健康保険の記事

<健康保険の考え方>

健康保険の「療養の給付」は、病気やケガをしたときの治療を対象として行われます。

このため、日常生活に何ら支障がないのに受ける診療(美容整形など)に健康保険は使えません。

妊娠・出産も病気ではないため、正常な状態での妊娠・出産は健康保険の適用から除外されています。

また、健康保険の目的からはずれるような病気やケガをしたときは給付が制限されることがあります。

 

<健康保険が使えないケース>

•美容を目的とする整形手術

•近視の手術など

•研究中の先進医療

•予防注射

•健康診断、人間ドック

•正常な妊娠・出産

•経済的理由による人工妊娠中絶

 

<例外的に健康保険が使えるケース>

•斜視等で労務に支障をきたす場合、生まれつきの口唇裂の手術、ケガの処置のための整形手術、他人に著しい不快感を与えるワキガの手術など 

•大学病院などで厚生労働大臣の定める診療を受ける場合  

•妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)などによる異常分娩の場合

•母体に危険が迫った場合に母体を保護するための人工妊娠中絶

 

2017.01.01.解決社労士

<交通事故にも健康保険が使えます>

国民健康保険、公務員共済、船員保険などを含めて健康保険は、加入者(被保険者)と扶養家族(被扶養者)の病気、ケガ、出産、死亡に関して、必要な保険給付を行うことを目的とする制度です。

ケガや死亡の原因が交通事故でも、日常生活上のケガや病気の場合と同じく、健康保険で医師の診療を受けることができます。〔昭和431012日保険発第106号通達〕

 

<社会一般の誤解>

古くから世間一般で、交通事故診療には健康保険が使用できないとの誤解が生じていました。

そのため現在でも、医療機関から「健康保険は使用できない」という説明を受ける場合があります。

しかし、健康保険を使用しての診療(保険診療)、使用しない診療(自由診療)のどちらで治療を受けるかは患者が選択できます。

 

<当然の例外>

なお、業務または公務上の事故や、通勤中の事故など、労災保険法や公務員災害補償法の適用がある事故については、健康保険は使えません。〔健康保険法55条、国家公務員共済組合法60条、地方公務員等共済組合法62条〕

 

2016.10.14.

<海外療養費とは>

海外では日本国内の健康保険証をそのまま使うことができません。

海外療養費は、海外旅行中や海外赴任中に急な病気やけがなどにより、やむを得ず現地の医療機関で診療を受けた場合、申請により一部医療費の払い戻しを受けることができるものです。

 

<海外療養費の支給対象>

日本国内で保険診療として認められている医療行為に限られます。そのため、美容整形やインプラントなど、日本国内で保険適用となっていない医療行為や薬が使用された場合は、給付の対象になりません。

また、療養(治療)目的で海外へ渡航し診療を受けた場合は、支給対象となりません。日本で実施できない診療(治療)を行った場合でも、保険給付の対象になりません。

 

<海外療養費の支給金額>

日本国内の医療機関で同じ傷病を治療した場合にかかる治療費を基準に計算した額(実際に海外で支払った額の方が低いときはその額)から、自己負担相当額(患者負担分)を差し引いた額が支給されます。

日本と海外での医療体制や治療方法などが異なるため、海外で支払った総額から自己負担相当額を差し引いた額よりも、支給金額が大幅に少なくなることがあります。

 

<海外療養費支給申請の流れ(協会けんぽ)>

「海外療養費支給申請書」および必要な添付書類を用意

→ 申請書および添付書類を神奈川支部に郵送

→ 神奈川支部で海外療養費の審査

→ 神奈川支部から審査の結果を申請者(被保険者)に通知

 

<窓口一本化の目的など>

海外療養費の審査効率化などを目的としています。

「海外療養費支給申請書」については神奈川支部に提出することとなりますが、各支部に提出した場合は神奈川支部に転送されます。

 

<注意点>

海外療養費の申請書は、平成28年7月から「療養費支給申請書(立替等)」から独立しましたので、海外療養費支給申請書をご使用ください。

海外で治療費の支払いをした翌日から2年を経過すると、権利の時効消滅により申請できなくなりますので、ご注意ください。

 

※協会けんぽ 神奈川支部

〒240-8515 横浜市保土ヶ谷区神戸町134

横浜ビジネスパークイーストタワー2F

海外療養費グループ(電話:045-287-0011)

 

2016.09.27.

<出産手当金とは?>

健康保険に入っている人(被保険者)が、出産のために会社を休み、その間に通常の給与が支給されないときに、申請によって支給される給付金です。

 

<その条件は?>

まず、被保険者の出産であることが必要です。被保険者とは保険料を負担している人のことですから、扶養家族(被扶養者)は対象外となります。

また、妊娠85日以上での出産であることが必要です。流産や死産、人工妊娠中絶も含みます。

法律上は、4か月以上となっていますが、妊娠については1か月28日で計算しますし、3か月を1日でも超えれば4か月以上と考えますので、28日×3か月+1日=85日という計算により、実際の運用では妊娠85日以上が基準となっています。

さらに、給与の支給が無いか、出産手当金の金額より少ないことが条件です。

 

<支給金額は?>

実際の支給金額は、次の計算式によって計算されます。

1日あたりの金額=(支給開始日以前の継続した12か月間の各月の標準報酬月額を平均した額)÷30日×2/3

 

<支給期間は?>

出産の日(実際の出産が予定日後のときは出産予定日)以前42日(双子や三つ子など多胎妊娠の場合98日)から出産の翌日以後56日目までの範囲内で、会社を休んだ期間を対象として出産手当金が支給されます。

出産日は出産の日以前の期間に含まれます。

また、出産が予定日より遅れた場合、その遅れた期間についても出産手当金が支給されます。

 

<資格喪失後の出産手当金>

会社を辞めたり、勤務時間が減少することによって、健康保険の資格を喪失した後の出産でも、出産手当金が支給されることがあります。

資格喪失の日の前日(退職日等)まで被保険者期間が継続して1年以上あり、被保険者の資格喪失の日の前日に、現に出産手当金の支給を受けているか、受けられる状態(出産日以前42日目が加入期間であること、かつ、退職日は出勤していないこと)であれば、資格喪失後も所定の期間の範囲内で引き続き支給を受けることができます。

2016.09.24.

<退職後の健康保険>

職場で健康保険に入っていた人が退職すると、次のいずれかに加入する手続きが必要です。

1.任意継続健康保険

加入していた健康保険の保険者(協会けんぽなど)が窓口です。

2.国民健康保険 

お住まいの市区町村の国民健康保険担当窓口で手続きします。

3.家族の健康保険の被扶養者(扶養家族)

家族が加入する健康保険の保険者(保険証に書いてあります)にお尋ねください。

 

<健康保険の任意継続>

退職や労働時間の短縮などによって健康保険(全国健康保険協会管掌健康保険)の被保険者の資格を喪失したときに、一定条件のもとに個人の希望(意思)により、個人で継続して加入できる制度です。

任意継続の保険料は、退職時の標準報酬月額に基づいて決定され、保険料は原則2年間変わりません。また、被扶養者(扶養家族)の保険料はかかりません。

 

<国民健康保険の保険料(保険税)>

国民健康保険の世帯人員数や前年の所得などに応じて決定されます。また、保険料の減免制度があります。

市区町村によって保険料(保険税)の算定方法が異なります。お住まいの市区町村の国民健康保険担当窓口にお問い合わせください。

 

<健康保険の任意継続の保険給付>

傷病手当金と出産手当金を除き、原則として在職中に受けられる保険給付と同様の給付を受けることができます。

※傷病手当金と出産手当金は、任意継続の加入とは関係なく、在職中からの継続給付の要件を満たす場合に限り給付対象となります。

 

2016.08.14.

<入院期間中の食事の費用負担>

入院患者は、食事の費用のうち標準負担額というものを支払います。

この標準負担額というのは、平均的な家計での食事を参考に、厚生労働大臣が定めた金額です。

平成18年4月1日からは、1日単位から1食単位の金額に変更されました。

これは、医療機関で提供される食事の内容が変わるわけではなく、食事の負担額について、食数にかかわらず1日単位で計算していたものを、1食単位の計算に変えたものです。

 

<標準負担額>

1食の標準負担額は、一般の世帯で平成28、29年度は360円、平成30年度は460円です。

ただし、住民税非課税世帯などは負担が減額されます。

標準負担額の軽減措置を受ける場合は「健康保険限度額適用・標準負担額減額認定申請書」に被保険者証と低所得の証明書を添付して、全国健康保険協会の都道府県支部に提出します。申請が認められると「健康保険限度額適用・標準負担額減額認定証」が交付されますから、被保険者証と認定証を医療機関の窓口へ提出することで標準負担額の軽減措置がうけられます。

低所得の証明は、低所得者世帯(住民税の非課税世帯)の人については、住所地の市区役所または、町村役場等で証明を受けた住民税の非課税証明、所得が一定基準に満たない場合は非課税証明に給与や年金の源泉徴収票、生活保護法の要保護者については、福祉事務所長が行う標準負担額認定該当の証明が必要となります。

 

<一般の治療の自己負担額との関係>

多くの方は、原則として3割の自己負担で治療を受けることになりますが、入院期間中の食事については、あくまでも標準負担額が適用されます。

つまり、食事代は治療費とは別計算です。どちらも健康保険の適用があるのですが、計算方法が違うわけです。

このことから、高額療養費についても、食事の費用は計算対象から外れます。

 

2016.07.01.

基本的には、健康保険証があれば3割の費用負担で医療サービスを受けることができます。しかし、健康保険の財源は保険料と税金です。不誠実な人に無駄づかいを許してしまうのは道義に反します。そこで、次のようなルールが設けられています。

 

<わざとケガした場合>

わざとケガした場合や、自分の故意の犯罪行為で病気になったりケガをしたときは、健康保険が使えません。〔健康保険法116条〕

ただし、自殺による死亡については埋葬料が支給されます。

 

<ケンカなど>

ケンカや、酒を飲みすぎてケガした場合には、全く健康保険が使えない場合と一部だけ使える場合があります。〔健康保険法117条〕

 

<少年院・刑事施設に入ったとき>

少年院などに収容されたとき、刑事施設、労役場、これらに準ずる施設に収容されたときは、病気・ケガ・出産について健康保険が使えません。〔健康保険法118条〕

 

<療養に関する指示に従わないとき>

正当な理由なく療養に関する指示に従わないときは、健康保険が一部使えなくなることがあります。〔健康保険法119条〕

 

<不正行為をしたとき>

不正行為によって、健康保険を使った者については、6か月以内の期間を決めて、傷病手当金や出産手当金の全部または一部を支給しないことにできます。〔健康保険法120条〕

 

2016.05.14.