令和5年年末調整の注意点

2023/10/10|1,017文字

 

<令和5年度年末調整の注意点>

令和5年度の年末調整は、住宅ローン控除申告書の要件の変更、非居住者扶養親族の適用範囲の変更、退職手当のある配偶者・扶養親族欄の追加の3点がポイントです。

それぞれ具体的に見ていきましょう。

 

<住宅ローン控除申告書の要件の変更>

令和4年税制改正によって、住宅ローン控除区分の追加・変更が行われましたが、住宅を取得した初年度は確定申告をするため、年末調整にかかわるのは令和5年からとなります。

令和4年から令和7年までの間に入居した場合の「住宅借入金などの年末残高の限度額」「控除率及び控除期間」が変更されています。

また、従来の「認定住宅(認定長期優良住宅および認定低炭素住宅)」に加え、「ZEH水準省エネ住宅」と「省エネ基準適合住宅」が追加されました。

さらに、住宅性能と入居開始年の区分別の、借入限度額・控除率・控除期間が変更されましたし、2024年1月以降に建築確認を受けた新築住宅について、住宅ローン控除を受けるためには、省エネ基準に適合していることが必須条件となりました。

従来、住宅ローン控除適用の所得要件は、その年の合計所得金額が「3,000万円以下」でした。今回の改正により、適用対象者の所得要件が「2,000万円以下」へ引き下げられました。

この他、床面積40平方メートル以上50平方メートル未満の住宅(特例特別特例取得)について、令和3年1月1日から令和4年12月31日の期間で適用されていましたが、令和5年12月31日以前に建築確認を受けた住宅の取得においても適用とされました。ただし、合計所得金額が1,000万円以下という所得制限があります。

 

<非居住者扶養親族の適用範囲の変更>

扶養控除の対象となる扶養親族の範囲が、「16歳以上の非居住者」のうち、「30歳から69歳までの非居住者」が除外されました。これは令和2年税制改正によるものですが、令和5年からの適用となります。

これには、次の例外があります。

・留学により国内に住所及び居住をしなくなった者

・障害者

・扶養控除の適用を受けようとする居住者から、その年において生活費または教育費に充てるために、38万円以上の送金を受けている者

 

<退職手当のある配偶者・扶養親族の追加>

令和4年税制改正により、「住民税に関する事項」に退職手当を有する配偶者・扶養親族の欄が追加されました。適用は、令和5年提出の扶養控除申告書からとなっています。

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