慶弔休暇が無いことの適法性

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2020/01/01|1,082文字

 

<慶弔休暇>

慶弔休暇とは、喜ばしいお祝い事である慶事、おくやみごとや御不幸などの弔事があった場合に取得できる特別な休暇のことをいいます。

慶弔休暇は、年次有給休暇や産前産後休暇のように、法令で定められた法定休暇ではありません。

企業が、任意に独自の内容で定めている法定外休暇です。

ですから、慶弔休暇の付与が無くても、それ自体は違法ではありません。

慶弔休暇が無い場合には、年次有給休暇の取得で対応したり、欠勤扱いになったりします。

 

<正社員のみの付与>

企業の中には、正社員のみに慶弔休暇を付与し、パート・アルバイトには付与しないというところもあります。

しかし、労働契約法第20条には次の規定があります。

 

【期間の定めがあることによる不合理な労働条件の禁止】

有期労働契約を締結している労働者の労働契約の内容である労働条件が、期間の定めがあることにより同一の使用者と期間の定めのない労働契約を締結している労働者の労働契約の内容である労働条件と相違する場合においては、当該労働条件の相違は、労働者の業務の内容及び当該業務に伴う責任の程度(以下この条において「職務の内容」という。)、当該職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情を考慮して、不合理と認められるものであってはならない。

 

正社員に慶弔休暇が付与される一方で、パートやアルバイトのように、有期労働契約を締結している労働者に、慶弔休暇が付与されない場合、こうした処遇の差が不合理であってはならないのです。

上の条文では、業務内容、責任の程度、人事異動の範囲、その他の事情により、労働条件の相違があり、処遇の差が不合理でなければ良しとしています。

しかし、慶弔休暇の必要性は、業務内容、責任の程度、人事異動の範囲によって異なることはありません。

「その他の事情」として考えられるのは、1週間の所定労働日数が少ないうえに、シフトの変更が容易であるような場合です。

週2日の勤務であって、しかも出勤日の変更がわりと自由であれば、慶事や弔事に当たる日を出勤日にしないことによって対応できるのが普通です。

例外的に、対応できない場合に限り、慶弔休暇を付与するものとしても、決して不合理ではありません。

 

<有給か無給か>

慶弔休暇は、法定休暇ではありませんから、有給にするか無給にするかは、企業の判断で制度を設計すれば良いことになります。

しかし、実際には、ほとんどの企業で有給とされ、しかも、お祝い金や弔慰金が支給されています。

違法でなければ問題ないということではなく、世間一般の動向を踏まえたうえで、自社のルールを決めることが必要でしょう。

 

解決社労士