2023/12/18|1,131文字
<就業規則の3つの柱>
就業規則には、次の3つの柱があります。
・職場のルール
・労働契約の共通部分
・法令に定められた労働者の権利・義務
<職場のルール>
会社と労働者が職場で守るべきルールです。
ここには経営者の想いが反映されます。
「自分から挨拶」「会議で積極的に発言」「書類を探すことがないように整理整頓」など、違法なことでなければ自由に規定できます。
会社として、従業員にどのように働いて欲しいのか、存分に規定しておくべきです。
当然のことですが、就業規則のひな形には、それぞれの経営者の想いが反映されていません。
社労士は、経営者の方から普段考えていることや心情をうかがって、それを就業規則にふさわしく解かりやすい表現にまとめていきます。
もちろん違法性が疑われる表現は排除します。
<労働契約の共通部分>
会社ごとに見ると、正社員は正社員の、パート社員はパート社員の共通部分があります。
この共通部分は会社ごと、職場ごとに異なります。
文字になっているものも、口頭で認識されているものもあります。
社労士は、労働契約の内容を法的観点から分析し、共通部分を抽出して、就業規則の規定にまとめます。
労働契約の内容や慣行が法令違反の場合もあります。
必要な手続が行われていないために違法な場合には、社労士が手続を指導しあるいは代行します。
実質的に違法な部分については、社労士が改善のお手伝いをします。
<法令に定められた労働者の権利・義務>
会社は労働者に対して、法令に定められた労働者の権利や義務さらには各種制度について、重要なものを周知する義務を負っています。
これを個別に説明していたのでは手間がかかりますから、就業規則の内容に盛り込んで、就業規則の周知として行っています。
法令はしばしば改正されていますから、子の看護休暇などのように、法定されていて会社に義務づけられていても、あまり知られていないものもあります。
社労士は、これらの内容をわかりやすく就業規則にまとめます。
年次有給休暇の制度や産休のしくみなど、必要に応じて説明会を開催することもしています。
<社労士(社会保険労務士)に就業規則の作成を依頼する意味>
ただ形ばかり規定を備えるのであれば、ネットで検索したひな形に少し手を加えればできてしまいます。
それなのに、社労士に報酬を支払ってまで就業規則の作成を依頼するのは、次のような効果が期待されるからです。
・問題社員から会社と真面目に働く従業員を守る。
・就業規則を通じて経営者の想いを従業員に伝える。
・会社で運用されるルールのうち問題のあるものを改善できる。
・法改正や労働市場動向に適合した内容にできる。
つまり、就業規則の作成を通じて、実は会社の強化と成長促進ができるわけです。