2025/07/06|729文字
管理監督者とは、労働基準法第41条に基づき、労働時間や休憩、休日の規定が適用されない労働者のことを指します。一般的な「管理職」とは異なり、経営者と一体的な立場で業務を遂行する者が該当します。
<管理監督者の公式定義>
管理監督者は、以下の条件を満たす必要があります。企業がこれに反するマイルールを設けても無効となります。
職務内容が重要であること:企業の経営に関与し、業務の意思決定に関わる。
責任と権限を有していること:労働条件の決定や労務管理に関与し、経営者と一体的な立場にある。
勤務態様が労働時間の規制になじまないこと:出退勤の自由度が高く、労働時間の管理が厳格でない。
管理監督者にふさわしい待遇が与えられていること:一般の労働者よりも高い給与や特別な手当が支給される。
<管理監督者と管理職の違い>
「管理職」と「管理監督者」は混同されがちですが、以下の点で異なります。
管理職:部下を統括する役職者(課長・部長など)であり、必ずしも経営者と一体的な立場ではない。
管理監督者:企業の経営に関与し、労働時間の規制が適用されない。
例えば、店長や課長が管理職であっても、経営判断に関与していない場合は管理監督者には該当しません。
<管理監督者の範囲の適正化>
平成時代から、「名ばかり管理職」の問題が指摘されており、管理監督者の範囲を適正化する動きが進んでいます。
企業は、管理監督者として扱う労働者に対し、適切な権限と待遇を与える必要があります。
<実務の視点から>
管理監督者は、経営者と一体的な立場で業務を遂行する者であり、労働時間の規制が適用されません。
しかし、単なる管理職ではなく、職務内容・権限・待遇の実態に基づいて判断されるため、企業は慎重に対応する必要があります。