有期労働契約の更新条件

2026/06/09|992文字

 

更新条件は「客観的で明確」かつ「労働者に事前に説明できる内容」で定めることが重要です。

曖昧な表現はトラブルの原因になるため、できる限り具体的に示す必要があります。

 

  1. 更新条件を定める目的

有期契約は、更新のたびに「雇用継続の可否」を判断する仕組みです。

そのため、更新条件を明確にしておくことで、

・労働者の不安を減らす

・更新・非更新の判断基準を統一できる

・不当解雇と誤解されるリスクを減らす

といった効果があります。

 

  1. 更新条件はどのように定めるべきか

厚生労働省の指針でも、更新条件は 「客観的な基準」 を示すことが求められています。

実務では、次のような項目を組み合わせて定めるのが一般的です。

(1)業務量・会社の経営状況

・業務量の増減

・会社の経営状況

・配置転換の必要性

→ 会社側の事情による更新判断の基準。

(2)労働者の勤務成績・能力

・勤務態度

・業務遂行能力

・出勤状況(無断欠勤・遅刻の多さなど)

・業務上の評価

→ 労働者側の事情による更新判断の基準。

(3)契約期間満了時の担当業務の継続性

・担当業務が継続するか

・プロジェクトの終了予定

→ 業務そのものが終了する場合は更新しない合理性が高い。

(4)会社が定める就業規則・契約書の遵守状況

・就業規則違反の有無

・安全衛生ルールの遵守

・秘密保持義務の遵守

→ 企業秩序維持の観点から重要。

 

  1. 更新条件の書き方(例文)

契約書や労働条件通知書には、次のように記載するのが望ましいです。

更新の有無は、次の事項を総合的に勘案して判断する。

・業務量の増減および会社の経営状況

・勤務成績、能力、勤務態度、出勤状況

・契約期間満了時における担当業務の継続性

・会社の就業規則その他の規程の遵守状況

 

※「総合的に判断する」という文言を入れることで、単一項目に縛られず柔軟に判断できる。

 

  1. 曖昧な表現は避けるべき

次のような表現は、後のトラブルにつながるため避けるべきです。

・「会社が必要と認めた場合」だけの記載

・「特に問題がなければ更新する」

・「会社の判断による」

→ 客観性がなく、労働者から「恣意的だ」と受け取られやすい。

 

  1. 更新の運用で注意すべきポイント

更新条件を定めるだけでなく、運用も重要です。

・更新の可否は契約満了の30日前までに伝えるのが望ましい

・非更新の場合は、理由を説明できるよう記録を残す

・更新を繰り返す場合は「無期転換ルール」への対応が必要

・更新基準は全員に公平に適用する

PAGE TOP