2024/01/09|604文字
<マクロ経済スライド>
年金の給付水準は、賃金や物価により変動します。
しかし、あまりに大きな変動は給付額が不安定になり好ましくありません。
マクロ経済スライドは、賃金や物価の改定率を調整して、緩やかに年金の給付水準を調整する仕組みです。
これによって、保険料等の収入と年金給付等の支出の均衡が保たれるようになりますし、子や孫など将来の現役世代の負担が過重なものとならないよう保険料の負担水準を定めることになります。
<具体的な仕組み>
賃金や物価による改定率から、加入者(被保険者)の減少と平均余命の伸びに応じて算出した「スライド調整率」を差し引くことによって、年金の給付水準を調整します。
そして、賃金や物価がある程度上昇する場合にはそのまま適用しますが、賃金や物価の伸びが小さく、適用すると年金額が下がってしまう場合には、年金額の改定は行われません。
さらに、賃金や物価の伸びがマイナスの場合は調整を行わず、賃金や物価の下落分のみ年金額を下げることになります。
<実務の視点から>
個人の年金額に変更があった場合、その原因がすぐに分からないこともあります。
年金額そのものが変わったのではなく、天引き(控除)されている金額が変わっていることもあります。
お近くの年金事務所などで確認すれば良いのですが、時間が無かったり、一度説明を受けたけれども良く分からない場合には、信頼できる社労士にご相談ください。