社会保険の定時決定(算定基礎届)と一時帰休

2023/11/14|790文字

 

<変則的な定時決定>

何らかの事情によって、従業員を一時的に休業(一時帰休)させていた場合の定時決定(算定基礎届)は、7月1日時点で一時帰休の状態が解消されているか、未だ解消されていないかによって、その扱いが異なっています。

なお、一時帰休による休業手当は、報酬に含めて計算します。

また、休業手当の対象となった日数は、支払基礎日数に含めてカウントします。

 

7月1日時点で一時帰休の状態が解消されている場合

一時帰休の状態が解消されているかどうかは、休業手当の支払が継続しているかどうかで決まります。

7月1日以降の分として、休業手当が支給されておらず、今後も支給される予定が無いのであれば、一時帰休の状態が解消されていると判断されます。

この場合には、休業手当を受けた月を除いて計算し、標準報酬月額を決定します。

たとえば、4月と5月の分として休業手当が支払われ、6月の分は休業手当が支払われなかった場合には、6月だけが通常の報酬となりますので、6月の1か月分だけで計算し、標準報酬月額を決定します。

ただし、4月、5月、6月のどの月も休業手当が支払われた場合には、これらの期間の報酬を計算対象とはせず、直近に改定された標準報酬月額をそのまま用います。

 

<7月1日時点で一時帰休の状態が解消されていない場合>

この場合には、休業手当が支払われた月を含めて計算し、標準報酬月額を決定します。

たとえば、4月は通常の報酬で、5月と6月に休業手当が支払われた場合には、4月から6月までの報酬の平均を計算して、標準報酬月額を決定します。

 

<従業員への説明>

いずれの場合も、変則的な定時決定となります。

算定基礎届の内容に誤りが無いか、念入りにチェックすることをお勧めします。

一方で、一時帰休があった場合の定時決定について、社内に広報するとともに、対象となった従業員には、個別の説明も行うようにしましょう。

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