法改正の記事

平成30(2018)年4月に実施される厚生労働省関係の主な制度変更のうち、特に国民生活に影響を与える事項について、厚生労働省のホームページにお知らせが掲示されました(3月23日)。

http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198659.html

 

<国民年金保険料>

平成30年度の国民年金保険料は、16,340円(平成29年度16,490円)

 

<老齢基礎年金>

平成30年4月からの年金額は、満額で月64,941円(据え置き)

4月分・5月分が6月15日に支給されます。

 

<診療報酬改定>

平成30年度については、医療機関の経営状況、物価・賃金の動向等を踏まえ、診療報酬本体0.55%のプラス改定となりました。

 

<国民健康保険制度>

財政運営の都道府県単位化と財政支援の拡充による財政基盤の強化を柱とする国保改革が行われます。

市町村による個別の運営から、都道府県が財政運営責任を担うなど中心的役割を果たす形に変わります。

 

<高額療養費>

国民健康保険の被保険者が、同一都道府県内の他市町村へ住所を異動した場合について、被保険者が属する世帯の高額療養費の多数回該当についての該当回数を引き継ぐ規定を設けます。

同一保険者から過去12か月以内に高額療養費が支給されている月数が3月以上ある世帯で、4月目以降、その世帯の自己負担限度額は引き下げられます。これが、多数回該当です。

今までは、同一都道府県内の他市町村へ引っ越すと回数がリセットされていたのですが、法改正により回数が通算されるようになります。

 

<住所異動月の自己負担限度額>

国民健康保険の被保険者が、同一都道府県内の他市町村へ住所を異動した場合、転居月は転出元の市町村と転入先の市町村での自己負担限度額をそれぞれ本来の2分の1に設定します。

 

<賦課(課税)限度額>

平成30年度分の保険料(税)から、国民健康保険・後期高齢者医療の保険料(税)の賦課(課税)限度額について、国民健康保険は89万円から93万円に、後期高齢者医療は57万円から62万円に、引き上げられます。

 

<介護報酬改定>

介護サービス事業者の経営状況、賃金・物価の動向等を踏まえ、0.54%のプラス改定となりました。

 

<障害者雇用率>

事業主に義務付けられている法定雇用率(その雇用する労働者に占める障害者の割合)の計算方法と基準が変わります。

平成30(2018)年4月1日から、障害者雇用義務の対象として、身体障害者、知的障害者に精神障害者が加わり、法定雇用率も次のように変わります。

・民間企業 2.2%(←2.0%)

・国、地方公共団体等 2.5%(←2.3%)

・都道府県等の教育委員会 2.4%(←2.2%)。

 

<労災保険の特別加入対象者>

個人家庭に雇用され、家事、育児等の作業に従事する者についても、特別加入制度の対象とされます。

 

2018.03.30.解決社労士

<省令改正案のポイント>

1 平成304月から適用される新たな労災保険率(54業種)を設定します。

  これにより、全業種の平均料率は 4.5/1,000となります。

2 社会復帰促進等事業等に必要な費用の限度額を引き上げます。

3 家事支援業務に従事する方について、労災保険の特別加入制度の対象に追加します。

4 時間外労働の上限規制等の円滑な移行のため、中小企業事業主に対して、助成金の内容を拡充します。

5 「労働者災害補償保険法」に基づく介護(補償)給付と、「炭鉱災害による一酸化炭素中毒症に関する特別措置法」に基づく介護料の最高限度額及び最低保障額を引き上げます。

 

<労災保険率の計算>

上記 1 の労災保険率(54業種)で、「引上げ」は3業種、「据置き」は31業種、「引下げ」は20業種で、引上げ対象の業種は「ガラス又はセメント製造業」「非鉄金属精錬業」「清掃、火葬又はと畜の事業」となっています。

 

労災保険率の決定方法は、現状、次のようになっています。※難しいです。

・業種区分ごとに過去3年間の労災保険の給付等に基づき算定した保険給付に要する費用の予想額を基礎とし、適用を受けるすべての事業の過去3年間の業務災害と通勤災害の災害率、さらに二次健康診断等給付に要する費用、労働福祉事業や事務の執行に要する費用等の予想額その他の事情を考慮して定めることとされています。

・業務災害分の料率の算定は、業務災害の短期給付分と長期給付分について業種別に行うことを基本的な考え方としています。このうち業務災害の短期給付分については一定期間(3年間)の収支が均衡するように賦課する「純賦課方式」を、長期給付分については災害発生時点の事業主集団に年金給付等の将来給付費用を賦課する「充足賦課方式」を採用しています。ただし、給付の一部に相当する費用については、全業種一律に賦課しています。

・その他、非業務災害分(通勤災害分と二次健康診断等給付分)、労働福祉事業と事務の執行に要する費用があり、これらは全業種一律の賦課としています。

・労災保険率は、上記の基本的な考え方に沿って算定される率に基づいて、3年ごとに改定されています。改定に際しては、労災保険率が過大に変動することがないように、また、産業構造の変動等を踏まえて、激変緩和措置等の配慮が行われています。

 

要するに、労災保険の給付が増えた業種では、料率が上がるということになります。「給付」が問題ですから、件数だけでなく重大事故の比率が上がれば、その業種の料率が上がりやすくなります。

「ガラス又はセメント製造業」「非鉄金属精錬業」「清掃、火葬又はと畜の事業」の3業種で料率が上がったということは、この3業種での労災事故による給付が増えたということです。

このことから、この3業種について、労働基準監督署の監督、つまり調査や指導が強化されることは容易に予想がつきます。

 

<時間外労働などの上限規制>

上記 4 で、時間外労働の上限規制等の円滑な移行のため、中小企業事業主に対して、助成金の内容を拡充するとしています。

一方で、時間外労働や休日労働について、罰則付きの上限規制が行われる予定ですから、まさに飴と鞭の施策となっています。

これは、時間外労働等の上限規制を徹底しようという、国の強い態度の現れですから、企業としては今のうちから長時間労働を解消できるように準備しておかなければなりません。

それこそブラック企業として、企業名を公表されたのでは事業の継続が危うくなりますから本気で取り組む必要があります。

「残業を減らせ!」と言うだけでは、サービス残業が発生してしまいます。

こうした専門性の高いことは、信頼できる国家資格者の社会保険労務士(社労士)にご相談ください。

 

2017.12.28.解決社労士

<憲法記念日に良く見るニュース>

安倍晋三首相は3日、憲法改正を求める集会にビデオメッセージを寄せ、「2020年を新しい憲法が施行される年にしたい」と表明した。首相は改正項目として9条を挙げて「1項、2項を残しつつ、自衛隊を明文で書き込むという考え方は国民的な議論に値する」との考えを示した。(「朝日新聞デジタル」より転載)

 

<憲法改正の手続>

「この憲法の改正は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において、その過半数の賛成を必要とする」〔日本国憲法961項〕

つまり憲法改正案は、国会が特別多数決によって国民に提案し、改正は国民投票で決まるということです。

内閣が憲法を改正することはできませんし、国会の議決で憲法を変えることもできません。決めるのは国民です。

ですから、「憲法9条改正反対!」などの集会は、政府や国会議員に向けられるのではなく、全国民に向けられるべきものでしょう。

安倍晋三首相も、このことを良く理解したうえで発言しています。

 

<基本的人権の保障>

日本国憲法は、基本的人権を保障するためにできました。

日本国民の一人ひとりが人間らしく生きていくための最低限の権利として生存権が規定されています。私たちが「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」を保障しています。〔憲法25条〕

生活保護などの諸施策は、この規定が根拠となっています。

さらに、国が生存権の保障をできるように財源を確保するしくみも定めています。

・「文化的な生活」ができるための義務教育〔憲法26条〕

・教育を受けた人が働く権利と義務〔憲法27条〕

・立場の弱い働き手が団結する権利〔憲法28条〕

・働いて得た財産を自分のものとする権利〔憲法29条〕

・収入や財産によって税金を納める義務〔憲法30条〕

・そしてこの税金を使って守られる生存権〔憲法25条〕

このように、憲法25条から30条までは循環する関係にあります。

 

<憲法に規定されていること>

日本国憲法は、1947年(昭和22年)53日 に施行されました。

その目的は、私たちが人間らしく生きていけるようにすることです。

この目的にそって規定されている内容は、主に次の2点です。

・日本国民の一人ひとりが人間らしく生きていく権利(基本的人権)の保障

・権力が日本国民の基本的人権を侵害しないようにする権力細分化のしくみ

 

<権力細分化のしくみ>

国家権力が、王様のような一人の人間に集中すると、私たちが人間らしく生きていくのに必要な基本的人権は、その人の感情によって簡単に侵害されてしまいます。

そうしたことがないように、憲法は権力を細かく分割するしくみを定めました。

・国家権力を、立法権・行政権・司法権に分けました。三権分立です。

・立法権のある国会を衆議院と参議院に分けました。

・行政権を内閣と多くの行政機関に分けました。

・司法権を最高裁判所・高等裁判所・地方裁判所・簡易裁判所・家庭裁判所に分けました。

・地方分権のため、都道府県とその下に市町村を設けました。

・この他、政党や派閥の存在を認めています。

このように国家権力が細分化されたことによって、誰か一人のえらい人が、自分だけの考えで好きなことを自由にできるわけではありません。

もし、そうしたことをすれば、国民や住民の批判にさらされることになります。

今後も、選挙制度が正しく機能している限り安心です。この意味で、私たちが投票に行くことはとても大切です。

 

繰り返しになりますが、日本国憲法は国家権力から私たちの人権を守るためにあります。そして、憲法の改正を決定するのは、私たち国民です。

憲法記念日は、年に1回、このことを確認する日にしたいものです。

<傷病手当金とは?>

健康保険に入っている人が、業務外の病気やケガで仕事ができず、給料がもらえないときに、申請によって支給される給付金です。

 

<その条件は?>

まず、業務外の病気やケガで仕事ができない期間について、医師の証明が必要です。仕事ができないわけではないけれど、大事をとってお休みするというのは対象外となります。

また、4日以上連続して仕事を休んでいることが必要です。最初の3日間を「待期期間」といって、ここに公休や有給休暇が含まれていてもかまいません。

さらに、給料の支払いが無いか、傷病手当金の金額より少ないことが条件です。

医師が証明した期間と、実際に仕事を休んだ期間とで、重なる日について支給されます。

 

<支給金額は?>

〔平成28年3月31日までの支給金額〕

1日あたりの金額=(休んだ日の標準報酬月額)÷30日×2/3

〔平成28年4月1日からの支給金額〕

1日あたりの金額=(支給開始日以前の継続した12か月間の各月の標準報酬月額を平均した額)÷30日×2/3

 

<注意したいこと>

たとえば4日間の休業だと、もらえる傷病手当金は1日分です。「傷病手当金支給申請書」に医師の証明を書いてもらうのに、3千円から1万円の文書料がかかります。交通費などの経費や手間を考えると、申請を見送った方が良い場合もあるでしょう。

 

2016.02.04.