2023/10/11|1,020文字
<引継ぎと目的意識>
人事異動や退職によって、仕事の引継ぎが発生します。
何も意識しないで引き継げば、慣れている前任者から不慣れな後任者に仕事が移るわけですから、明らかに戦力ダウンです。
しかし、一つひとつの仕事の目的を意識した引継ぎを行えば、仕事のレベルは向上し、社員は成長し、会社も成長するのです。
まさに、引継ぎは会社成長のチャンスなのです。
<後任者の気持>
引継ぎを受ける人は、早く一人前になりたいと思います。
1日も早く前任者と同じように仕事ができるようにと考えるわけです。
この気持は、前向きな気持ですから、それはそれで素晴らしいのですが、「前任者と同じように」ではなく「前任者以上に」を目指さなければ成長がありません。
そのためには、引き継ぐ仕事の一つひとつについて、それが何を目的としているのかを考える必要があります。
場合によっては、その仕事は既に必要が無いという結論が出ることもあります。
同じ目的を達成するのに、もっと手間のかからない方法があったり、同じ手間でより大きな成果を出す方法があったり、前任者と後任者で話し合いながら、改善しながら引継ぎを行うのが得策です。
<前任者の気持ち>
引き継がせる人には、仕事に対する愛着があります。
自分の中でベストと思うやり方で仕事をこなしてきたという自負もあります。
ですから、後任者に対しては「つべこべ言わずに私のやってきたようにやりなさい」と言いたくもなります。
しかし、その気持をグッとこらえて、よりよい仕事と成長を目指して、後任者と話し合いながら改善を試みるのが得策です。
<前任者と後任者の上司の気持ち>
上司としては、限られた時間の中で、スムーズにトラブルなく引継ぎが完了して欲しいという、保守的な気持になるのが普通です。
しかし、担当者が変わっても仕事の中身か変わらないのでは、成長がありません。
このことを強く意識して、前任者と後任者との間に考え方の違いがあることを前提に、調整役を買って出るのが得策です。
<社労士(社会保険労務士)の立場から>
このように、引継ぎは会社成長のチャンスですから、固定的な組織や役割分担にはせず、2~3年サイクルで人事異動や組織変更をお勧めします。
当然、就業規則も変わってくるわけです。
その就業規則も、会社の成長を促す引継ぎのルールがあると無いとでは大違いです。
社員と会社の成長を促す就業規則をご希望でしたら、信頼できる社労士(社会保険労務士)にご相談ください。