給付制限期間の短縮(雇用保険)が進んでいきます。昔の言い方で、失業手当がすぐにもらえますということです。

2024/03/10|753文字

 

<運用変更の概要>

失業等給付のうち基本手当は、正当な理由なく自己都合により離職した場合、7日間の待期期間満了後3か月の給付制限期間は支給されませんでした。

これが運用変更により、令和2(2020)年10月1日以降の離職者については、5年間のうち2回までの離職について、給付制限期間が2か月に短縮されました。

3回目以降の離職については、その離職から遡って5年以内に2回以上の自己都合による離職がなければ、給付制限期間は2か月に短縮されます。

ただし、この場合、2回以上の自己都合による離職があれば、給付制限期間は3か月となります。

ここで、令和2(2020)年9月30日以前の自己都合による離職は、令和2(2020)年10月1日以降の離職についての給付制限期間に影響がありません。

 

<法改正ではない>

この変更は、雇用保険法など法令の改正によるものではなく、業務取扱要領の改定によるものです。

雇用保険法第33条は、正当な理由なく自己都合により離職した場合の給付制限期間について、「1か月以上3か月以内の間で公共職業安定所長の定める期間」と定めています。

この「公共職業安定所長の定める期間」が、業務取扱要領の改定によって運用が変更されたのです。

ここに「1か月以上3か月以内」と書いてありますので、現在では、1か月とすることも検討されています。

さらに、法改正によって、給付制限期間の撤廃も検討されています。

衰退産業から成長産業への労働力の異動を促すという意図もあります。

 

<変更のポイント>

取扱が変更となったのは、正当な理由なく自己都合により離職した場合に限られます。

ですから、懲戒解雇のような、「自己の責めに帰すべき重大な理由」による解雇によって離職した場合には、従来どおり給付制限期間は3か月のまま変更がありません。

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