2025/08/28|1,389文字
<求人票の目的を明確にする>
求人票は、単なる募集案内ではなく「企業と求職者をつなぐ最初の接点」です。目的は、適切な人材に「この職場で働きたい」と思わせること。そのためには、情報の正確性と魅力の両立が不可欠です。
<構成要素とポイント>
以下の項目を網羅しつつ、読みやすさと納得感を意識しましょう。
1. 職種・仕事内容
具体性が命です。「営業」ではなく「法人向けITソリューションの提案営業」など、業務内容を明確に記します。
1日の流れやチーム構成を添えると、働くイメージが湧きやすくなります。
2. 応募資格・求める人物像
必須条件と歓迎条件とは明確に分けます。
例)「普通自動車免許(必須)」「営業経験者歓迎」
人物像も言語化します。「自ら考え行動できる方」「チームワークを大切にできる方」など、社風に合う人材像を具体的に伝えます。
3. 勤務地・勤務時間
勤務地は正確に、支店や出張の可能性がある場合はその旨も記載します。
勤務時間は実態に即して、残業の有無やフレックスタイム制なども明記します。
4. 給与・待遇
給与は「月給25万〜35万円(経験・能力による)」など幅をもたせた記載にしておいて、実際の決定は面接など採用手続が進んでからとします。このことを応募者にも説明しておくことになります。
昇給・賞与の実績については「年1回昇給、賞与年2回(昨年度実績2.5か月分)」など具体的に記載し、過去の実績は今後保証されるものではないこと、また会社の業績や個人の貢献度によっては、これを上回ることもあるということを、応募者に説明しておくと良いでしょう。
5. 休日・休暇
制度だけでなく実態も「完全週休2日制(土日)」「年間休日120日以上」「有休取得率80%」などと記載します。
6. 福利厚生
社会保険完備、交通費支給に加え、「資格取得支援制度」「社内カフェあり」など、独自の魅力をアピールします。
7. 企業情報・メッセージ
企業の理念やビジョン「地域に根ざした医療を提供する」「持続可能な社会づくりに貢献」などアピールできることは、可能な限り記載します。
代表者や現場社員の声を載せると、リアルな雰囲気が伝わります。
<魅力的に見せる工夫>
ウソはいけませんが、魅力的に見せる工夫は必要です。
- 視覚的な整理
箇条書きや見出しを使って、情報を整理します。
文字量が多すぎると読まれないので、要点を絞ります。
- 読者目線で書く
「あなたはこんな方ですか?」と問いかけるような文体も効果的です。
「未経験でも安心の研修制度あり」「育児と両立しやすい環境」など、求職者の不安を先回りして解消しましょう。
- “らしさ”を伝える
他社と差別化するには、企業文化や働く人の雰囲気を伝えることが重要です。
写真や社員インタビュー、動画リンクなどを活用すると効果的です。
抽象的で伝わらないNG例として、「やる気のある方歓迎」「アットホームな職場です」「未経験OK」などは有名です。
たとえば「未経験OK」ではなく、「未経験でも3か月のOJT研修で基礎から学べます」など、未経験の応募者が安心して応募できる表現が必要です。
<実務の視点から>
求人票は、企業から求職者へのラブレターのようなものです。事実を伝えるだけでなく、「ここで働く未来が楽しそう」と思わせるストーリー性が鍵となります。正確性・具体性・魅力の3点を意識して、心に響く求人票を作りましょう。