2024/03/17|636文字
<社会保険の加入基準>
社会保険の加入基準のうち、労働時間・日数については、労働契約によって定められた所定労働時間・所定労働日数が基準になります。
かつては、今後1年間の見込や勤務の実態が基準とされていたのですが、平成28(2016)年10月1日に、基準のあいまいさが解消され明確化されました。
労働契約の内容は、雇用契約書や労働条件通知書などに記載されたものですから、実態として妊婦さんの早退が多く勤務時間が減少したとしても、それだけで加入基準を満たさなくなるわけではありません。
<産前産後の社会保険加入者の権利>
少子高齢化の傾向から、社会保険にも少子化対策が反映され、産前産後の加入者(被保険者)の権利は強化されています。
まず、産休(産前産後休業)と育休(育児休業)の間は、社会保険料が免除されます。
かつては、育休中だけでしたが、産休中にも拡大されました。
また、産休中の生活保障のため健康保険から出産手当金が支給されます。
かつては、賃金の60%の保障でしたが、66.6%に引き上げられました。
さらに、出産費用補てんのため、健康保険から1児につき原則として50万円が支給されます。
この出産育児一時金も、最初は30万円でしたが数次にわたり増額されてきましたし、さらに増額が検討されています。
<実務の視点から>
妊婦さんについて、社会保険から抜けることが検討されるなど、国の政策に反するような動きが出た場合、それが適法なのか妥当なのかについて、信頼できる社労士にご相談ください。