障害年金の支給停止

2026/10/21|1,284文字

 

障害年金を受給している方でも、一定の場合には年金が支給停止となることがあります。ただし、「少し働いたらすぐ止まる」「収入が増えたら必ず止まる」というわけではありません。障害年金は、障害の状態や受給資格の状況によって支給の可否が決まります。

 

1 障害の状態が軽くなった場合

最も多い支給停止の理由は、障害の状態が改善し、障害年金の等級に該当しなくなった場合です。

障害年金を受給している方の多くは、定期的に「障害状態確認届(診断書)」を提出します。これを一般に「更新」と呼びます。

日本年金機構が診断書を審査した結果、障害基礎年金では障害等級1級または2級、障害厚生年金では障害等級1級から3級に該当しないと判断されると、年金は支給停止となります。

例えば、次のような場合には、支給停止となる可能性があります。

  • うつ病の症状が大幅に改善した
  • 人工透析が不要になった
  • 視力や身体機能が回復した

もっとも、一度支給停止になっても、その後再び症状が悪化したときは、支給再開を請求できる場合があります。

 

2 有期認定の更新手続をしなかった場合

更新が必要な方が期限までに診断書を提出しないと、年金の支払が一時的に止まることがあります。

これは「障害が軽くなった」と判断されたわけではなく、障害状態の確認ができないためです。

診断書を提出し、引き続き障害等級に該当すると認められれば、後日まとめて支給されることもあります。

したがって、更新案内が届いたら早めに手続を行うことが大切です。

 

3 受給権そのものが消滅した場合

受給権がなくなると、支給停止ではなく受給権の消滅となります。

例えば、障害が完全に治った、障害認定の要件を満たさなくなったなどの場合です。

ただし、実務上はまず支給停止となり、その後の状況によって受給権の扱いが決まることが一般的です。

 

4 20歳前傷病による障害基礎年金で所得が多い場合

20歳前に初診日のある病気やけがで受給している「20歳前傷病による障害基礎年金」には所得制限があります。

そのため、本人の前年所得が一定額を超えると、年金の全額停止または年金の半額停止となることがあります。

これは障害の程度が変わったからではなく、所得制限による支給停止です。

一方で、通常の障害基礎年金や障害厚生年金には、原則として所得制限はありません。

 

5 所在不明などで現況確認ができない場合

まれなケースですが、次のような場合には、支給が止められることがあります。

  • 住所変更を届け出ていない
  • 日本年金機構からの連絡が取れない
  • 生存確認などができない

住所や連絡先が変わった場合は、速やかに届け出ることが重要です。

 

働いていると障害年金は止まるのか?

よくある誤解ですが、障害年金は「働いたら必ず支給停止になる制度」ではありません。

実際には、働いていても障害等級に該当していれば受給できます。収入があるだけで直ちに停止されるわけではありません。ただし、就労状況が障害状態の判断材料になることはあります。

特に精神障害の場合は、フルタイム勤務の状況などが障害状態の認定に影響することがありますが、「就職=支給停止」ではありません。

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