孤独な考課者による評価

2021/06/21|651文字

 

人事考課制度の弊害

 

<寛大化傾向>

寛大化傾向というのは、評価への批判や反発を恐れ、あるいは評価対象者への気遣いから、評価がついつい甘くなる傾向です。

部下に「嫌われたくない」「よく思われたい」という感情に支配されてしまうとこうした傾向が見られます。

評価に差が出ないため人事考課の目的を果たせないこと、評価対象者が甘えてしまい成長しなくなることが問題となります。

 

<役職者としての能力不足>

役職者には、コミュニケーション能力が必要です。

人脈を広げる努力も求められます。

また、部下を客観的に評価するためには、世間一般の同業で働く人たちや同一職種の人たちの働きぶりを把握していることが必要です。

「井の中の蛙 大海を知らず」というのでは、部下を広い目で客観的に評価できません。

そもそも、部下をどう育てるかの指針や目標を立てることも困難です。

 

<寛大化傾向を示す役職者への対応>

人事考課制度を適正に運用するためには、考課者に対する定期的な教育研修の実施が大事です。

そして、寛大化傾向を示す役職者には、人事考課の目的の再確認、コミュニケーション能力の強化について、重点的な教育研修が必要でしょう。

一方で会社から、人脈を広げやすくするためのサポートもしてあげたいところです。

それでもなお、きちんとした人事評価ができないのであれば、適性を欠くものとして考課者から外すことも考えなければなりません。

そもそも、こうした人物が役職者になってしまうこと自体、適正な人事考課制度の運用ができていなかったり、人事政策が失敗していたりの可能性があります。

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