会社が知らず識らずのうちに加担する保険金詐欺

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2021/03/25|931文字

 

<保険金詐欺>

保険金詐欺は、刑法第246条に規定されている詐欺罪に該当します。

保険金詐欺として逮捕される可能性がある行為としては、自動車保険で、偽装の自損事故や盗難を偽装して車両保険を請求する、偽装の自損事故で人身傷害保険や搭乗者傷害保険を請求する、本当はケガをしていないのにケガをしているふりをして対人や人身傷害保険を請求するなどが見られます。

しかし、会社が加担する保険金詐欺もあるのです。

 

<雇用保険の詐欺>

採用が内定すれば「失業」の状態は解消されます。

それにもかかわらす、内定が無いものとして、失業手当(求職者給付の基本手当)や再就職手当について受給があれば保険金詐欺になります。

基本手当については、請求手続に会社が関与しませんので、責任を問われることはありませんが、調査が入れば対応する義務を負います。

再就職手当については、会社が主体的に手続に関与しますから、ここで不正を働けば保険金詐欺への加担について責任を負わされます。

 

<労災保険の詐欺>

業務災害や通勤災害を隠すために、被災者に対して、健康保険を使って治療を受けるよう会社が指示を出すことがあります。

労災保険のメリット制が適用される企業では、保険料率の上昇を防ぐための工作となります。

建設業では、被災者が仕事に就くことができないにも拘らず、建設現場に出頭させて業務に就いていたことにするなどの偽装工作まで行われています。

健康保険の側からすれば、健康保険で負担しなくて良い治療費の7割を負担することになります。

病院としては、労災の方が診療報酬が高いことが多いのですから、不審に思えば、労働基準監督署に問い合わせるなどの行動に出るのが自然です。

こうして、労災保険の詐欺は発覚しやすいので、しばしばマスコミで報道されることとなります。

会社の信用を低下させる痛手は、労災を健康保険でまかなう不正な利益を遥かに上回ってしまいます。

 

<解決社労士の視点から>

会社の経費を浮かすために、正しい手続から外れた行為をした場合、しっぺ返しがあると見て間違いありません。

過去に幾多の不正行為があり、これに対抗するための制度を国が構築したわけですから、姑息な手段で保険関係の不正を行うことは、ほとんど不可能であると心得ましょう。

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