2025/06/28|836文字
<臨検監督>
労働基準監督署(労基署)は、労働基準法や労働安全衛生法などの法律が適切に守られているかを確認するために、企業に対して臨検監督を行います。
これは、労働者の権利を守り、安全な労働環境を確保するための重要な活動です。
<臨検監督が行われる場合>
臨検監督は、以下のような場合に実施されます。
- 定期監督 労基署が年間計画に基づいて、企業の労働環境を調査します。事前に通知される場合もあれば、抜き打ちで行われることもあります。
- 申告監督 労働者からの申告(違法な長時間労働、未払い賃金など)があった場合に実施されます。申告者の情報を伏せたまま行われるのが原則とされます。
- 災害時監督 労働災害が発生した際に、原因究明と再発防止のために行われます。特に死亡事故や重大な災害が発生した場合に重点的に調査されます。
- 再監督 以前の監督で違反が指摘され、是正勧告を受けた企業に対して、改善状況を確認するために行われます。
<臨検監督の内容>
臨検監督では、以下のような項目が調査されます。
- 労働条件の確認
労働条件通知書(労働契約書)や就業規則の整備状況
賃金台帳や労働時間の記録
三六協定(時間外労働の協定)の締結状況
- 労働時間の管理
法定労働時間(1日8時間、週40時間)を超えていないか
適切な休憩時間や休日が確保されているか
タイムカードや勤怠管理システムの運用状況
- 安全衛生管理
労働安全衛生法に基づく設備や機械の管理
定期健康診断の実施状況
産業医や安全管理者の選任状況
<違反があった場合の対応>
・軽微な違反の場合は「指導票」が交付され、改善を求められる
・法律違反が認められた場合は「是正勧告書」が交付され、改善し改善報告書を提出することが求められる
・重大な違反の場合は「使用停止命令」や「刑事罰」が科されることもある
<企業が準備すべき書類>
臨検監督に備えて、企業は以下の書類を整備しておく必要があります。
・労働者名簿
・賃金台帳
・労働条件通知書(雇用契約書)
・就業規則
・三六協定届
・健康診断の結果(会社控)