雇用保険の対象にならない人

2021/06/04|1,287文字

 

次の各項目のどれかに当てはまる労働者は、雇用保険の対象者(被保険者)とはなりません。

反対に、どれにも当てはまらない労働者を、雇い主側の判断で、対象から外し手続を行わないのは違法となります。

 

<1週間の所定労働時間が20 時間未満である人>

「1週間の所定労働時間」とは、就業規則、雇用契約書などにより、その人が通常の週に勤務すべきこととされている時間のことをいいます。

この場合の通常の週とは、祝日やその振替休日、年末年始の休日、夏季休暇などの特別休日を含まない週をいいます。

1週間の所定労働時間が短期的かつ周期的に変動する場合には、その1周期の所定労働時間の平均を1週間の所定労働時間とします。

また、所定労働時間が複数の週を単位として定められている場合は、各週の平均労働時間で考えます。

1か月単位で定められている場合は、1か月の所定労働時間を12倍して52 で割った時間とします。

1年単位で定められている場合は、1 年の所定労働時間を52 で割った時間とします。

52で割るのは、1年がおよそ52週だからです。

所定労働時間は、残業手当の計算や、年次有給休暇取得時の賃金計算に必要です。

そして、基本的な労働条件として、労働条件通知書などの書面により、労働者に通知することが雇い主の法的義務とされています。

ですから、所定労働時間を決めないことは、雇い主に複数の罰則が重ねて適用される結果をもたらします。

どうしても決め難いのであれば、社会保険労務士などの専門家にご相談ください。

 

▷YouTube所定労働時間と予定労働時間

 

<同一の事業主の適用事業に継続して31 日以上雇用されることが見込まれない人>

「31 日以上雇用されることが見込まれる」というのは、次のような場合です。

・正社員など雇用期間を定めずに雇う場合

・有期労働契約で、最初の雇用期間が31日以上である場合

・有期労働契約で、最初の雇用期間は30日以内だが、契約期間の更新が予定されている場合

・有期労働契約で、最初は契約期間の更新を予定していなかったが、途中で更新することになり、結果的に31日以上の契約期間となる場合

・有期労働契約で、最初の雇用期間は30日以内だが、同様の契約で働いている人の多くが契約を更新され、実態として31日以上雇用されることが見込まれる場合

 

 <季節的に雇用される人であって次のどちらかにあてはまる人>

・4か月以内の期間を定めて雇用される人

・1週間の所定労働時間が30 時間未満の人

※いわゆる季節雇用の人についての基準です。

 

<学校教育法1条の学校、124 条の専修学校、134 条の各種学校の学生または生徒>

昼間の時間帯の授業に出席することの多い学生などです。

通信制、単位制、定時制などの場合には、雇用保険の対象となります。

 

<船員であって、特定漁船以外の漁船に乗り組むために雇用される人>(1年を通じて船員として雇用される場合を除く)

 

<国、都道府県、市区町村などの事業に雇用される人のうち、離職した場合に、他の法令、条例、規則等に基づいて支給を受けるべき諸給与の内容が、雇用保険の求職者給付および就職促進給付の内容を超えると認められる人>

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