2023/09/07|892文字
<労働法に関する行政監督制度>
労働基準法などの実効性を高めるため、行政監督制度が設けられています。
厚生労働大臣のもとに、国に1つの厚生労働省労働基準局、各都道府県に1つの労働局、都道府県をいくつかのエリアに分けて設置される労働基準監督署があります。
たとえば、東京都立川市にある立川労働基準監督署は、立川市、昭島市、府中市、小金井市、小平市、東村山市、国分寺市、国立市、武蔵村山市、東大和市の10市を管轄しています。
<労働基準監督官と署長>
労働基準監督官は、労働基準法など労働法の施行のための行政取締や刑事処分にかかわり、事業場を臨検し、帳簿や書類の提出を求め、必要な尋問を行う権限や、労働基準法違反の罪に対する捜査権、逮捕権など司法警察員としての権限をもっています。
労働基準監督署長も、労働基準法のもとで臨検、尋問、許可、認定など様々な権限をもっています。
この他、労働基準監督署長や労働基準監督官は、必要があると認めるときには使用者や労働者に報告や出頭を命じることができます。
<労働基準監督署の機能の限界>
労働基準監督署は、強力な権限をもっていますが、それは労働基準法や労働安全衛生法などに根拠のある場合に限られています。
たとえば、解雇権濫用の有無の判断など、労働者や企業にとって切実な問題であっても、監督権限を行使することはできません。
残念ながら、これらの機関は直接の紛争解決権限をもっているわけではないのです。
<社労士(社会保険労務士)の立場>
直接訪問した場合でも、電話による問い合わせの場合でも、社労士であることを名乗ると、労働局や労働基準監督署の皆さんはとても親切です。
本当に頼りになります。
会社の人事部門で働いていた時に比べて、一段上の対応をしてくださっているように思われます。
おそらく話の通じる専門家として見てくださっているのでしょう。
年金事務所や協会けんぽでも同様のことを感じます。
もし、行政の相談窓口などに問い合わせても、今一つ納得できない場合には、信頼できる社労士(社会保険労務士)にご相談ください。
社労士から改めて問い合わせると、深い回答が得られるものです。