2026/06/28|1,138文字
雇用保険の「離職理由」は、失業給付(基本手当)をいつから・どれくらい受けられるかに大きく関わるため昔から重要です。
ただし、区分の考え方や書き方は時代とともに変わってきました。
昔は「会社都合か自己都合か」の2つだけでしたが、今は事情に応じて細かく区分され、本人に責任がない離職は正しく評価される仕組みになっています。離職票には具体的な事実を書くことで、ハローワークが適切に判断できるようになっています。
1.昔の離職理由は「会社都合」か「自己都合」の2本立て
かつては、離職理由の分類がシンプルで、会社都合退職(倒産・解雇など)、自己都合退職(本人の申出)という大きな2区分が中心でした。
しかし、この2つだけでは説明しきれないケースが多く、次のような場合など、実態と区分が合わない問題が多くありました。
・実質的には会社の事情で辞めざるを得なかったのに「自己都合」扱い
・ハラスメントや過重労働で辞めたのに「自己都合」扱い
・契約期間満了なのに「自己都合」と誤解される
2.現在は「細かい区分」と「番号」で整理される
現在の離職理由は、細かい番号区分(コード)で整理されています。
①事業主の都合による離職(倒産・解雇)
②雇止め
③労働者の判断による離職(自己都合)
特に大きなポイントは次の3つです。
(1)「特定受給資格者」「特定理由離職者」が新設された
昔は「会社都合」か「自己都合」しかありませんでしたが、現在はその中間として、2つの区分が設けられています。
・特定受給資格者(倒産・解雇など)
・特定理由離職者(やむを得ない事情での離職)
特定理由離職者には、次のようなものが含まれます。
・契約期間満了
・病気・ケガ
・家族の介護
・ハラスメント
・妊娠・出産・育児で就労継続が困難
これにより、昔よりも本人に責任がない離職が正しく評価されるようになりました。
3.昔よりも「会社の責任による離職」が厳密
昔は「解雇」と書けば会社都合扱いになることが多かったのですが、現在では次のような内容が細かく確認されます。
・解雇の理由
・手続の適正さ
・実質的に退職強要がなかったか
・配置転換・労働条件変更の内容
このため、会社が辞めてほしいと言ったのが「会社都合」という単純な考え方ではなく、実態に応じて厳密に判断されます。
4.離職票の記載も「具体的な事実を書く」方向
昔は「一身上の都合」「業務上の都合」など抽象的な表現ばかりで、ハローワークが実態を把握しにくいという問題がありました。
現在では、次のように具体的な事実を書くことが求められています。
・「配置転換の打診に応じられず退職」
・「契約期間満了により更新されず離職」
・「事業縮小に伴う人員整理のため解雇」
これにより、ハローワークが正確に離職理由を判断しやすくなりました。