試用期間後に家族手当を支給する規定を設けても大丈夫か

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<結論>

試用期間中は家族手当を支給せず、本採用となってから支給を開始するという規定や運用は、原則として問題がありません。

ただし、家族手当を支給しないことによって、1時間あたりの賃金が最低賃金の基準を下回ってしまうと、最低賃金法違反となりますから、ここは確認が必要です。

 

<試用期間の法規制>

労働基準法には、「試用期間」という用語は無くて、「試みの使用期間」〔12条3項5号〕、「試の使用期間中の者」〔21条4号〕という用語で2回登場します。

そして、労働基準法の予定する試用期間は14日までです。ですから、会社が試用期間を3か月としても、労働基準法上は15日目からは試用期間として認められません。

認められないとどうなるかと言うと、正当な理由があって辞めてもらう場合にも、解雇予告手当の支払いとともに解雇通告することが必要です。あるいは、30日以上前もって予告するわけです。解雇予告手当20日分と、10日前の予告で、合わせて30日という方法も認められています。〔20条2項〕

たとえ試用期間中であっても、正当な理由があって解雇予告手当を支払わずに即日解雇できるのは、原則として入社14日目までということになります。

 

<試用期間であっても必要な事(法定事項)>

健康保険、厚生年金、雇用保険、労災保険は、試用期間中か本採用後かという区分がありませんので、法定の基準を満たせば入社とともに加入します。

これは、市区役所に出生届を提出しなくても、赤ちゃんが生まれれば、その生まれた事実に変わりはないのと同じです。つまり、加入手続きをしなくても保険料の未払いが発生するだけです。その証拠に、会社に調査が入って手続きもれが発覚すれば、さかのぼって多額の保険料を支払うことになります。

給与について言えば、残業手当、深夜手当、法定休日出勤手当のように、法定のものは試用期間中であっても支給しなければなりません。ただし、役員待遇で入社するなど、いきなり管理監督者の立場に立つ人は例外です。

 

<試用期間であれば必要ない事(会社がプラスアルファで決めた事)>

家族手当の他、精勤手当、賞与など、基本の給与とは別に会社がプラスアルファで支給するものは、試用期間中は支給しない規定と運用でも、原則として問題ありません。ただ、最低賃金法違反に注意するだけです。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

正しい給与計算を代行するだけが社労士の仕事ではありません。

適法な給与規定の作成と運用も社労士の仕事です。

さらに、社員が納得してやる気になる給与体系を構築するのも、社労士の仕事です。

もし、やる気のないブラック社員がいたり、新人が定着しないという問題を抱えているのなら、給与体系の見直しが必要かもしれません。

信頼できる社労士(社会保険労務士)にご相談ください。

 

2016.11.25.