2026/10/11|1,061文字
LGBTQ+と会社の福利厚生は、最近になって、多くの企業が力を入れているテーマの一つです。福利厚生がLGBTQ+の人にも利用しやすい内容になっているかどうかは、働きやすさや職場への定着率に大きく影響します。
まず、LGBTQ+とは、性的指向や性自認に関して多様なあり方を持つ人々を表す言葉です。例えば、同性を好きになる人や、自分の性別認識が出生時に割り当てられた性別と異なる人などが含まれます。
従来の福利厚生制度は、「法律上の夫婦」「男女の夫婦」を前提に作られていることが多く、LGBTQ+の従業員にとって利用しにくい場合がありました。
例えば、次のような福利厚生が挙げられます。
・結婚祝い金
・配偶者手当
・慶弔休暇
・家族向け福利厚生サービス
・社宅の利用制度
・介護休暇や看護休暇
これらの制度が法律上の配偶者だけを対象としていると、同性パートナーと生活している従業員は利用できないことがあります。
そこで最近は、同性パートナーを法律上の配偶者と同様に扱う企業が増えています。
例えば、次のような取組みが行われています。
・同性パートナーにも結婚祝い金を支給する
・慶弔休暇の取得を認める
・家族向け福利厚生サービスを利用可能にする
・住宅手当や社宅制度の対象とする
こうした制度には企業側にもメリットがあります。
第一に、人材確保につながります。LGBTQ+への理解がある企業は、応募者から選ばれやすくなります。
第二に、離職防止につながります。安心して働ける職場は従業員の定着率向上に役立ちます。
第三に、企業イメージの向上です。多様性を尊重する企業として社会的評価が高まることがあります。
一方で、企業側には制度設計上の課題もあります。例えば、同性パートナーであることをどのように確認するか、どこまで家族として扱うかなどです。そのため、自治体のパートナーシップ宣誓制度の証明書や、共同生活を示す書類を提出してもらう仕組みを設けている企業もあります。
また、福利厚生だけでは十分とはいえません。トイレや更衣室の利用、健康診断の受診方法、ハラスメント防止研修など、職場環境全体への配慮も重要です。
最後に、会社の福利厚生は法律で義務付けられているものばかりではなく、企業が独自に定める部分も多くあります。そのため、LGBTQ+に配慮した制度づくりは、企業の考え方や職場風土が反映されやすい分野といえます。従業員一人ひとりが安心して能力を発揮できる環境を整えることは、LGBTQ+の人だけでなく、すべての従業員にとって働きやすい職場づくりにつながるでしょう。