夫婦共同扶養の扶養家族(健康保険)

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2021/05/27|1,641文字

 

<「通知」の改定>

令和3(2021)年4月30日、厚生労働省保険局保険課長と厚生労働省保険局国民健康保険課長の連名で、夫婦共同扶養の場合の扶養家族(被扶養者)の認定についての通知が発出されました。

これまで、夫婦共同扶養の場合の被扶養者の認定については、昭和60年通知(昭和60年6月13日付保険発第66号・庁保険発第22号通知)が基準となっていました。

ところが、令和元(2019)年に成立した医療保険制度の適正かつ効率的な運営を図るための健康保険法等の一部を改正する法律(令和元年法律第9号)に対する附帯決議として、「年収がほぼ同じ夫婦の子について、保険者間でいずれの被扶養者とするかを調整する間、その子が無保険状態となって償還払を強いられることのないよう、被扶養認定の具体的かつ明確な基準を策定すること」が付されました。

今回の通知変更は、上記の附帯決議を踏まえ、夫婦共同扶養の場合の被扶養者の認定について、基準を改めることとなり、通知が改定されたものです。

新たな認定基準は、夫婦とも被用者保険の被保険者の場合と、夫婦の一方が国民健康保険の被保険者の場合とを分け、次のように示されています。

 

<夫婦とも被用者保険の被保険者の場合

被扶養者の人数にかかわらず、被保険者の年間収入(過去の収入、現時点の収入、将来の収入等から今後1年間の収入を見込んだもの)が多いほうの被扶養者とします。

ただし、夫婦の年間収入の差額が年間収入の多いほうの1割以内である場合は、届出により、主たる生計維持者の被扶養者とすることができます。

また、いずれか一方が共済組合の組合員であって、その者に被扶養者とすべき者についての扶養手当またはこれに相当する手当(扶養手当等)が支給されている場合には、支給を受けている者の被扶養者として差し支えありません。

被扶養者として認定しない保険者等は、その決定についての通知を出します。

被保険者は、その通知を届出に添えて次に届出を行う保険者等に提出します。

不認定通知とともに届出を受けた保険者等は、通知に基づいて届出を審査し、他保険者等の決定につき疑義がある場合には、届出を受理した日より5日以内(書類不備の是正を求める期間および土日祝日を除く)に、他保険者等と、いずれの者の被扶養者とすべきか年間収入の算出根拠を明らかにしたうえで協議し、協議が整わない場合には、初めに届出を受理した保険者等に届出が提出された日の属する月の標準報酬月額が高いほうの被扶養者とします。

夫婦の年間収入比較のための添付書類は、保険者判断として差し支えないものとされます。

 

<夫婦の一方が国民健康保険の被保険者の場合

被用者保険の被保険者については年間収入を、国民健康保険の被保険者については直近の年間所得で見込んだ年間収入を比較し、いずれか多いほうを主たる生計維持者とします。

被扶養者として認定しない保険者等は、その決定についての通知を出します。

被保険者はその通知を届出に添えて国民健康保険の保険者に提出します。

被扶養者として認定されないことについて、国民健康保険の保険者に疑義がある場合には、届出を受理した日より5日以内(書類不備の是正を求める期間と土日祝日を除く)に、不認定通知を出した被用者保険の保険者等と協議し、協議が整わない場合には、直近の課税(非課税)証明書の所得金額が多いほうを主たる生計維持者とします。

 

<その他の留意事項>

主たる生計維持者が健康保険法第43条の2に定める育児休業等を取得した場合、その休業期間中は特例的に被扶養者を異動しません。

年間収入の逆転に伴って、被扶養者認定を削除する場合は、年間収入が多くなった被保険者の保険者等が認定することを確認してから削除します。

被扶養者の認定後、結果に異議がある場合には、被保険者または関係保険者の申立てにより、被保険者の勤務する事業所所在地の地方厚生(支)局保険主管課長が関係保険者の意見を聞き、あっせんを行うことになっています。

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