マタハラの記事

<日本語に直すと>

英語のハラスメント(harassment)は、日本語の「いやがらせ」にあたります。

「いやがらせ」は、相手に対して、わざと不快感や損害を与える行為で、道徳に反するものを言います。

「いたずら」も近い意味を持ちます。しかし、「いたずら」は第三者が見たときに笑えることもあるのですが、「いやがらせ」は道徳に反するので笑えません。

 

<セクシャルハラスメント>

これは「セクハラ」と略されることが多い「性的なことについてのいやがらせ」です。

職場に限らず、性的なことに対する興味が特に強い人がいます。こうした人が、「いたずら」のつもりで「いやがらせ」をするとセクハラになるのですが、本人は道徳に反しないと思っているので、反省することなく繰り返します。

また職場では、部下が上司に対して愛想よく、従順で素直です。これは立場上当然なのですが、上司が勘違いして部下から好かれていると思い込むことがあります。上司は、部下が自分に魅力を感じ恋愛感情を抱いていると勘違いすることによって、その部下に対して、ある程度は性的な言動をすることも許されるだろうと思い込んでしまいます。そして、対象となった部下は、立場上、その気が無いことをハッキリと言い出せずに、限界を超えるところまで従い耐えることになります。

 

<パワーハラスメント>

これは「パワハラ」と略されることが多い「力関係に基づくいやがらせ」です。

年齢、経験年数、能力、地位、権限、人気などのパワーを持った人が、自分から見てある側面で「劣る」と思える相手に対して、主に指導の名目で「いやがらせ」をします。多少不快感や損害を与えたとしても、指導に伴うものはある程度仕方がないという勘違いがあります。

職場では、上司と部下、先輩と後輩の関係で多く見られます。怖いことに、セクハラを伴うパワハラも見られます。それでも、行為者は自分の行為を許されていると思い込んでいます。

 

<会社など使用者の責任>

職場で、セクハラ、パワハラ、マタハラ、その他のハラスメントが起きないよう、使用者がしっかり管理しなければなりません。

働いている人たちは、労働契約によって働いています。雇い主の「働いてください。給料を支払います」という意思と、労働者の「働きます。給料を支払ってください」という意思の合致によって、労働契約が成り立っています。

ですから、会社側は労働者がきちんと働ける環境を整える義務を負っています。また、労働者もきちんと働ける環境を侵害しない義務を負っています。

つまり、労働者がハラスメントをしない義務を負っているのと同じく、会社側もハラスメントを防止する義務を負っています。

万一、ハラスメントが発生すれば、その行為者と会社の両方が責任を負います。

ここでのポイントは、見つけ次第対応することだけが会社の義務ではなく、発生しないように、十分な教育を繰り返すことも会社の義務だということです。

この義務は特別なことではなく、労働契約の性質から当然のことなのです。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

ハラスメントをなくすには、まず経営者の「許さない」という意志の表明が大切です。これが無くては、何も始まりません。

そして教育と、相談窓口の設置が必須となります。

教育についても、相談窓口についても、社内で間に合わせるよりは社外の専門家に委託したほうが、はるかに効果的です。

ぜひ、信頼できる社労士(社会保険労務士)にご相談ください。

 

2017.01.03.解決社労士

<ハラスメントとは>

パワハラやマタハラの「ハラ」は、ハラスメントの略です。これは日本語で「嫌がらせ」と言います。

職場での職権などのパワーを背景とした嫌がらせがパワハラであり、働く女性が妊娠・出産・育児をきっかけに受ける嫌がらせがマタハラです。

どちらも、精神的・肉体的な嫌がらせによって、幸福追求権〔13条〕、平等権〔14条〕、思想・良心の自由〔19条〕、言論の自由〔21条〕、職業選択の自由〔22条〕、勤労の権利〔27条〕など、憲法の保障する基本的人権を侵害するものです。

これによって被害を受けた人は、行為者と会社に対して民法などを根拠に損害賠償などを求めることができ、社長以下取締役に対しては会社法を根拠に損害賠償を求めることができます。

 

<パワハラとマタハラの違い>

パワハラでは、対象者の職務遂行能力、仕事の進め方、態度、礼儀、性格などが引き金になります。上司や先輩は、対象者の職場での様子に常識を超える不信感を抱くのです。そして、その対象者の「存在」が負担だと感じます。

マタハラでは、対象者の職務遂行能力や仕事の進め方は、原因になりにくいものです。場合によっては、態度、礼儀、性格も原因とされますが、ほとんど「いいがかり」です。上司や先輩、さらには後輩も、対象者の職場での様子ではなく、妊娠、出産、育児によって、対象者が長い間職場を離れることで、自分たちの仕事の負担が増えることに不安と不満を感じるのです。つまり、その対象者の「不存在」が負担だと感じます。

 

<パワハラの効果的な対策>

パワハラ行為者は、負担ばかりを感じ、何の利益も感じられないのが不満です。

もし、部下や後輩の指導を、人事考課基準に取り入れたらどうでしょう。自分がダメ社員だと思う相手を育成すると、成長した分だけ自分が評価され、正当な見返りがあるということになります。

今、人事考課制度が無い会社は、なるべく早く導入すべきですし、個人の経験・能力が評価の中心となっている会社では、部下・後輩の育成を評価の対象とすることをお勧めします。誰をどこまで成長させるという具体的内容を、個人目標の一つにしたいものです。

状況によっては部下・後輩に、上司・先輩の育成を個人目標として設定するケースも考えられます。

 

<マタハラの効果的な対策>

マタハラ行為者は、仕事の負担増が不安であり不満です。

女性社員が妊娠した場合、ミーティングなどで、その部署のメンバーに公表することが多いでしょう。それと同時に、その女性社員が休んでいる間、派遣社員が来るとか、他部署からの応援が入るなどの対応を伝えたらどうでしょう。

産休・育休の間、会社は給与の支払義務がありません。浮いた人件費で派遣社員を頼むことは可能でしょう。他部署からの応援は、次善の策です。なぜなら、応援に入る人が不安と不満を感じることもあるからです。

妊娠について公表するのは、人の手配がついてからにしたいものです。

 

たしかに就業規則などによる対応も、法令で義務づけられています。しかし、法律を守っていても、問題が発生しないわけではありません。

柳田事務所にご依頼いただければ、就業規則や人事考課制度はもちろん、会社の状況に応じた実質的な対策をご提案させていただきます。

 

2016.10.11.

<マタハラとは?>

働く女性が、妊娠や出産を理由に、不利益をこうむることをいいます。マタニティーハラスメントの略ですね。

 

<政府の方針>

政府は、就業規則にマタハラ禁止の規定を義務づけたり、相談窓口の設置や社員研修の実施などを求めたりする予定です。

違反した企業名の公表も考えています。

法律を改正して、2017年4月から実施することを目指しています。

 

<なぜ注目される?>

長い間、少子化対策が続けられていますが、やっと効果が出始めたところです。

マタハラ対策を強化することで、女性が安心して妊娠や出産ができる職場環境を作ろうとしているのです。

 

<会社が気をつけたいこと>

もともと指導力に欠けるとして、問題視されていた女性マネージャーがいました。

会社がすぐに手を打たず、様子を見ていたところ、妊娠したことがわかりました。

これをきっかけに降格すれば、会社はマタハラを疑われます。

タイムリーに昇進・降格できる規定の整備も、必要な対策ですね。

 

<就業規則の改定について>

セクハラについては、法改正により、就業規則に禁止規定を定めることが、企業に義務付けられました。その後、再度の法改正により、罰則を設けることが義務付けられています。

今回のマタハラについても、同様の流れが予想されますので、前もって、就業規則を改定し、従業員への周知・教育もしておくことが得策だと考えます。

 

2016.01.12.