マタハラの記事

<厚生労働省の説明>

「職場でつらい思いしていませんか?(職場のハラスメントの解決を労働局がお手伝いします)」というパンフレットには、各ハラスメントが次のように説明されています。

セクシュアルハラスメント(セクハラ)とは … 職場において、性的な冗談やからかい、食事やデートへの執拗な誘い、身体への不必要な接触など、意に反する性的な言動が行われ、拒否したことで不利益を受けたり、職場の環境が不快なものとなることをいいます。

パワーハラスメント(パワハラ)とは … 同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内での優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与えられたり、職場環境を悪化させられる行為をいいます。

妊娠・出産・育児休業・介護休業等を理由とする不利益取扱い、および妊娠・出産・育児休業・介護休業等に関するハラスメントとは … 妊娠・出産したこと、育児や介護のための制度を利用したこと等を理由として、事業主が行う解雇、減給、降格、不利益な配置転換、契約を更新しない(契約社員の場合)といった行為を「不利益取扱い」といいます。

また、妊娠・出産したこと、育児や介護のための制度を利用したこと等に関して、上司・同僚が就業環境を害する言動を行うことを「ハラスメント」といいます。

 

<就業規則などの規定>

私もセミナーなどでは、この厚生労働省の説明を使わせていただきます。

しかし、就業規則や社内広報の資料では、高校生アルバイトや高齢者、知的障碍者の方もいらっしゃることから、ハラスメントについて「働く仲間を傷つける嫌がらせは禁止します」という表現にしています。

なぜなら、その目的は上手に説明することではなくて、本気でハラスメントを無くすことだからです。

法的義務だから就業規則を置くのではなくて、効果的な就業規則を作成するのであれば、信頼できる社労士にご相談ください。

 

2017.08.11.解決社労士

<制度利用への嫌がらせ>

次に掲げる制度や措置は、育児介護休業法が定めるもので、男女どちらにも適用されます。上司や同僚の言動が、こうした制度や措置に関するもので、人権侵害となれば、就業環境を害することにもなり、制度等の利用への嫌がらせ型のマタハラ(マタニティーハラスメント)となります。

小さな会社を含め、すべての会社の労働者に適用されます。

・育児休業

・子の看護休暇

・所定外労働(早出や残業)の制限

・深夜業の制限

・育児のための所定労働時間の短縮措置

・始業時刻変更等の措置

 

<マタハラとなる言動>

次のような言動が、マタハラの典型例です。

・制度や措置の利用請求などを理由に上司が不利益な取扱いをほのめかす

・制度や措置の利用請求などを上司や同僚が邪魔する

・制度や措置を利用したことを理由に上司や同僚が嫌がらせをする

具体的には、次のような発言がマタハラになります。

「男のくせに育休を取るなんて」

「一人だけ残業しないで帰るなんてずるい」

「いつも社長出勤で偉そうね」

周囲の人たちは、自分の負担が増えるから、ついついこんな発言をしがちです。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

「うちの会社は産休や育休なんて関係ない」と言えるうちに、マタハラ対策をするのがお勧めです。

具体的に対象者があらわれてからでは、冷静に判断することができなくなるものです。

労働者の出産前後のルールについて、権利ばかりではなく義務についても、信頼できる社労士にご相談ください。

 

2017.06.23.解決社労士

<マタハラ(マタニティーハラスメント)>

マタハラとは、職場での上司や同僚からの、妊娠・出産したことに関する言動や、育児のための制度の利用に関する言動により、妊娠・出産した女性労働者や育児休業等を申出・取得した男女労働者等の就業環境が害されることをいいます。

対象者は、女性に限られず、父親となった男性も含まれます。

 

<職場>

職場は、労働者が業務を遂行する場所ですから、事務所、店舗などに限られず、出張先や取引先、自動車の中なども含まれます。

また、勤務時間外であっても、職務との関連性や、参加義務などにより、実質的に勤務の延長であれば、職場と見なされる場合があります。

職場で起きた事であれば、企業の使用者責任が問われます。

 

<労働者>

正社員だけでなく、パート、アルバイト、契約社員などを含むすべての労働者をいいます。

また、派遣労働者については、派遣元も派遣先も、直接雇用の労働者と同様に措置を講じる必要があります。

 

<マタハラにあたらない場合>

客観的に見て、業務上の必要に基づく言動は、マタハラにはなりません。

この点、セクハラには業務上の必要に基づくことがありえないのとは異なります。

 

2017.06.20.解決社労士

<法改正の動向>

少子高齢化対策は国が力を入れている政策ですから、関連する法令の改正が急速に進んでいます。ついこの間まで大丈夫だったことが、いつの間にか法令違反となっています。

もともと、妊娠、出産、育児、介護などを理由として、事業主が解雇、雇い止め、降格、不当な配置転換その他の不利益扱いをすることは、男女雇用機会均等法と育児介護休業法で禁止されてきました。

平成29年1月からは、職場で妊娠などについての上司や同僚の言動で、労働者の就業環境が害されるのを防止する措置をとることが、事業主に義務付けられるようになりました。

 

<不利益取扱の理由>

妊娠中または産後の女性労働者が、妊娠した、出産した、妊婦健診のため仕事を休んだ、つわりや切迫流産で仕事を休んだ、産休をとったなどを理由に、事業主が不利益取扱いをすることは禁止されています。

また、性別に関係なく労働者が、育休や介護休業をとった、子どもの看護休暇をとった、育児介護のため残業や夜勤の免除を申し出たという場合にも、こうしたことを理由に事業主が不利益取扱いをすることは禁止されています。

ここに示した不利益取扱の理由が消滅しても、消滅から1年以内に、何か労働者に不利なことが行われた場合には、妊娠などを契機としていると判断されます。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

少子高齢化対策という国の政策による法規制については、従来の「常識」が通用しません。

事業主が労働者に対する「常識的な」措置だと判断しても、タイミングによっては法令違反となりやすいのです。

妊娠した労働者や配偶者が妊娠した労働者がいる場合には、なるべく早い段階で、信頼できる社労士にご相談ください。

 

2017.06.14.解決社労士

<日本語に直すと>

英語のハラスメント(harassment)は、日本語の「いやがらせ」にあたります。

「いやがらせ」は、相手に対して、わざと不快感や損害を与える行為で、道徳に反するものを言います。

「いたずら」も近い意味を持ちます。しかし、「いたずら」は第三者が見たときに笑えることもあるのですが、「いやがらせ」は道徳に反するので笑えません。

 

<セクシャルハラスメント>

これは「セクハラ」と略されることが多い「性的なことについてのいやがらせ」です。

職場に限らず、性的なことに対する興味が特に強い人がいます。こうした人が、「いたずら」のつもりで「いやがらせ」をするとセクハラになるのですが、本人は道徳に反しないと思っているので、反省することなく繰り返します。

また職場では、部下が上司に対して愛想よく、従順で素直です。これは立場上当然なのですが、上司が勘違いして部下から好かれていると思い込むことがあります。上司は、部下が自分に魅力を感じ恋愛感情を抱いていると勘違いすることによって、その部下に対して、ある程度は性的な言動をすることも許されるだろうと思い込んでしまいます。そして、対象となった部下は、立場上、その気が無いことをハッキリと言い出せずに、限界を超えるところまで従い耐えることになります。

 

<パワーハラスメント>

これは「パワハラ」と略されることが多い「力関係に基づくいやがらせ」です。

年齢、経験年数、能力、地位、権限、人気などのパワーを持った人が、自分から見てある側面で「劣る」と思える相手に対して、主に指導の名目で「いやがらせ」をします。多少不快感や損害を与えたとしても、指導に伴うものはある程度仕方がないという勘違いがあります。

職場では、上司と部下、先輩と後輩の関係で多く見られます。怖いことに、セクハラを伴うパワハラも見られます。それでも、行為者は自分の行為を許されていると思い込んでいます。

 

<会社など使用者の責任>

職場で、セクハラ、パワハラ、マタハラ、その他のハラスメントが起きないよう、使用者がしっかり管理しなければなりません。

働いている人たちは、労働契約によって働いています。雇い主の「働いてください。給料を支払います」という意思と、労働者の「働きます。給料を支払ってください」という意思の合致によって、労働契約が成り立っています。

ですから、会社側は労働者がきちんと働ける環境を整える義務を負っています。また、労働者もきちんと働ける環境を侵害しない義務を負っています。

つまり、労働者がハラスメントをしない義務を負っているのと同じく、会社側もハラスメントを防止する義務を負っています。

万一、ハラスメントが発生すれば、その行為者と会社の両方が責任を負います。

ここでのポイントは、見つけ次第対応することだけが会社の義務ではなく、発生しないように、十分な教育を繰り返すことも会社の義務だということです。

この義務は特別なことではなく、労働契約の性質から当然のことなのです。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

ハラスメントをなくすには、まず経営者の「許さない」という意志の表明が大切です。これが無くては、何も始まりません。

そして教育と、相談窓口の設置が必須となります。

教育についても、相談窓口についても、社内で間に合わせるよりは社外の専門家に委託したほうが、はるかに効果的です。

ぜひ、信頼できる社労士(社会保険労務士)にご相談ください。

 

2017.01.03.解決社労士

<ハラスメントとは>

パワハラやマタハラの「ハラ」は、ハラスメントの略です。これは日本語で「嫌がらせ」と言います。

職場での職権などのパワーを背景とした嫌がらせがパワハラであり、働く女性が妊娠・出産・育児をきっかけに受ける嫌がらせがマタハラです。

どちらも、精神的・肉体的な嫌がらせによって、幸福追求権〔13条〕、平等権〔14条〕、思想・良心の自由〔19条〕、言論の自由〔21条〕、職業選択の自由〔22条〕、勤労の権利〔27条〕など、憲法の保障する基本的人権を侵害するものです。

これによって被害を受けた人は、行為者と会社に対して民法などを根拠に損害賠償などを求めることができ、社長以下取締役に対しては会社法を根拠に損害賠償を求めることができます。

 

<パワハラとマタハラの違い>

パワハラでは、対象者の職務遂行能力、仕事の進め方、態度、礼儀、性格などが引き金になります。上司や先輩は、対象者の職場での様子に常識を超える不信感を抱くのです。そして、その対象者の「存在」が負担だと感じます。

マタハラでは、対象者の職務遂行能力や仕事の進め方は、原因になりにくいものです。場合によっては、態度、礼儀、性格も原因とされますが、ほとんど「いいがかり」です。上司や先輩、さらには後輩も、対象者の職場での様子ではなく、妊娠、出産、育児によって、対象者が長い間職場を離れることで、自分たちの仕事の負担が増えることに不安と不満を感じるのです。つまり、その対象者の「不存在」が負担だと感じます。

 

<パワハラの効果的な対策>

パワハラ行為者は、負担ばかりを感じ、何の利益も感じられないのが不満です。

もし、部下や後輩の指導を、人事考課基準に取り入れたらどうでしょう。自分がダメ社員だと思う相手を育成すると、成長した分だけ自分が評価され、正当な見返りがあるということになります。

今、人事考課制度が無い会社は、なるべく早く導入すべきですし、個人の経験・能力が評価の中心となっている会社では、部下・後輩の育成を評価の対象とすることをお勧めします。誰をどこまで成長させるという具体的内容を、個人目標の一つにしたいものです。

状況によっては部下・後輩に、上司・先輩の育成を個人目標として設定するケースも考えられます。

 

<マタハラの効果的な対策>

マタハラ行為者は、仕事の負担増が不安であり不満です。

女性社員が妊娠した場合、ミーティングなどで、その部署のメンバーに公表することが多いでしょう。それと同時に、その女性社員が休んでいる間、派遣社員が来るとか、他部署からの応援が入るなどの対応を伝えたらどうでしょう。

産休・育休の間、会社は給与の支払義務がありません。浮いた人件費で派遣社員を頼むことは可能でしょう。他部署からの応援は、次善の策です。なぜなら、応援に入る人が不安と不満を感じることもあるからです。

妊娠について公表するのは、人の手配がついてからにしたいものです。

 

たしかに就業規則などによる対応も、法令で義務づけられています。しかし、法律を守っていても、問題が発生しないわけではありません。

柳田事務所にご依頼いただければ、就業規則や人事考課制度はもちろん、会社の状況に応じた実質的な対策をご提案させていただきます。

 

2016.10.11.