雇用保険の記事

<原則>

個人事業の事業主と同居している親族は、事業主のもとで働いていても、原則として雇用保険に入りません。

これは、実質的に代表者の個人事業と同様と認められる法人の場合も同じです。

雇用関係にあるとは認定されないわけです。

 

<例外的に雇用保険に入る場合>

次のすべてに当てはまる場合には、雇用保険に入ることがあります。雇用関係にあると認定されれば、雇用保険で保護する必要があるからです。

・事業主の指揮命令下で業務を行っていることが明確であること。

・その事業所の他の労働者と同じ就業実態で、賃金も他の労働者と同じ基準で支払われていること。たとえば、他の労働者と同じように、就業規則に従い勤務し管理されているような場合。

・取締役など事業主と利益を共にする地位に無いこと。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

何事にも原則と例外があって、労働関係では、その区分が必ずしも「常識」に従っていないことが多いのです。

従業員のうち誰が、社会保険、雇用保険、労災保険の対象なのか、信頼できる社労士(社会保険労務士)に確認させることをお勧めします。

 

2017.01.31.解決社労士

<専門実践教育訓練給付金>

雇用保険に一定の期間入っている人、または、入っていた人が、自分で費用を負担して、厚生労働大臣が指定する教育訓練講座を受講し修了した場合、その教育訓練に支払った経費の一部を支給する雇用保険の給付制度です。

平成2610月から従来の仕組みが拡充され、専門実践教育訓練の教育訓練給付金が新設されました。

 

<平成26101日以降の受給条件>

教育訓練講座の受講開始日現在で、雇用保険に入っていた期間(被保険者期間)が10年以上あることが条件です。ただし、初めて支給を受ける場合には、当分の間、2年以上あれば大丈夫です。

受講開始日時点で雇用保険に入っていない人(一般被保険者ではない人)でも、資格を失った日(離職日の翌日)以降、受講開始日までが1年以内であれば対象となります。

しかし、前に給付を受けたことがある場合には、前回の教育訓練給付金受給から、今回の受講開始日前までに10年以上の期間が無ければなりません。

 

<給付額>

教育訓練に支払った教育訓練経費の40%に相当する額となります。

ただし、その額が1年間で32万円を超える場合の支給額は32万円(訓練期間は最大で3年間となるため、最大で96万円が上限)とし、4千円を超えない場合は支給されません。

また、専門実践教育訓練の受講を修了した後、あらかじめ定められた資格等を取得し、受講修了日の翌日から1年以内に雇用保険に加入した人、または、加入している人(一般被保険者として雇用された人、または、すでに雇用されている人)に対しては、教育訓練経費の20%に相当する額を追加して支給します。

この場合、合計で60%に相当する額が支給されることとなりますが、その額が 144万円を超える場合の支給額は144万円(訓練期間が3年の場合、2年の場合は96万円、1年の場合は48万円が上限)とし、4千円を超えない場合は支給されません。

 

<教育訓練支援給付金>

専門実践教育訓練の教育訓練給付金を受給できる人のうち、受講開始時に45歳未満で離職しているなど、一定の条件を満たす場合には、訓練受講をさらに支援するため、「教育訓練支援給付金」が支給されます。

この教育訓練支援給付金は、平成30年度までの暫定措置です。

 

2017.01.13.解決社労士

<一般教育訓練給付金>

雇用保険に一定の期間入っている人、または、入っていた人が、自分で費用を負担して、厚生労働大臣が指定する教育訓練講座を受講し修了した場合、その教育訓練に支払った経費の一部を支給する雇用保険の給付制度です。

平成2610月から仕組みが変わりましたが、一般教育訓練給付金は従来の枠組みを引き継いだものです。

 

<平成26101日以降の受給条件>

教育訓練講座の受講開始日現在で、雇用保険に入っていた期間(被保険者期間)が3年以上あることが条件です。ただし、初めて支給を受ける場合には、当分の間、1年以上あれば大丈夫です。

受講開始日時点で雇用保険に入っていない人(一般被保険者ではない人)でも、資格を失った日(離職日の翌日)以降、受講開始日までが1年以内であれば対象となります。

しかし、前に給付を受けたことがある場合には、前回の教育訓練給付金受給から、今回の受講開始日前までに3年以上の期間が無ければなりません。

 

<給付額>

教育訓練に支払った教育訓練経費の20%に相当する額となります。

ただし、その額が10万円を超える場合は10万円とし、4千円を超えない場合は支給されません。

 

2017.01.12.解決社労士

<雇用保険の対象者(被保険者)とならない取締役>

法人等の代表者(会長・代表取締役社長・代表社員など)は、雇用保険の対象者(被保険者)とはなりません。

また、法人等の役員(取締役・執行役員・監査役など)についても、原則として雇用保険の対象者(被保険者)となりません。

これらの人と会社との関係は、雇用ではなく委任だからです。

 

<例外的に雇用保険の対象者(被保険者)となる場合>

役員などが同時に部長、支店長、工場長など会社の従業員としての身分を兼ねている兼務役員の場合であって、就労実態や給料支払いなどの面からみて労働者としての性格が強く、雇用関係が明確に存在している場合には、例外的に雇用保険の対象者(被保険者)となります。

この場合、ハローワークで雇用保険の対象者(被保険者)とするときの手続きには、就業規則、登記事項証明書、賃金台帳、などの提出が必要となります。

「働いている」という実態に変わりがなくても、一般の従業員から兼務役員になった場合には、ハローワークでの手続きが必要になります。

兼務役員は、従業員としての身分の部分についてのみ、雇用保険の対象者となります。そして保険料も、役員報酬の部分は含まれず、労働者としての賃金部分のみを基準に決定されます。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

新たに取締役に就任した方がいらっしゃる場合の雇用保険の手続きや、その年度の労働保険(労災保険と雇用保険)の保険料の計算は間違えやすいポイントです。

信頼できる社労士(社会保険労務士)のチェックを受けるようお勧めします。

 

2016.12.31.解決社労士

<昼間学生ではない場合>

学生・生徒のうち、昼間授業を受ける従業員は、原則として雇用保険の対象者にはなりません。これらの従業員は、働いていても小遣い稼ぎであり、失業が大きな痛手にならないと推定されるからです。

これに対して、通信制の学校や夜間・定時制の学校に在籍する従業員は雇用保険に入ります。これらの従業員は、働きながら学んでいるので、失業した場合などの給付が必要になると考えられるからです。

もちろん定時制高校の生徒すべてが、働くことを考えて入学したわけではありません。しかし、個人的な事情を細かく分析するのは現実的ではありませんから、上記のように形式的に区分されています。

 

<昼間学生の例外>

昼間学生であっても次のような従業員は、一定の条件のもと雇用保険に加入します。

・卒業前に新卒として就職し卒業後も継続勤務する予定の従業員

・休学中の従業員(休学証明書が必要)

・従業員の身分のまま事業主了解のもと大学院などに在籍する者

勉強よりも働くことのウエイトが高く、失業が大きな痛手になると考えられる従業員が、形式的な基準で例外とされています。

 

<ここに注意!>

「学生アルバイトだから雇用保険は関係ない」と思い込んでしまうと、雇用保険を必要とする従業員が保険に入れないことになりかねません。

もし迷ったら、信頼できる社労士(社会保険労務士)にご相談ください。

 

2016.12.23.

<適用事業の範囲>

労働者を1人でも雇用する事業は、その業種や事業規模に関係なく、原則としてすべて適用事業となります。

例外として、農林水産の事業のうち一部の事業は、当分の間、任意適用事業とされています。

これは暫定任意適用事業と呼ばれ、個人経営の農林水産業で、雇用している労働者が常時5人未満の事業を言います。ただし、農業用水供給事業、もやし製造業を除きます。

任意適用というのは、希望すれば適用され、希望しなければ適用されないという意味です。

暫定任意適用事業の事業主であっても、雇用する労働者の2分の1以上が加入を希望するときは、都道府県労働局長に任意加入の申請を行います。認可されると希望しない労働者を含めて、雇用保険の対象者(被保険者)となります。

 

<雇用保険適用の単位>

雇用保険は、経営組織として独立性をもった事業所単位で適用されます。

支店や工場などでも、ある程度独立して業務を行っていれば、個々に手続きを行います。

独立性の無い支店などは、公共職業安定所長の承認を受けて本社等で一括して手続きを行うことになります。具体的には「雇用保険事業所非該当承認申請書」を提出することになります。これにはコツがありますので、信頼できる社労士(社会保険労務士)にご相談ください。

 

<労働保険の適用>

労働保険は事業を単位として適用されます。

事業の種類により、一元適用事業と二元適用事業に分かれ、加入手続きや保険料の申告・納付先が違います。

 

<一元適用事業>

労災保険の保険関係と雇用保険の保険関係を一つの事業についての労働保険関係として扱い、保険料の申告納付を一括して行います。

これが原則となります。次の二元適用事業以外は、すべて一元適用事業となります。

 

<二元適用事業>

雇用保険の保険関係と労災保険の保険関係を別々に取り扱い、保険料の申告納付を別々に行います。

二元適用事業は次に該当するものです。

・都道府県、市町村、これらに準ずるものの行う事業

・農林水産の事業

・建設の事業

・港湾労働法の適用される港湾で港湾運送の行為を行う事業

 

 2016.12.18.

<雇用保険の届出書類>

ハローワークで雇用保険についての届出を行うと、先回りして次の手続きで使用する用紙を渡されます。

たとえば、新規採用の従業員が雇用保険に入ったことの届をするために「雇用保険被保険者資格取得届」を提出すると、「雇用保険被保険者資格喪失届・氏名変更届」という用紙を渡されます。これは、基本的には退職して雇用保険を抜けたときに使う用紙です。すでに氏名、生年月日、被保険者番号、事業所番号などが印字されているので、その人専用の用紙になります。

ですから、何年後に使用するかわからない用紙を、長期間保管することになります。

 

<保管上の注意点>

ハローワークでの雇用保険関係の事務処理は、全国をオンラインで結ぶ「ハローワークシステム」により、各種届出書類の内容をそのまま機械(OCR)で読み取り、即時処理を行っています。

機械で光学的に読み取る書類の性質上、次の点に注意して、大切に保管しなければなりません。

・ホチキスでとめたり、とじ穴をあけたりしない

・折り曲げない。また、角についても折り曲がらないようにする

・汚さない

・湿気の多い場所には置かない

・直射日光に当たらないようにする

 

<保管期間>

雇用保険関係の書類は、手続き完結の日から少なくとも次の期間は保管します。

被保険者(加入者)に関する書類 4年

労働保険料に関する書類 3年

その他雇用保険に関する書類 2年

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

手続きについて基本的なことは、所轄のハローワークで気軽に確認できます。

しかし、聞きにくいことや会社特有のことなど、じっくり相談したいことは信頼できる社労士におたずねください。

顧問の社労士がいれば、入社前から退職後まで、その会社の実情に適合した対応ができます。手続きの代行も書類の管理も社労士の業務です。どうぞ、お気軽にご相談ください。

 

2016.12.09.

<適用拡大の内容>

平成2911日以降、65歳以上の労働者についても、「高年齢被保険者」として雇用保険の適用の対象となります。

それまでは、「高年齢継続被保険者」となっている場合を除き適用除外です。

「高年齢継続被保険者」というのは、65歳になった日の前日から引き続いて65歳になった日以後も雇用されている被保険者です。

「65歳になった日」は65歳の誕生日の前日ですから、「65歳になった日の前日」というのは65歳の誕生日の前々日です。

 

<平成2911日以降に新たに65歳以上の労働者を雇用した場合>

雇用保険の適用要件にあてはまる場合は、事業所を管轄するハローワークに「雇用保険被保険者資格取得届」を提出します。

採用した月の翌月10日が提出期限です。

雇用保険の適用要件は、1週間の所定労働時間が20時間以上であり、31日以上の雇用見込みがあることです。ただし、昼間学校に通う学生は除きます。

所定労働時間は必ず決めて、書面で労働者に通知することが、労働基準法により使用者に義務づけられています。

 

<平成2812月末までに65歳以上の労働者を雇用し平成2911日以降も継続して雇用している場合>

雇用保険の適用要件にあてはまる場合は、平成2911日から雇用保険の適用対象となります。事業所を管轄するハローワークに「雇用保険被保険者資格取得届」を提出します。

提出期限の特例があり、平成29331日までに提出することになっています。

 

<平成2812月末時点で高年齢継続被保険者である労働者を平成2911日以降も継続して雇用している場合>

ハローワークへの届出は不要です。自動的に高年齢被保険者に区分が変更されます。

 

<平成2911日以降に所定労働時間の変更があり適用要件にあてはまるようになった場合>

所定労働時間の変更があった月の翌月10日までに、事業所を管轄するハローワークに「雇用保険被保険者資格取得届」を提出します。

所定労働時間の変更があった場合には、書面で労働者に通知することが、労働基準法により使用者に義務づけられています。

 

必要な手続きが良くわからなかったり、手続きの外注を考える場合には、信頼できる社労士(社会保険労務士)にご相談ください。 

 

2016.11.13.

<会社からの請求が無い>

産前産後休業や育児休業の期間は、社会保険料が免除されます。

しかし、介護休業その他の休職中の社会保険料は免除されません。

また、住民税はどの休業・休職中も免除されません。

そして、雇用保険料については、特に免除という話も無いまま、会社からは請求されません。

 

<社会保険料のしくみ>

毎年9月に、4月から6月の給与の総支給額を基に、社会保険料(健康保険料と厚生年金保険料)が決まります。

ここで決まった保険料は、給与の大きな増減や保険料率の変更が無ければ、9月から翌年の8月まで変更がありません。

勤務日数が減って給与が減額されたり、休業・休職で給与がゼロになっても、原則として保険料は変動しません。

ただ、産前産後休業や育児休業の期間は、社会保険料が免除されます。

 

<雇用保険料のしくみ>

雇用保険料は、毎月の給与に対して、雇用保険料率を掛けて計算します。

残業手当の増減により、毎月の給与が増減した場合には、雇用保険料も増減します。

そして、給与の総支給額がゼロであれば、ゼロに保険料率を掛けるので、保険料もゼロになります。

ですから給与の支払の無い休業・休職中の雇用保険料は、支払わなくて良いのです。

特に免除でもなく、請求もれでもなく、保険料が発生しないということなのです。 

 

2016.11.12.

「待期期間」と「給付制限」とが混同されやすいようです。

 

<待期期間>

ハローワーク(公共職業安定所)に離職票の提出と求職の申込みを行った日(受給資格決定日)から通算して7日間を「待期期間」といい、その期間が満了するまでは失業手当(雇用保険の基本手当)は支給されません。

これは、離職の理由にかかわらず、一律に適用されます。

 

<給付制限>

さらに待期期間の満了後、一定の期間、雇用保険の基本手当の支給が行われない場合もあり(給付制限)、主なものとして次の理由があります。

1.離職理由による「給付制限」

客観的に正当な理由なく自己都合により退職した場合、または、労働者自身に責任がある重大な理由によって解雇された場合は、待期期間終了後、さらに3か月間の「給付制限」があります。

2.紹介拒否などによる「給付制限」

失業手当を受給できる人(受給資格者)が、公共職業安定所からの職業の紹介や指示された公共職業訓練などを客観的に正当な理由なく拒んだ場合、その拒んだ日から起算して1か月間は雇用保険の基本手当が支給されません。

また、再就職を促進するために必要な職業指導を客観的に正当な理由なく拒んだ場合にも、同様の「給付制限」があります。

 

<実際の入金>

なお、実際に雇用保険の基本手当として初めて現金が振り込まれるのは、給付制限の無い場合でも、ハローワーク(公共職業安定所)で求職の申込みをしてから約1か月後(初回認定日の約1週間後)になります。 

 

2016.10.27.

<離職理由の食い違いが発生する場合>

離職理由により給付日数に差がつきます。

離職者としては、会社側に原因のある理由のほうが有利です。

一方、会社としては会社の恥になるような理由は認めたくないですし、助成金の申請ができなくなる可能性もあります。

こうして会社と離職者とで、主張が食い違ってしまう場合もあります。

特に離職者が、パワハラやセクハラなどを主張した場合には、起こりやすい現象です。

ここで離職というのは、退職の他、所定労働時間が週20時間未満となって雇用保険の資格を喪失し、離職票が交付される場合をいいます。

 

<離職理由の判定>

離職理由の判定にあたっては、まず会社が主張する離職理由を、公共職業安定所(ハローワーク)が離職証明書により把握します。

ついで、離職者が主張する離職理由を把握します。

さらに、それぞれの主張を確認できる客観的な資料を集めることにより、事実関係を確認します。

最終的に、離職者の住所を管轄する公共職業安定所において慎重に判定することになっています。

会社の主張のみで判定することはありません。

会社または離職者が意地を張って、離職理由の主張をしているために、離職票の手続きが遅れることがあります。しかし、これは無意味なことで、それぞれ真実と思う理由を記入すれば良いのです。判定するのは公共職業安定所ですから。

 

2016.10.13.

<週の労働時間が20時間未満となった場合の原則>

週20時間未満となったことにより、雇用保険の資格を喪失し離職票が発行されます。

これは、週20時間未満の仕事の場合、安定的な就業にはあたらず、働きながら求職活動をすることが想定されるからです。

この場合には、失業手当(雇用保険の基本手当)を受けることができます。ただし、受給中に働いて収入を得た場合には、ハローワークに申告して手当との調整を受けることになります。

 

<週の労働時間が20時間未満となった場合の例外>

1週間の所定労働時間が20時間以上に戻ることを前提として、臨時的一時的に1 週間の所定労働時間が20時間未満となった場合には、雇用保険の資格を喪失させません。

ただ、臨時的一時的の基準は不明確ですから、例外にあたる可能性がある場合には、所轄のハローワークでの確認が必要です。

 

<週の労働時間が20時間未満となった場合の例外の例外>

臨時的一時的であると思っていた労働時間の減少が安定し、臨時的一時的ではなくなったとき、または、その見込みが生じたときは、雇用保険の資格を喪失し離職票が発行されます。

 

労働時間が短縮した場合の、社会保険や雇用保険の資格喪失手続きもれは、多く聞かれます。失敗がないようにするには、顧問の社労士(社会保険労務士)に管理させることをお勧めします。

 

2016.09.16.

<基本手当日額とは>

厚生労働省は、81日(月)から雇用保険の「基本手当日額」を変更しました。

雇用保険の基本手当(昔の失業手当)は、労働者が離職(退職)した場合に、失業中の生活を心配することなく再就職活動ができるように支給するものです。

「基本手当日額」は、離職前の賃金を基に算出した1日あたりの支給額をいい、給付日数は離職理由や年齢などに応じて決められています。

 

<変更の理由>

今回の変更は、平成27年度の平均給与額(「毎月勤労統計調査」による毎月決まって支給する給与の平均額)が平成26年度と比べて約0.43%低下したことに伴うものです。

この見直しは、基本的に毎年81日に行われます。

 

<具体的な変更内容>

基本手当日額の最高額が引き下げられ年齢ごとに以下のようになりました。

年齢

変更前

変更後

引き下げ額

60歳以上65歳未満

6,714 円

6,687 円

-27円

45歳以上60歳未満

7,810円

7,775 円

-35円

30歳以上45歳未満

7,105 円

7,075 円

-30円

30歳未満

6,395 円

6,370 円

-25円

基本手当日額の最低額も引き下げられ年齢に関係なく以下のようになりました。

最低額 1,840円 → 1,832円(-8円)

 

2016.08.12.

<介護休業給付金とは?>

雇用保険の一般被保険者が、要介護状態にある対象家族を介護するために介護休業をした場合に、条件を満たすと受給できる給付金です。

ここで「要介護状態」とは、ケガ、病気または身体上・精神上の障害により、2週間以上にわたり常時介護を必要とする状態をいいます。

また「対象家族」とは、配偶者(事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む)、父母(養父母を含む)、子(養子を含む)、配偶者の父母(養父母を含む)および同居かつ扶養している一般被保険者の祖父母、兄弟姉妹、孫をいいます。

なお、この給付金は非課税です。

 

<受給の条件>

介護休業開始日前の2年間に、賃金支払基礎日数(時間給・日給の場合は各月の出勤日数、月給の場合は各月の暦日数)が11日以上ある完全月が12か月以上あることです。ここで「完全月」とは、雇用保険に入っている期間が丸々1か月ある月をいいます。

ただし介護休業期間中に、賃金が支払われる場合や出勤することがある場合には、別の条件が加わります。

 

<給付金の支給率の改定>

介護休業を開始した日から起算して1か月ごとの期間に受給できる金額は、次のとおりです。

・平成28年7月末日までに開始した介護休業

休業開始時賃金日額×支給日数×40%

・平成28年8月1日以降に開始した介護休業

休業開始時賃金日額×支給日数×67%

休業開始時賃金日額とは原則として、介護休業開始前6か月間の賃金を180日で割った額です。ただし、次のとおり上限額があります。

・平成28年7月末日までに開始した介護休業

 30歳から44歳までの賃金日額の上限額(毎年8月1日に改定)

・平成28年8月1日以降に開始した介護休業

 45歳から59歳までの賃金日額の上限額(毎年8月1日に改定)

 

<手続き>

対象者を雇用している事業主が「雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書」を介護休業開始日の翌日から10日以内に、事業所の所在地を管轄する公共職業安定所(ハローワーク)に提出します。

ただし、事業主が対象者に代わって「介護休業給付金支給申請書」を提出する場合は、その支給申請書と同時に提出することができます。この場合の提出期限は、原則として介護休業の終了日から3か月目の月末となります。

 

2016.07.31.

<高年齢被保険者と退職したときの一時金>

平成29年1月1日からは、65歳以上で新たに雇用される人も、所定労働時間が週20時間以上であれば、雇用保険の高年齢被保険者となります。

しかし退職した場合には、従来どおり高年齢求職者給付金という一時金を受けることになっています。

この一時金は、現在のように65歳以上で新たに雇用されても雇用保険の対象外であれば、一生に一回しか受け取るチャンスがありません。

しかし来年からは、65歳以降に就職と退職を繰り返せば、何度も一時金を受け取れるということになってしまいそうです。

 

<循環的離職者>

過去3年以内に3回以上、同じ事業所に連続して就職し、1回でも基本手当(失業手当)を受けたことがある人は「循環的離職者」とされ、受給できなくなる可能性があります。

この場合には、ハローワークから退職者本人と事業所の両方に確認が入り、受給期間内に同じ事業所に就職すると不正受給扱いとなります。

おそらく、高年齢被保険者についても同様の措置がとられることになるでしょうから、「うまくやれば何度も一時金がもらえる」ということにはならないでしょう。

 

2016.07.23.

<資格喪失手続きを忘れる原因>

所定労働時間が週20時間以上であることが、雇用保険の資格を取得する条件となります。ですから、週3日、1日6時間勤務のパート社員が、週4日勤務になれば、雇用保険に入ることになります。こうして資格を取得するのは、あまり忘れない手続きでしょう。

しかし、雇用保険の資格喪失となると、雇用保険の離職=退職というイメージが強いので、退職したときだけ資格喪失を意識しがちです。ところが、所定労働時間が週20時間未満となったときも、資格喪失手続きが要るのです。こちらは忘れやすいのです。

もう一つ、労働者と兼務していた役員が、100%役員になった場合にも、雇用保険の資格を喪失します。今まで、給与と報酬の両方をもらっていた役員が、報酬だけになるときは要注意です。

雇用保険の資格喪失手続きを忘れられた本人にとっても、雇用保険料は社会保険料よりもはるかに安いので、給与明細書を見たときにピンと来ないと思います。

 

<本人について>

所轄のハローワークで、さかのぼって資格喪失手続きを行います。このとき、「遅延理由書」という書類の添付を求められるかもしれませんので、事前に相談しておくことをお勧めします。

また、ご本人に給与から控除してしまった保険料の返金を行います。念のため、計算書と領収証を作ったほうがよいでしょう。

 

<会社の負担した保険料について>

労働保険料の支払いは、毎年7月の年度更新で行います。間に合うのなら、データを修正して余計な保険料を支払わないようにしましょう。

しかし、確定保険料を多く計算して年度更新を済ませてしまった場合には、手続きをやり直して返金してもらうのは、返金してもらう金額と必要な時間や労力を比較すると得策ではありません。それよりは、再発防止のためにマニュアルを改善しておくことのほうを強くおすすめします。

 

2016.07.16.

<手続きの必要性>

国民年金や厚生年金などと同じように、雇用保険の失業等給付も、すでに経過した期間について給付が行われます。つまり、後払いです。

そのため、給付を受けていた方が亡くなると、もらえる給付を残したままになってしまいます。

これを、ご遺族の中の権利者が請求する手続きが必要となるのです。

 

<雇用保険法の規定>

失業等給付の支給を受けられる者が死亡した場合に、未支給分があるときは、配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹であって、死亡当時に生計を同じくしていた者は、自分の名義で、その未支給分を請求できます。〔雇用保険法10条の3〕

 

<法定相続人との違い>

まず、生計を同じくしていることが条件となります。

また、優先順位が、配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹となっていて、優先順位の高い人が100%受け取ります。法定相続分のような考え方ではありません。

そして、同順位の人が複数いる場合、たとえば父母が受け取る場合、どちらかが請求の手続きをすれば、全額について請求したことになります。

 

<請求の手続き>

未支給の失業等給付を請求する人は、本来の受給者が亡くなってから6か月以内に、「未支給失業等給付請求書」に「雇用保険受給資格者証」等をそえて、受給の手続きをしていたハローワーク(公共職業安定所長)に提出します。

 

2016.06.30.

<雇用保険の被保険者(対象者)>

次の要件を満たせば、会社や労働者の意思にかかわらず、雇用保険に入り被保険者となるのが原則です。

・1週間の所定労働時間が20 時間以上であること

・31日以上引き続き雇用されることが見込まれること

パート、アルバイト、契約社員、派遣社員などの雇用形態とは関係なく、同じ基準です。

これらの条件は、会社から労働者に交付が義務づけられている雇用契約書、雇い入れ通知書、労働条件通知書といった書面で確認できます。

 

<雇用保険の失業給付(基本手当)>

雇用保険の失業給付とは、雇用保険の被保険者が、倒産、定年、自己都合などにより離職(退職)し、失業中の生活を心配しないで新しい仕事を探し、再就職するために支給されるものです。

一定の要件を満たせば、給料の5割~8割程度の手当が支給されます。

また、支給される期間は、被保険者期間、年齢、離職理由、障害の有無などにより異なり、90日~360日となっています。

 

<受給に必要な要件>

そして、雇用保険の被保険者が失業給付を受給するには、次の要件を満たす必要があります。

・ハローワークに行って求職の申込みを行い、就職しようとする積極的な意思があり、いつでも就職できる能力があるにもかかわらず、本人やハローワークの努力によっても就職できない「失業」の状態にあること。

・離職前の2年間に、11日以上働いた月が12か月以上あること。ただし、会社側の理由により離職した場合、会社側の都合またはやむを得ない理由で契約の更新がされなかった場合は、離職前1年間に11日以上働いた月が6か月以上あること。

 

<受給に必要な手続き>

失業給付の手続きは、勤めていた会社がすべてを行うものではなく、本人との共同作業となります。

会社は所轄のハローワークで、離職者の雇用保険の資格喪失手続きをします。このとき離職証明書をハローワークに提出するのですが、これは3枚1セットで、1枚目が離職証明書(事業主控)、2枚目が離職証明書(安定所提出用)、3枚目が離職票-2となっています。手続きをすると、ハローワークから会社に1枚目と3枚目が渡され、これとは別に離職票-1などが渡されます。このうち離職者には離職票-1と-2を渡すのです。

離職者は、会社から渡された雇用保険被保険者証、離職票-1、-2などの必要書類を持って、本人の住所を管轄しているハローワークに行きます。

 

<加入もれの場合>

要件を満たしているのに、会社が雇用保険に加入させておらず、被保険者になっていなかったといったトラブルがしばしば起こっています。

このような場合、被保険者の要件を満たしている証拠があれば、遡って雇用保険が適用される制度があります。具体的なことは、管轄のハローワークや社会保険労務士に相談してください。

 

2016.06.11.

<本来の申請期限>

雇用継続給付の支給申請期限は「ハローワークの通知する支給単位期間の初日から起算して4か月を経過する日の属する月の末日」とされていました。〔雇用保険法施行規則〕

実際にこの期限を過ぎてしまってからハローワークの窓口に書類を提出しても、受け付けてもらえませんでした。

これは、迅速な給付を行い受給者を保護する趣旨とされていましたが、実際の手続きは会社と受給者の共同作業となることが多く、どちらかがウッカリすると提出期限を過ぎてしまい、受給できなくなるという不都合がありました。

 

<施行規則改正後>

平成27年4月に、この施行規則が改正され、期限を過ぎた場合でも2年間の消滅時効期間が経過するまでは、申請できるようになりました。

また、社会保険や労働保険の手続きでは、本来の期限を過ぎて手続きをする場合には、手続きが遅れた理由を示しす「遅延理由書」という書類の添付が求められることも多いのですが、消滅時効完成前の手続きには「遅延理由書」が不要とされるのが一般です。

 

<施行規則改正の影響範囲>

雇用保険の給付金は、2年間の消滅時効期間内であれば、支給申請が可能とされましたが、この扱いは多くの給付にあてはまります。

具体的には、雇用保険の各給付のうち、就業手当、再就職手当、就業促進定着手当、常用就職支度手当、移転費、広域求職活動費、一般教育訓練に係る教育訓練給付金、専門実践教育訓練に係る教育訓練給付金、教育訓練支援給付金、高年齢雇用継続基本給付金、高年齢再就職給付金、育児休業給付金、介護休業給付金です。

 

<心がけること>

本来の期限を過ぎても、あきらめずに申請の可能性を確認することをお勧めします。

ただ、「2年以内なら大丈夫」と考えるのではなく、同じ金額なら1日でも早く給付を受けられたほうが助かるのですから、手続きは速やかに行いましょう。

 

2016.06.05.

<高齢者の保険料免除>

雇用保険では、年度の初日の4月1日の時点で64歳以上の人の保険料が免除されます。4月1日の時点で64歳以上が免除ですから、よく「65歳以上は免除」といわれています。

「私はそろそろ65歳になるけど、いつから免除になりますか?」「その時、何か手続きが必要ですか?」という問い合わせが人事部門に寄せられます。

また「雇用保険の保険料が給料から引かれなくなったけど、対象者じゃなくなったのですか?」という質問も出てきます。

 

<保険料計算のしくみ>

健康保険と厚生年金は、一人ひとりについて保険料の計算がされて、原則として毎月の給与から一定額が控除されます。

ところが、雇用保険の場合には、毎月の給与を基準に一定率で計算した保険料が控除されます。給与が変動すれば、保険料も細かく変動するのです。

また、会社は健康保険と厚生年金の保険料を毎月納めるのですが、雇用保険の保険料は1年分まとめて支払います。このとき、雇用保険に入っている人の人件費総額を基準に雇用保険料を計算するのですが、年度の初めに64歳以上の人の人件費は差し引いて計算します。

 

<結論として>

雇用保険に入った会社で働き続けて年度の初めに64歳になった人は、その年の4月分の保険料から免除されます。通常は、翌月より給与からの控除がストップします。だからといって、雇用保険の対象から外れるわけではありません。週20時間未満の労働契約とならなければ対象者のままです。

給与計算の担当者は、保険料の給与からの控除をストップすることを忘れてはいけません。また、このような事情を対象者のかたに説明しなければいけませんね。

 

2016.05.18.

<失業保険から雇用保険へ>

1947年(昭和22年)5月3日に日本国憲法が施行され、27条で勤労権が保障されました。これによって、国家が国民に雇用の場を提供する責務を負ったことになります。

これを受けて、同年の12月1日に失業保険法が制定されました。この法律は、失業保険の対象者が失業した場合に、失業保険金を支給して、その生活の安定を図ることを目的としていました。

さらに、勤労権保障の充実のため1975年(昭和50年)4月1日失業保険法が廃止され、代わって雇用保険法が施行されました。

 

<雇用保険の目的>

雇用保険法の1条に、この法律の目的が掲げられています。

「雇用保険は、労働者が失業した場合及び労働者について雇用の継続が困難となる事由が生じた場合に必要な給付を行うほか、労働者が自ら職業に関する教育訓練を受けた場合に必要な給付を行うことにより、労働者の生活及び雇用の安定を図るとともに、求職活動を容易にする等その就職を促進し、あわせて、労働者の職業の安定に資するため、失業の予防、雇用状態の是正及び雇用機会の増大、労働者の能力の開発及び向上その他労働者の福祉の増進を図ることを目的とする。」

 

<雇用保険で行われる給付と事業>

雇用保険法の目的に沿って、現在では次のような給付と事業が行われています。

求職者給付 ― 基本手当=昔の失業保険金(失業手当)、技能習得手当など

就職促進給付 ― 就業手当、再就職手当など

教育訓練給付 ― 教育訓練給付金

雇用継続給付 ― 高年齢雇用継続給付、育児休業給付、介護休業給付

雇用安定事業 ― 助成金の支給

能力開発事業 ― 職業訓練など

このうち給付の保険料は、労働者と使用者が折半します。そして、事業の保険料は使用者が負担します。また、保険料の他に費用の一部を国庫が負担します。

 

2016.05.11.