入手順(ステップ形式)>

一般的な導入手順は次のとおりです。

 

1. 基本方針の策定と衛生委員会での審議

・ストレスチェックの目的、実施方法、情報管理方針などを明文化

・衛生委員会(50人以上の事業場は設置義務)で審議し、社内合意を形成

 

2. 実施体制の構築

・実施者(医師、保健師、公認心理師など)を選定

・実施事務従事者(データ管理等)を指名

・実施者・事務従事者は人事権を持たない者に限る

 

3. 従業員への周知

・実施目的、方法、個人情報の保護、任意受検であることを説明

・安心して受検できるよう、説明会や文書配布を活用

 

4. 調査票の準備と実施

・厚労省推奨の「職業性ストレス簡易調査票」などを使用

・紙またはWeb形式で実施可能(Webは集計が効率的)

 

5. 結果通知と高ストレス者の選定

・個人結果は本人にのみ通知

・高ストレス者には面接指導を勧奨(希望者のみ)

 

6. 面接指導と職場環境改善

・産業医等による面接指導を実施

・集団分析を行い、職場環境の課題を抽出・改善策を検討

 

7. 労働基準監督署への報告(義務事業場のみ)

・実施状況を年1回報告

 

<実務の視点から>

ストレスチェック制度の導入は、法令遵守だけでなく、従業員の健康と職場の持続可能性を支える重要な施策です。

導入にあたっては、制度の趣旨を理解し、実施体制・情報管理・従業員への配慮を丁寧に設計することが成功の鍵です。

制度の導入をきっかけに、メンタルヘルスへの関心を高め、働きやすい職場づくりを進めていきましょう。

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