2026/06/08|914文字
「自主的にやっているから問題ない」という考えは誤りで、会社にとっても従業員にとっても重大なリスクを生むことになります。
サービス残業は、たとえ本人が望んでいても、法律上も労務管理上も認められません。
- 法律上の問題点(会社側のリスク)
・労働時間は実際に働いた時間で判断される
→ 申請の有無や本人の意思は関係なく、会社は把握・管理する義務がある。
・未払い残業代の請求リスク
→ 従業員が後から「実は残業していた」と主張すれば、最大3年分の残業代+遅延損害金+付加金を請求される可能性がある。
・労働基準監督署からの是正勧告・指導の対象
→ 「自主的にやっている」は通用せず、労働時間管理が不十分な会社として行政指導の対象 になる。
・三六協定違反のリスク
→ 把握していない残業が積み重なると、協定の上限を超えていた という事態も起こり得る。
- 労務管理上の問題点(組織運営の悪化)
・やった者負けの風土が生まれる
→ 申請せずに残業する人が評価されると、正しく申請する人が損をする不公平な職場になる。
・上司が業務量を正しく把握できない
→ 本来必要な人員配置や業務改善が行われず、慢性的な長時間労働の温床になる。
・職場の透明性が失われる
→ 申請しない残業が常態化すると、労働時間管理が形骸化し、コンプライアンス意識が低下する。
- 従業員本人にとっての問題点
・健康障害のリスク(過労死ライン)
→ 本人が「自主的」と思っていても、長時間労働は心身に大きな負担を与える。
・評価が曖昧になる
→ 申請しない残業は「見えない努力」になり、結果として評価につながらない。
・後からトラブルになりやすい
→ 退職時に「実は残業していた」と主張し、会社と紛争になるケースが非常に多い。
- 会社として取るべき対応
・「申請しない残業は認めない」ではなく「申請がなくても実態を把握する」へ
→ 法律上、会社には労働時間把握義務がある。
・上司に対する労働時間管理の教育を徹底
→ 部下の“自主的残業”を放置すること自体が管理職の責任問題。
・業務量の見直し・人員配置の調整
→ サービス残業が発生する背景を改善する。
・残業申請しやすい風土づくり
→ 「申請すると嫌な顔をされる」職場は必ず問題が起きる。