健康診断で癌(がん)が見つかった社員を解雇できるか

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<会社の不安>

健康診断の結果、社員に癌が見つかった。あるいは、社員から会社に申し出があったとします。

こんなとき勤務を続けさせていて、万一のことがあったら、会社は何らかの責任を負わされるリスクがあります。

しかし、安易に労働契約を解除すれば、不当解雇として責任を追及されるかもしれません。

会社としては、放置できない悩ましい問題です。

 

<健康診断で癌が見つかった場合>

会社は健康診断の結果で、異常の所見があると診断された労働者について、健康を保持するために必要な措置について、医師などの意見を聴かなければなりません。〔労働安全衛生法66条の4〕

そして意見を聴いた結果、必要があると認めるときは、その労働者の実情を考慮して、就業場所の変更、作業の転換、労働時間の短縮、深夜業の回数の減少などの措置を講ずるほか、作業環境測定の実施、施設・設備の設置・整備、その他の適切な措置を講じなければなりません。〔労働安全衛生法66条の5〕

これは、健康診断で異常が見つかった場合の規定ですが、労働者に健康不良がある場合に会社がとるべき対応として参考になる内容です。

 

<具体的な対応方法>

まず、健康状態について事実を確認するため、経営者や人事部門の担当者が対象者と面談します。このとき、健康診断の結果などを持参してもらうのが一般的ですが、健康診断の項目に無い病状であれば、これに代わる資料が必要です。

つぎに、ご本人の了解を得たうえで、医師などに相談します。相談結果については、ご本人にも伝えます。もちろん、会社の担当者とご本人とで、医師の意見を聴きに行くのも良いでしょう。

そして、会社としての対応策を検討し、その案をご本人に伝え、具体的な対応策を決めるようにします。

ここまでの流れの中で、ご本人から退職の意向が示されることも多いでしょう。会社から退職勧奨となるような働きかけが無ければ、ご本人の自由な意思による退職の申し出ですから、労働契約は労働者からの解除となります。

 

<会社の責任>

癌にかかったからと言って、労働契約解除通知など出したら不当解雇になります。ご本人にも生活がありますし、治療費を負担するためにも働き続けたいのです。

かつては癌と言えば、入院治療が当然の時代もありました。しかし、今や医学の発達によって、通院治療が主流となっています。つまり、通院の日には休んだり早退したりが必要になっても、普段の日は通常通り勤務できるということです。

ですから、ご本人と今後の勤務について良く話し合うことが大切です。勤務の継続に無理が感じられるようでしたら、医師などと相談のうえ、再度、ご本人と話し合うことになります。

これと併行して、労働安全衛生法などの規定を参考に、会社として取るべき措置を実施することも大切です。

ここまでやって初めて、会社は責任を果たしたことになります。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

健康保険により、長期休業した場合の賃金の補償や、医療費が高額になった場合の補助もあります。

具体的な事例に即して、何をどうすれば良いのか、信頼できる社労士にご相談ください。

 

2017.05.01.解決社労士