あらかじめ職位・職種を定めた年俸制社員の解雇

LINEで送る

<結論として>

ここで言う解雇とは、懲戒解雇ではなく会社が期待しただけの働きができないことによる普通解雇でしょう。

結論から言うと、労働契約の内容によるということになります。

労働契約は口頭でも成立しますが、基本的な労働条件については会社から労働者に書面を交付して確認することが法定されています。

ところが書面が作成されていなかったり、そもそも基本的なことを決めていなかったりすれば、トラブルが発生するのは当たり前です。

 

<年俸制の考え方>

厚生労働省のモデル就業規則に年俸制の規定が無いことからも明らかですが、プロ野球の制度を真似してサラリーマンに年俸制を当てはめるのは無理があります。

取締役であれば委任契約ですから、年俸制がしっくりきます。

実際にサラリーマンに年俸制を適用する場合、今後の活躍ぶりを期待してあらかじめ年俸を決める場合と、過去の実績から年俸を決める場合があります。

過去の実績から決める場合は良いのですが、これからの活躍を期待して年俸を決めたのに、期待を裏切ったら減俸できるのか、さらには普通解雇できるのかという問題になります。

こうしたことは、労働契約の内容が不合理でなければ、労働契約の内容に従うということです。

ところが口頭でも決めていなければ、解決の手掛かりがありません。結局、会社と年俸制社員の話し合いで決めるしかありません。

 

<あらかじめ職位・職種を定めた社員の解雇>

年俸制でなくても、あらかじめ経理部長とか店長とか職位や職種を定めて中途採用することがあります。

労働契約で「何をどのレベルで」ということが明確になっていれば、普通解雇も困難ではないでしょう。

しかし、「当社の経理部長にふさわしい働きぶり」とか、「当社の店長として標準的な業務」では、裁判などで客観的に認定できないですから、紛争になるのは目に見えてます。

ところが口頭でも決めていなければ、解決の手掛かりがありません。結局、会社とその社員の話し合いで決めるしかありません。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

社労士は手続きを代行するだけではありません。労働と社会保険に関する法律と人事・労務管理の専門家として、企業経営の3要素(ヒト・モノ・カネ)のうち、採用から退職までのヒトに関するエキスパートです。

顧問先の企業でトラブルが発生しないように予防策を講じることで、経費、労力、時間、精神力の負担を軽減します。

万一トラブルが発生した場合には、両当事者の主張内容を法的観点から整理し、その正当性、反論可能性を明らかにしたうえで、実体と証明の両面からのご対応をご提案いたします。人の感情に配慮して、お互いに怨みを残さない解決を目指します。これは、顧問先でなくてもスポットでも対応いたします。

是非、信頼できる社労士にご相談ください。

 

2016.12.15.