パワハラ加害者が処分されない会社

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2019/11/25|1,062文字

 

<職場におけるパワーハラスメント>

職場におけるパワーハラスメントとは、以下の3つの要素をすべて満たすものです。 

 

【パワハラの3要素】

1.優越的な関係を背景とした

2.業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動により

3.就業環境を害すること(身体的若しくは精神的な苦痛を与えること)

 

 2.から分かるように、適正な範囲の業務指示や指導についてはパワハラに当たりません。

 

<会社の立場>

上記の定義によると、パワハラの加害者は「職務上の地位や人間関係などの職場内での優位性」がある人です。

つまり、会社の上司が加害者となって部下を攻撃したり、先輩が後輩に苦痛を与えるというのが、パワハラの基本的な構造となります。

会社としては、上司と部下、先輩と後輩との間にトラブルが発生すれば、ついつい会社に対する貢献度や経験年数を考えて、上司や先輩にあたる加害者の肩を持つ傾向が強くなってしまいます。

しかし、世間のパワハラに対する目は、年々厳しくなってきています。

会社が加害者の味方を続ければ、マスコミやネット上の評判の低下から、定着率は低下し、そもそも求人広告に対する応募者が来なくなるでしょう。

会社としては、会社に対する貢献度や経験への評価はきちんとする一方で、加害者としての責任も追及する態度が求められます。

 

<パワハラの抽象性>

パワハラの定義は抽象的です。

一方で、加害者を処分するには、就業規則や労働条件通知書などに具体的な懲戒規定が必要です。

つまり、懲戒規定がなかったり、抽象的すぎて具体的な言動がパワハラにあたるかどうか判断できなければ、加害者が処分されることはありません。

それどころか、注意されることすらないのです。

会社がパワハラ対策をきちんとするには、懲戒規定を読めばパワハラの具体的な定義と具体例がすぐわかるようにしておく必要があります。

パワハラについての具体的な定義がない職場には、必ずパワハラがあると言っても過言ではないでしょう。

 

<被害者のとるべき行動>

パワハラ対策は会社の責任です。

被害者としては、加害者が上司であれば、まず会社の担当部署に相談すべきです。

また、加害者が先輩であれば上司に相談すべきです。

基本的にパワハラの問題は、社内できちんと解決すべきだからです。

一足飛びに労基署などに相談すると、会社も対応に困ってしまいます。

とはいえ、会社がきちんと対応できない場合には、会社が責任を負えないわけですから、労基署の総合労働相談コーナー、労働委員会、法テラスなどの機関や、弁護士、社労士などの専門家に相談することをお勧めします。

 

解決社労士