2026/10/01|962文字
1 個人事業を始めると基本手当はどうなる?
雇用保険の基本手当を受けるためには、次の条件を満たす必要があります。
・働く意思がある
・すぐに働ける状態である
・積極的に求職活動をしている
・失業状態にある
ところが、自分で事業を始めると、「就職先を探している人」ではなく「事業主」とみなされます。そのため、原則として失業状態には該当しません。
例えば、次のような場合は、基本手当の受給対象外になります。
・飲食店を開業する
・コンサルタント業を始める
・ネット販売を始める
・個人事業主として業務を請け負う
2 開業準備中はどうなる?
注意が必要なのは、「まだ売上がないから大丈夫」とは限らないことです。
ハローワークでは、次のような場合など、事業開始に向けた具体的な活動が行われている場合には、開業準備中であっても事業を開始したと判断されることがあります。
・開業届を提出した
・店舗を借りた
・仕入れを始めた
・ホームページを作成した
・顧客開拓を行っている
そのため、基本手当を受給しながら開業準備を進める場合は、状況を正確にハローワークへ申告することが大切です。
3 受給期間の特例という制度
定年退職後すぐに個人事業を始める予定であれば、基本手当を受けない代わりに 「受給期間の特例」 を利用できる場合があります。
これは、起業や個人事業の準備に専念するため、一時的に基本手当を受けず、後日事業をやめて再び就職を目指す際に受給できるようにする制度です。
通常、基本手当は離職日の翌日から1年間が受給期間ですが、一定の手続を行うことで受給期間を延長できます。
例えば、定年後に個人事業を開始し、短期間で廃業し、再就職活動を行うというケースでは、延長された受給期間内であれば基本手当を受けられる可能性があります。
ただし、申請期限がありますので、起業予定の場合は早めにハローワークへ相談することが重要です。
4 高年齢求職者給付金
65歳以上で離職した人は、通常の基本手当ではなく「高年齢求職者給付金」の対象になります。
この給付金も、「失業状態にあること」が受給要件ですので、個人事業を始めている場合には受給できない可能性があります。
起業する予定があるときは、退職後できるだけ早くハローワークで相談し、自分に適した手続や受給期間延長の特例について確認することをお勧めします。