有期労働契約の記事

<登録型派遣と無期転換>

派遣労働を希望する人をあらかじめ登録しておき、労働者派遣をする時に、その登録している人と有期労働契約を締結し、労働者派遣を行うことを一般に「登録型派遣」といいます。

登録型派遣の場合、派遣する都度、派遣労働者と有期労働契約を締結することとなりますが、この場合も派遣会社との間で無期転換ルールが適用されます。

したがって、同一の派遣会社との間で通算契約期間が5年を超えた場合、無期転換申込権が発生し、派遣労働者は、その契約期間の初日から末日までの間、いつでも無期転換の申込みをすることができます。

派遣労働者から申込みを受けた場合、申込時の有期労働契約が終了する日の翌日から、その労働者との間の契約は無期労働契約に転換されます。

そのため、無期転換後の労働者に対して、どのような労働条件を適用するかを検討し、就業規則等を整備する必要があります。

 

<就業規則の整備>

無期転換ルールによって、派遣会社との契約期間は有期から無期に転換されます。

しかし、無期転換後の給与などの労働条件は、就業規則等で特別な定めがある部分を除き、直前の有期労働契約と同一の労働条件となります。

したがって、無期労働契約に転換された労働者に対して、どのような労働条件を適用するかを検討した上で、特別な定めをする場合には、適用する就業規則にその旨を規定する必要があります。

ただし、無期転換に当たり、職務の内容などが変更されないにもかかわらず、無期転換後の労働条件を低下させることは、無期転換を円滑に進める観点から望ましいものではありません。

また、特に定年など、有期契約労働者には通常定められていない労働条件を適用する必要がある場合には、適切に設定のうえ、あらかじめ明確化しておく必要があります。

 

通常、無期転換の労働者が発生した場合には、就業規則の改定が必要となります。

こうした専門性の高いことは、信頼できる国家資格者の社労士にご相談ください。

 

2017.11.20.解決社労士

<無期転換ルールと対応の必要性>

平成25年(2013年)4月1日に改正労働契約法が施行され、無期転換ルールにより、有期労働契約が通算5年を超えて反復更新された場合、有期契約労働者の申込みにより、 期間の定めのない労働契約(無期労働契約)に転換されることとなります。

この通算5年のカウントの対象となるのは、改正法施行の平成25年(2013年)4月1日以降に開始した有期労働契約からです

改正労働契約法が施行されてから平成30年(2018年)4月1日で5年が経過し、今後、無期転換の本格的な発生が見込まれるため、就業規則や社内制度の検討・整備等を行う必要があります。

 

<無期転換ルールの趣旨>

現在、有期契約労働者の約3割が、通算5年を超えて契約を反復更新している実態にあります。

つまり、多くの会社にとって、有期社員が会社の事業運営に不可欠で恒常的な労働力である傾向が見られます。

特に長期間雇用されている有期社員は、例えば「1年契約」で働いていたとしても、実質的には会社の事業運営に不可欠で恒常的な労働力であることが多く、ほぼ毎年「自動的に」更新を繰り返しているだけといえます。

このような有期社員を期間の定めのない労働契約の社員として位置付け直すことは、むしろ自然なことであり、実態と形式を合致させる措置といえます。

このように、無期転換はより適切な雇用関係にしていくための取組みなのです。

 

<求められる企業の対応>

平成30年(2018年)4月1日から、有期社員の無期転換が本格的に行われると見込まれるため、それまでに就業規則や社内制度等の検討・整備等を行う必要があります。

雇用している有期社員の人数、更新回数、勤続年数、担当業務の内容などを整理しましょう。

有期社員を無期転換後、どのような社員として位置づけるかなど人材活用を戦略的に行うため、無期転換ルールへの対応の方向性を検討しましょう。有期社員が無期転換した場合、転換後の雇用処分に応じ、従来の「正社員」との異同を就業規則などで明確にしておかないと、トラブルが発生するおそれがあります。いずれの対応を取る際にも、あらかじめ労使の間で、担当する業務や処遇などの労働条件を十分に確認することが重要です。

無期転換後の労働条件をどのように設定するか検討し、就業規則等を整備しましょう。大きくは、無期転換社員(有期労働契約時と同じ労働条件で、契約期間が無期)、多様な正社員(職務限定社員、エリア社員、短時間正社員など)、正社員の3タイプです。

無期転換をスムーズに進める上で大切なのは、制度の設計段階から、労使のコミュニケ―ションを密に取ることです。労使双方が納得できる制度を構築するために、丁寧な説明を心がけるとともに、円滑に無期転換制度が運用されているかを把握し、必要に応じて改善を行うことが望まれます。

 

<雇止め(契約の不更新)について>

有期労働契約において、使用者が契約更新を行わず、契約期間の満了により雇用が終了することを「雇止め」といいます。

雇止めは、労働者保護の観点から、過去の最高裁判所の判例により一定の場合にこれを無効とするルール(雇止め法理)が確立しており、労働契約法19条に規定されました。

無期転換ルールを避けることを目的として、無期転換申込権が発生する前に雇止めをすることは、労働契約法の趣旨に照らして望ましいものではありません。また、有期契約の満了前に使用者が更新年限や更新回数の上限などを一方的に設けたとしても、雇止めをすることは許されない場合もありますので、慎重な対応が必要です。

 

こうした専門性の高いことは、信頼できる国家資格者の社会保険労務士(社労士)にご相談ください。

 

2017.11.11.現在

<無期転換ルール>

無期転換ルールとは、労働契約法の改正により、有期労働契約が反復更新されて通算5年を超えたときに、労働者の申込みにより、期間の定めのない労働契約(無期労働契約)に転換されるルールのことです。

 

<クーリングとは>

同一の使用者との間で有期労働契約を締結していない期間、つまり退職して労働契約のない期間(無契約期間)が、一定以上の間続いた場合、それ以前の契約期間は通算対象から除外されます。

このことを「クーリング」と呼びます。

 

<無契約期間の前の通算契約期間が1年以上の場合>

無契約期間が6か月以上の場合は、その期間より前の有期労働契約は通算契約期間に含まれません。つまり、クーリングされます。

無契約期間が6か月未満の場合、前後の有期労働契約の期間は通算されます。クーリングされません。

 

<無契約期間の前の通算契約期間が1年未満の場合>

無契約期間の前の通算契約期間に応じて、無契約期間がそれぞれ下記の期間に該当するときは、無契約期間より前の有期労働契約は通算契約期間に含まれません。つまり、クーリングされます。

その場合、無契約期間の次の有期労働契約から、通算契約期間のカウントが再度スタートします。

 

 無契約期間の前の通算契約期間 _    契約がない期間(無契約期間)_  

2か月以下

1か月以上

2か月を超え4か月以下

2か月以上

4か月を超え6か月以下

3か月以上

6か月を超え8か月以下

4か月以上

8か月を超え10か月以下

5か月以上

10か月を超えている場合

6か月以上

 

契約社員やパート社員などの有期契約労働者から無期転換の申込みがあったが、よくわからないという場合には、信頼できる国家資格者である専門家の社会保険労務士(社労士)にご相談ください。

 

2017.11.10.現在

<有期契約と無期契約>

期間を定めた有期契約は、その期間が終われば原則として終了します。

ですから、次の契約が結ばれるかどうかは、雇う側と雇われる側が新しい契約を結ぼうと合意できるかどうか次第となって、雇用が不安定になりがちです。

 

この場合も、ある程度は雇い主が一方的に契約を打ち切ることが規制されています。

しかし、期間の定めのない契約に比べると、その規制の範囲は狭くなっています。

このため、契約に期間を定めないで雇用される形の方が、雇用の安定という点では安心できます。一般に正社員ではこの形です。

ところが雇う側には、簡単に無期契約での雇用に踏み切れないという事情があります。

そのため、正社員以外の雇用では、有期契約が何回も更新されるという形になりやすいのです。

 

<労働契約法の改正>

長期にわたって更新を繰り返している有期契約の社員は、正社員と同様に雇用の安定が必要であるとの観点から、平成25年に法律が改正されて、期間を定めた契約の期間を通算した期間が5年を超えた契約が結ばれた時は、その人が望めば、以降の契約を無期契約にできることになりました。

 

ただし、契約の通算が5年を超えたときに自動的に無期契約に変わってしまうわけではなく、5年を超える有期契約が終了する前に、終了後は無期契約とすることを雇い主に通知することが必要です。

こうした通知は、口頭で行うことも認められますが、言った、言わないという争いが生じないよう、日付と内容を証明できる形で伝えることが望ましいでしょう。

 

<期間通算の注意点>

期間の通算については、次の点に注意が必要です。

・平成2541日以降に開始された契約だけが通算の対象になります。

・前の契約と後の契約との間に契約が存在しない期間があるときも、原則としてそれまでの契約の期間を通算しますが、契約がない期間が、それまでに通算された契約期間の半分(1か月未満の端数が出たときは1か月に切り上げて、最高で6か月)以上空いてしまったときは、それまでの通算を終了し、次の契約から新しく通算を始めます。

・研究職や60歳定年後の雇用などの場合は、会社が手続きをすることにより例外があります。

 

<無期契約とする通知の効果>

この仕組みにより、無期契約への変更を雇い主に通知すると、たとえ雇い主が認めないとしても、次の契約は無期の契約で結ばれたものとして扱われます。

 

そのため、契約期間の終了後に雇い主が出勤を拒否することは、「解雇」として扱われますが、客観的かつ合理的な理由と、社会的相当性の両方がない限り、「解雇」は無効とされていますから、雇い主は賃金の支払い義務を負い続けることになります。

 

なお、あらかじめ無期契約への変更をしないという約束をしても無効です。

また、無期契約への変更の請求を避けるためだけに、現在の有期契約を終了させることも、雇止めの正当な理由として認められません。

 

<無期契約への変更後>

この仕組みは、有期の契約を無期に変えるものであって、非正社員の人がこの変更の権利を使ったからといって、正社員と同じ給与や処遇に自動的に変わるというものではありません。

基本的には、有期契約の中で定められていた賃金や労働条件の基準が、無期契約に変わった後も続きます。

 

この場合、実際に従事している仕事の内容、責任と人事異動等の範囲が同一であると客観的に評価できれば、他に合理的な理由もないのに労働条件に差をつけることは許されなくなるほか、できるだけ正社員と均衡のとれた処遇をすることが必要になることがあります。

 

就業規則のある職場では、無期契約への変更後について、就業規則で確認することができます。

 

2017.10.23.現在

<有期契約労働者の雇用の安定>

労働契約法18条の規定により、平成30年4月1日以降、無期契約労働者に転換できる権利を取得する有期契約労働者が多数生じます。

定年の他に期限の無い労働契約に転換することによって、雇用が安定するという効果が見込まれています。

ただし、希望しない有期契約労働者は、転換権を使わないことも自由です。

 

<有期契約労働者の賃金の改善>

日本での同一労働同一賃金は、当初は「職務内容が同一である労働者には同一の賃金を支払う」という言葉通りの意味でした。

ところが現在では、非正規労働者の公正評価・処遇の意味に移行してきています。

しかも、労働政策審議会の建議報告書によれば、同一労働同一賃金法案による救済対象から、フルタイムの無期契約労働者が外されています。

 

<予想される事態>

有期契約労働者の無期転換申込に対する企業側の対応は、2018年問題として進められてきました。

しかし、同一労働同一賃金法案がこのまま成立した場合、フルタイムの有期契約労働者が無期転換すると、これらの人にとって不利になってしまう可能性があります。

結局のところ、パートタイムの有期契約労働者のみが無期に転換する傾向が強く現れることになるでしょう。

各企業は、法案の行方を追いつつ、自社の現状をにらんで対応を進めて行かざるを得ない状況にあります。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

法改正が行われた後で対応していたのでは、ライバル会社に後れをとってしまいます。

改正案のうちに先取り対応ができる専任者がいない会社では、顧問の社労士を置いて対応に当たらせるのが、確実で安上がりです。

自社での対応に不安があれば、信頼できる社労士(社会保険労務士)にご相談ください。

 

2017.08.18.解決社労士

<空欄のある雇用契約書などの有効性>

雇用契約書や労働条件通知書などは、使用者から労働者に対して主要な労働条件を書面で通知するための書類です。そして、労働条件は労働契約の中心的な内容となっています。

しかし、労働契約は、使用者と労働者との口頭による合意で成立しますので、書面に不備があっても労働契約の効力には影響しません。〔民法623条〕

たとえ雇用契約書や労働条件通知書が無くても、労働契約は有効に成立するのです。

 

<書面による通知義務のある法定事項>

しかし労働契約の成否とは別に、労働者を保護するため、労働条件のうち次の法定事項は、使用者から労働者に書面で通知する必要があります。

1. 労働契約の期間(契約の更新の有無、更新がありうる場合の更新の条件)

2. 就業の場所、従事する業務の内容

3. 始業・終業時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇、交替制勤務をさせる場合は就業時転換に関する事項

4. 賃金の決定・計算・支払いの方法、賃金の締切り・支払いの時期に関する事項

5. 退職に関する事項(解雇の事由を含む)

さらに、パートタイマー(短時間労働者)については、パートタイム労働法により、昇給・退職手当・賞与の有無について、文書の交付等による労働条件明示が必要です。

 

<口頭で通知すれば良い事項>

1. 昇給に関する事項

2. 退職手当の定めが適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算・支払いの方法、支払いの時期に関する事項

3. 臨時に支払われる賃金、賞与などに関する事項

4. 労働者に負担される食費、作業用品その他に関する事項

5. 安全・衛生に関する事項

6. 職業訓練に関する事項

7. 災害補償、業務外の傷病扶助に関する事項

8. 表彰、制裁に関する事項

9. 休職に関する事項

つまり、これらの事項は労働条件通知書に漏れていても大丈夫です。ただし、パートタイマー(短時間労働者)については、1.~3.の事項がパートタイム労働法により、文書の交付等による労働条件明示が必要な事項とされています。

 

<空欄があることによるトラブル>

労働条件通知書は、使用者の労働者に対する一方的な通知書ですから、1部だけ作成して労働者に交付すれば良い書面です。この点が、雇用契約書とは違うところです。

しかし、もし空欄があった場合、交付を受けた労働者が勝手に空欄を補充するとこれがトラブルの元になります。ですから、使用者もコピーを1部保存するのが良いでしょう。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

就業規則が無い会社では、就業規則の代わりに雇用契約書や労働条件通知書にかなり詳細な内容を記載する必要があります。

決まっていないからと言って空欄のままにしておくことは、法定の要件を満たしていなかったり、トラブルの火種となったりします。

そうは言っても、決め方がわからないなど迷うことがあれば、信頼できる社労士にご相談ください。

 

2017.07.16.解決社労士

<期限付きにする会社のメリット>

会社や店舗の業績に大きな波があって、その傾向が比較的わかりやすければ、必要な時期に限定して人手を増やすために、有期労働契約は便利です。

たとえば、春から秋にかけてはパチンコ店の店員をしていて、冬場だけスノーボードのインストラクターとして働くという例もあります。

 

<メリットの無い有期労働契約>

「何かあったときに」簡単に人員を調整して人件費を抑えるため、有期労働契約の従業員を採用しておくという会社もあります。昔は労働契約法も無かったですし、労働法に対する人々の関心も薄かったですから、会社の思惑通りに事が運んでいました。

しかし、パートやアルバイトであればいつでも解雇できるという誤解は解消されつつあります。

むしろ、契約期間の途中で解雇するのは、定年の他に期間を定められていない正社員よりもむずかしいのです。

客観的に「やむを得ない」理由が無ければ、契約期間中に解雇することはできません。〔労働契約法17条1項、民法28条〕

「やむを得ない」理由とは、期間を定めて雇用しているにもかかわらず、その約束を破って、期間満了前に雇用契約を終了しなければならないような特別重大な理由をいいます。

ですから、余程のことがない限り、契約期間の途中で解雇することはできません。

 

<期間満了での解雇(雇い止め)>

この雇い止めについてのトラブルは非常に多いものです。

その原因は、期間満了と共に解雇するのであれば何の問題も無いハズという会社側の感覚と、契約更新に期待を寄せている従業員の感覚との食い違いです。

そして法律上、一定の場合には解雇が認められやすく、その他の場合には不当解雇となりやすいという複雑さがあります。

解雇したつもりになっていても、不当解雇であれば解雇は無効なのです。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

雇い止めのトラブルを無くすには、最初の契約内容をきちんとすることと、採用時、契約更新時に労働条件を書面で示すことが必要です。

正社員以外の従業員がいる場合には、トラブル防止のため、また助成金制度を活用するためにも、信頼できる社労士にご相談ください。

 

2017.07.10.解決社労士

 

<労働条件の通知>

アルバイトでも、パートでも、人を雇った使用者は労働条件を書面で交付する義務があります。〔労働基準法15条〕

労働条件通知書、雇い入れ通知書、雇用契約書、労働契約書など名前はいろいろです。

名前はどうであれ、交付しないのは違法で30万円以下の罰金刑が規定されています。〔労働基準法120条〕

この場合、1人あたり30万円の罰金を科せられたうえに、マスコミやネットの書き込みの威力で、立ち直れなくなる可能性があります。

というのは労働条件が不明確なら、年次有給休暇の付与日数も取得した場合の給与計算の方法も不明です。月給制なら、残業手当の計算方法もわかりません。こうしたことから、労働条件を書面で交付しないのは、「年次有給休暇も残業手当もありません」と表明しているようなものだからです。

 

<契約の更新>

有期労働契約であれば、こうした書類に契約期間が明記されています。

ところが、契約期間の終了が迫っているのに、なかなか契約更新の話が無いのでは、雇われの身としては不安で仕方がありません。

ついに、契約期間が過ぎても何の話も無ければ、このまま働いていて大丈夫なのか疑問に感じてしまいます。

こういう場合に備えて、民法には次の規定があります。

「雇用の期間が満了した後労働者が引き続きその労働に従事する場合において、使用者がこれを知りながら異議を述べないときは、従前の雇用と同一の条件で更に雇用をしたものと推定する」〔民法629条1項〕

つまり、契約切れなのに勝手に働いているのだから、賃金支払義務は無いなどということはないのです。

(このほか労働契約法19条にも一定の場合の契約更新が規定されています)

 

<契約更新期が近づいたら>

とはいえ、遅くとも契約期間満了の1か月前になったら、使用者からでも労働者からでも、気づいた方が契約更新の話をもちかけるべきです。

必ず前回と同じ内容で更新というわけではなく、出勤日や勤務時間の変更、賃金の改定など検討する余地があるかも知れません。

そして、「こういう風にしても問題ないか?」という疑問があれば、信頼できる社会保険労務士(社労士)にご相談ください。

 

2017.07.01.解決社労士

<パート社員の試用期間>

たとえば、1年間の有期労働契約にして、最初の3か月間は試用期間とすることが行われます。

会社側は、3か月間の働きぶりを見て、とても勤まらないと判断すれば、そこで解雇しようという意図がうかがえます。

しかし、試用期間中であれ、試用期間終了時であれ、やむを得ない理由が無ければ解雇できません。日常用語で「本採用拒否」などと言われますが、これは解雇です。

このことは、きっちり雇用契約書を交わして本人の了解を得ていたとしても、結論に変わりはありません。

 

<正しい方法>

最初は3か月契約として、契約更新の条件に会社が意図する「本採用」の条件を定めておけば良いのです。

この「本採用」の条件は、正社員に対しても、入社時に文書で明示しておくと労働トラブルの防止に役立ちます。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

法令の規定とは違った「常識」や同業他社の「慣行」に頼った対応が、思わぬ結果をもたらしたり、意図した効果が得られなかったりで、労働トラブルとなることがあります。

会社の中で当たり前になっていることも、一度、信頼できる社労士にチェックさせることをお勧めします。

 

〔労働契約法171項〕

使用者は、期間の定めのある労働契約(以下この章において「有期労働契約」という。)について、やむを得ない事由がある場合でなければ、その契約期間が満了するまでの間において、労働者を解雇することができない。

 

〔民法628条〕

当事者が雇用の期間を定めた場合であっても、やむを得ない事由があるときは、各当事者は、直ちに契約の解除をすることができる。

 

2017.06.28.解決社労士

<有期契約と無期契約との違い>

定年年齢とは別に終了日を決めた雇用契約を有期雇用契約といいます。契約期間が終われば、雇用契約が終了するというのが原則になります。そこから先、さらに働けるかどうかは、更新契約が結ばれるかどうかによりますので、雇われている人の立場は不安定です。

これに対して、定年年齢とは別に終了日を決めていない雇用契約を無期雇用契約といいます。一般に、正社員は無期雇用契約とされ、有期雇用契約の場合よりも立場が安定しています。

 

<無期転換ルール>

長年にわたって、有期雇用契約の更新を何回も繰り返している社員は、正社員と同様に雇用の安定が必要であるという考え方から、有期雇用契約の期間を通算して5年を超えた場合には、本人の希望により、無期雇用契約に転換できることになっています。

ただし、この無期転換ルールは労働契約法の改正によってスタートしたものですから、有期雇用契約の開始が平成25年4月1日以降のものだけが通算の対象になります。

また、前の有期雇用契約と後の有期雇用契約との間に、契約が存在しない期間がある場合に、それまで通算された契約期間の半分以上の期間が空いてしまったときは、期間の計算がリセットされて、後の有期雇用契約から期間の計算を始めます。このとき、空いてしまった期間に1か月未満の端数が出たときは1か月に切り上げます。

さらに、空いてしまった期間が6か月を超える場合にも、後の有期雇用契約から期間の計算を始めます。

 

<転換後の労働条件>

無期転換ルールは、有期雇用契約を無期雇用契約に変えるものです。このルールによって、正社員になるわけではありません。

特に取り決めが無ければ、有期雇用契約の中で定められていた労働条件が、無期雇用契約に変わった後も続きます。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

無期転換ルールの運用について、迷うところがあれば、信頼できる社労士にご相談ください。

 

2017.04.23.解決社労士

<更新の有無を伝える必要がある場合>

有期労働契約であれば、契約期間満了により雇用が終了するのが原則です。

ですから、もともと更新が無い契約であれば、あえて更新が無いことを伝える必要はありません。反対に、必ず更新がある契約でも、これを伝える必要はありません。

問題は、更新の「可能性」があるという契約にした場合です。この場合には、なるべく早く更新の有無を決定して、そのアルバイトに伝えるのが望ましいわけです。

それでも、契約を更新する場合であれば、契約期間満了の直前に契約更新を伝えても大きな問題にはなりません。しかし、契約の更新を打ち切る場合には、これを「雇い止め」と呼び、一定の場合には、その予告が義務づけられています。

 

<雇い止めの予告>

雇い止めの予告が義務となるのは、次のような場合です。

・労働契約を3回以上更新している場合

・1年を超えて継続勤務している場合

・1年を超える労働契約の場合

これらの場合に事業主は、少なくとも期間満了の30日前までに、雇い止めの予告をしなければなりません。

 

<理由の明示>

雇い止めの予告をしたのに対応して、対象者から雇い止めの理由について証明書を請求された場合には、遅滞なく交付しなければなりません。退職後に請求された場合でも、事業主には交付義務がありますが、あくまでも請求があった場合のみの義務となります。

雇い止めの理由の例としては、次のものが挙げられます。

・前回の契約更新時に本契約を更新しないことが明確に合意されていたため

・契約締結当初に定めた契約更新回数の上限に達したため

・閉店など事業縮小のため

・業務を遂行する能力が十分ではないと会社が判断したため

雇い止めの理由は、わかりやすく事実に沿った理由を示す必要があります。誤解を生じる表現だと、これが元で訴訟に発展することもあります。退職後は特にそうですが、「雇い止め理由書」を郵送して終わりにするのは危険です。せめて電話で、できれば面談で説明したいものです。

 

<トラブルを防止するには>

雇い止めというのは、本当にトラブルを発生しやすいものです。決まりきったルールを守るだけではなく、プラスアルファのトラブル防止策をお勧めします。

まず、雇い止めの予告にあたってのトラブルを防ぐには、最初の採用のときと、契約更新のときに、次の契約更新の条件を具体的に示しておくことが必要です。対象者から反論されたり、疑問を出されたりするような条件では、具体性に欠けるということになります。

また、雇い止めの理由を示したことによって、新たなトラブルを発生させないようにするには、その理由が客観的に合理的なものであって、世間一般の常識からしても「やむをえない」といえるものであることが必要です。その基準は、労働法や裁判例を参考にすれば明らかになるものです。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

もし社内に専門の担当者がいないなど、不安な状況があるのであれば、信頼できる社労士(社会保険労務士)にご相談ください。それぞれの会社と業務内容に応じた対策をとることによって、リスクを大幅に軽減し、経費を削減することができます。

 

2017.04.12.解決社労士

<雇い止めとトラブル防止>

雇い止めとは、会社がパートやアルバイトなど、有期労働契約で雇っている労働者を、期間満了時に契約の更新を行わずに終了させることをいいます。

契約更新の繰り返しにより、一定の期間雇用を継続したにもかかわらず、会社が期間満了時に突然退職させるなどの場合にはトラブルとなりがちです。

そのため、有期労働契約の締結にあたっては、更新の有無とその判断基準の明示が必要です。能力不足を理由に契約を更新しない場合にも、その判断基準が明示されていなければなりません。

また会社は、雇い止めの理由について労働者から証明書を請求された場合には、遅滞なくこれを交付しなければなりません。この証明書は、労働審判や訴訟の重要な証拠となります。誰もが納得できる客観的な理由でなければ、会社が損害賠償を請求されるリスクは高まります。

 

<勤続18年の場合の特殊性>

入社して18年も経過すれば、会社の事業内容も労働者に求められる能力も、相当にレベルアップしているでしょう。入社時には、十分な能力を備えていたとしても、労働者自身がレベルアップしていなければ、業務について行けなくなってしまいます。また、加齢によって気力や体力が低下することも考えられます。このことは、会社も労働者も容易に想像できたはずです。

ですから、会社は労働者に十分な教育・研修を行っていなければなりませんし、労働者はこれに応じて能力を高める努力をしてきていなければなりません。会社が業務に必要な訓練を怠っておきながら、能力不足を理由に雇い止めをすれば、それは不合理とされ無効とされます。反対に、労働者が教育・研修を拒んでいたような場合には、合理的な理由があるものと認められ、雇い止めが有効と認められやすくなります。

加齢による能力低下に対しては、会社が機械化を進めたり、無理のない業務に異動させたりして、雇用を継続する義務を負います。ただ、会社の規模や業種によっては、こうしたことが困難なケースもあります。この場合には、会社の義務も軽減されます。そして、労働者が異動を拒むような場合には、会社として雇用継続の努力を示している以上、雇い止めも正当性をもつことになります。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

雇い止めをめぐるトラブルは、表面化するものが急増しています。有期雇用の従業員がいる会社では、紛争の予防を十分にする必要があります。ぜひ、信頼できる社労士にご相談ください。

 

2017.02.28.解決社労士

<派遣元と派遣先に求められる配慮>

派遣元は、派遣労働者に対して、計画的に教育訓練やキャリア・コンサルティングなどのキャリアアップのための措置を実施することが求められています。また、派遣先の社員との均衡がとれた待遇になるよう配慮しなければなりません。

派遣先も、派遣元への情報提供などの協力をするほか、派遣労働者に必要な教育訓練や福利厚生設備の利用などについて、できるだけ配慮するよう求められています。

 

<安定した雇用継続のための措置>

派遣労働では、期間を定めて派遣元に雇用されているときは、その期間が終了することで雇用は終了します。

しかし派遣元は、1年以上の派遣が見込まれるときには、その派遣労働者について、できるだけ、次のような措置を実施することが求められています。

・派遣先に直接雇用を依頼する

・新しい派遣先を提供する

・派遣元が無期契約で雇用する

・安定した雇用の継続を図るために必要な措置

また3年間の派遣が見込まれるときには、これらを必ず実施しなければなりません。

 

<直接雇用への転換>

派遣先も、1年以上派遣を受けた後、その業務のために人を雇おうとするときは、現に派遣されている社員が希望したときに、できるだけその人を雇うよう努力するほか、1年以上派遣労働者として受け入れている人に対して、自社の新規採用情報を提供することが求められています。

さらに、派遣先が、法律の定める届出や受入の上限などに違反していることを知りながら労働者派遣を受け入れていたときは、その派遣労働者が希望すれば、直接雇用された扱いとなることもあります。

これらは必ず正社員となることを保障するものではありませんが、法律は、できるだけ均衡のとれた処遇にすることを求めています。

 

2016.12.01.

<有期労働契約の打ち切り>

会社がパートやアルバイトなど、有期労働契約で雇っている労働者を、期間満了時に契約の更新を行わずに終了させることを「雇い止め」といいます。

 

<法律の規定は?>

一定の場合に「使用者が(労働者からの契約延長の)申込みを拒絶することが、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められないときは、使用者は、従前の有期労働契約の内容である労働条件と同一の労働条件で当該申込みを承諾したものとみなす」という抽象的な規定があります。〔労働契約法19条〕

 

<雇い止めの有効性の判断材料>

そして雇い止めは、次のような事情が多く認められるほど、有効と判断されやすくなります。

業務内容や労働契約上の地位が臨時的なものであること。

契約更新を期待させる制度や上司などの言動が無かったこと。

契約更新回数が少ないこと、また、通算勤続期間が短いこと。

他の労働者も契約更新されていないこと。

雇い止めに合理的な理由が認められること。

 

<どう伝えたら良いか悩む理由>

契約の打ち切りが不当だという法的主張をされないか、また、感情的に納得してもらえないのではないかということで悩みます。

とくに、自分自身が判断したのではなく、上司や人事部門の決定による場合には、自分の気持ちとは関係なく事実を伝えなければなりませんから辛いです。

 

<法的主張についての不安>

ポイントは、合理的な理由の説明です。これには事前の準備が必要です。

雇い入れ通知書、労働条件通知書、雇用契約書といった労働条件を示した書面に、契約を更新しない場合の具体的な理由と、判断するのは会社側であることが明記されていれば、「ここに書いてある通り」という説明で十分です。

 

<感情的な納得>

ポイントは、日頃からのコミュニケーションです。これにも事前の準備が必要です。

当たりさわりのない雑談だけでなく、部門長や人事担当者との定期的な面談が必要です。次回の契約更新の可能性など、重要な話もすることになります。

雇い止めをする場合には、契約期間の終了まで多くの日数を残して話を切り出さなければなりません。そして、十分な説明をすることが大切です。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

雇い止めがトラブルにならないための事前準備は、社労士の業務範囲です。

トラブルにならない雇い入れ通知書、労働条件通知書、雇用契約書の作成と運用、そして部門長や人事担当者に代わって定期的に面談することも行っています。

もし、すでにトラブルになっていたら、労働紛争に詳しい弁護士か信頼できる特定社労士(特定の付記を受けた社会保険労務士)にご相談ください。

 

2016.11.22.

<有期労働契約>

有期労働契約は、契約期間に限りのある労働契約をいいます。

正社員の場合には、労働契約の期間を区切らず、定年年齢まで契約が続くのに対して、正社員以外の場合には、期間を区切って契約するのが一般的です。

 

<休職制度>

長く働き続ける予定の労働者が、個人的な事情で働けなくなったとします。

働けない事情について、育児や介護など法令に定めがある場合には、育児休業や介護休業など、基本的には、その法令の定めに従い運用することになります。

しかし、法令に定めが無い休職について、これを認めるか認めないかは、会社の就業規則などの定めに従うことになります。

具体例としては、次のような流れになります。

 

ある人が休日のドライブで事故に遭い長期間働けない

→ 本来なら退職するしかない

→ 会社にとって貴重な人材なので何とかしたい

→ 会社から対象者に休職命令を発する

→ 定めた期間中に復帰できなければ退職

 

多くの場合、法令に定めの無い休職では、会社が命ずるのであって、労働者から権利を主張できるものではありません。

 

<結論として>

同じ有期労働契約であっても、契約期間以外の労働条件は、会社により、労働者によりバラバラです。

休職制度も、法定のものを除き、会社により、労働者によりバラバラです。

ですから、有期労働契約の従業員に休職制度が必要かどうかは、会社の実情と労働契約の内容から具体的に判断しなければなりません。

また、休職制度にこだわらないのであれば、労働契約の内容を変更することや、一度退職して、その後条件が調ったとき優先的に採用するという制度も考えられます。

会社の実情と目的をふまえ、どのような制度を導入したら最適かについて、迷ったら信頼できる社労士(社会保険労務士)にご相談ください。

 

2016.10.21.

<トラブルが生じやすい雇い止め>

パート、アルバイト、派遣社員、契約社員などの雇用形態では、有期労働契約が多く見られます。有期労働契約というのは、1年契約、6か月契約など期間の定めのある労働契約のことです。

有期労働契約である以上、契約期間満了により雇用が終了することが原則です。しかし、契約更新の繰り返しにより長い間雇用を継続する場合もあります。

このような場合に、契約を更新せずに期間満了をもって退職させると、期待を裏切ることになります。こうした「雇い止め」では、トラブルが生じやすいので、トラブル防止のためのルールが定められています。

 

<雇い止めの予告>

雇い止めの予告が義務となるのは、次のような場合に限られます。

・労働契約を3回以上更新している場合

・1年を超えて継続勤務している場合

・1年を超える労働契約の場合

これらの場合に事業主は、少なくとも期間満了の30日前までに、雇い止めの予告をしなければなりません。

ただし、雇用の約束をした時に、期間満了で必ず退職する約束だった場合には、期待を裏切る可能性は無いので対象外となります。

事業主としては、辞めてもらうことが決まっていても、あまり早く雇い止めの予告をしてしまうと、働く意欲が低下するのではないか、一緒に働いている人たちに不満を言うのではないかと心配になります。しかし、早く伝えてあげないと、雇い止めの対象となった人は、次の仕事を見つけるための準備をする期間が短くなってしまいます。このルールは、この点に配慮しているわけです。

 

<理由の明示>

雇い止めの予告をしたのに対応して、対象者から雇い止めの理由について証明書を請求された場合には、遅滞なく交付しなければなりません。退職後に請求された場合でも、会社には交付義務がありますが、あくまでも請求があった場合のみの義務となります。

雇い止めの理由の例としては、次のものが挙げられます。

・前回の契約更新時に本契約を更新しないことが明確に合意されていたため

・契約締結当初に定めた契約更新回数の上限に達したため

・閉店など事業縮小のため

・業務を遂行する能力が十分ではないと会社が判断したため

わかりやすく事実に沿った理由を示す必要があります。誤解を生じる表現だと、これが元で訴訟に発展することもあります。退職後は特にそうですが、「雇い止め理由書」を郵送して終わりにするのは危険です。せめて電話で、できれば面談で説明したいものです。

 

<本当にトラブルを防止するには>

雇い止めというのは、本当にトラブルを発生しやすいものです。決まりきったルールを守るだけではなく、プラスアルファのトラブル防止策をお勧めします。

まず、雇い止めの予告にあたってのトラブルを防ぐには、最初の採用のときと、契約更新のときに、次の契約更新の条件を具体的に示しておくことが必要です。対象者から反論されたり、疑問を出されたりするような条件では、具体性に欠けるということになります。

また、雇い止めの理由を示したことによって、新たなトラブルを発生させないようにするには、その理由が客観的に合理的なものであって、世間一般の常識からしても「やむをえない」といえるものであることが必要です。その基準は、労働法や裁判例を参考にすれば明らかになるものです。

もし社内に専門の担当者がいないなど、不安な状況があるのであれば、信頼できる社労士(社会保険労務士)にご相談ください。それぞれの会社と業務内容に応じた対策をとることによって、リスクを大幅に軽減し、経費を削減することができます。

 

2016.10.09.

<最低賃金の発効日>

平成28年10月1日をもって、東京都の最低賃金時間額は907円から932円に引き上げられます。この日が発効日ですから、この日に勤務した分から932円を下回る時間給は違法になってしまいます。日給でも月給でも、1時間あたりの賃金が932円を下回ってはいけません。

 

<雇用契約書を変更する必要性>

契約期間が平成28年10月1日以降にまたがる雇用契約書(労働契約書)であれば、その人の賃金時間額が932円を下回っている場合に、これ以上の賃金に改定した内容で雇用契約書を交わしなおす必要があります。

賃金という重要項目でもありますし、いつの分からの変更か明らかにする意味でも、また、最低賃金改定の説明をするチャンスでもあることから、修正して訂正印ではなくて、きちんと作り直して説明のうえ交付することをお勧めします。

 

<雇用契約書が複数ある場合の効力>

古い雇用契約書には、まだ契約期間が残っていて、新しい雇用契約書と期間がダブることになります。

そして古い雇用契約書も、その期間の雇用契約を明らかにする重要な文書ですから、回収するわけにもいきません。

実は、雇用契約書を含め契約書には必ず作成年月日が記されています。これは、契約内容が変更され新しい契約書が作成された場合には、作成年月日の新しいものが優先的に効力を持つという約束事があるからです。

ですから期間の重なった複数の雇用契約書があっても、最新のものが適用されるということで安心なのです。ただし、雇用契約書の作成年月日を空欄にしたままではいけません。きちんと契約書を完成させた日の日付を入れておきましょう。

 

最低賃金の引き上げに限らず、有期契約の無期化や、社会保険加入基準の変更などで、雇用契約の管理は少し複雑になってきています。面倒に思えてきたら信頼できる社労士(社会保険労務士)にご相談ください。

 

2016.09.26.

<有期契約労働者の無期転換ポータルサイト>

 

労働契約法に基づく「無期転換ルール」への対応を促進するため、厚生労働省のホームページに「有期契約労働者の無期転換ポータルサイト」が開設されました。

 

↓有期契約労働者の無期転換ポータルサイト

http://muki.mhlw.go.jp/

 

次のようなポイントについて解説されています。

・早めの対応が望まれます

・労使のコミュニケーションが重要です

・多様な働き方の仕組みを導入するためのきっかけにもなります

・就業規則、労働契約の見直しが必要です

・具体的な制度設計が大切です

・必要に応じて改善を行うなど、円滑な導入を心がけましょう

・国の支援策を積極的に活用しましょう

 

<具体的な対応は?>

パート社員など、期間を区切って雇われている人のいる会社では、ルールの適用開始まで1年半ですから、そろそろ対応を具体化する必要があります。

一般的なことは、上記のポータルサイトで確認できます。

それでも「うちの会社では必要なのか」「どう対応するのがベストか」という悩みがあれば、早めに信頼できる社労士(社会保険労務士)へのご相談をお勧めします。

 

2016.09.10.

<契約更新可能性の明示義務>

使用者が新人を期間を定めて雇用する場合、つまり有期労働契約で採用する場合、その契約の更新可能性の有無を明示しなければなりません。

完全に期間限定で、延長することがあり得ないのであれば「契約更新の可能性なし」と明示すればOKです。

しかし、契約期間を延長する可能性がある場合には「契約更新の可能性あり」と明示したうえで、契約を更新する場合またはしない場合の判断基準を明示しなければなりません。

 

<判断基準の明示>

厚生労働省は、明示すべき「判断の基準」の具体的な内容として、次の例を参考にするよう指導しています。

・契約期間満了時の業務量により判断する

・労働者の勤務成績、態度により判断する

・労働者の能力により判断する

・会社の経営状況により判断する

・従事している業務の進捗状況により判断する

 

<労働条件通知書の場合>

使用者は労働者の雇い入れにあたって、労働条件を書面で通知しなければなりません。

使用者が労働者に対して一方的に通知する書面として「労働条件通知書」があります。厚生労働省から「モデル労働条件通知書」も公表されています。

これは、使用者から労働者に対する通知の形をとっていますから、契約更新の有無を判断する基準として、たとえば「労働者の能力により判断する」と明示してある場合には、労働者の能力を判断するのは、この文書を作成した使用者側であるといえます。

さらにトラブルを避けようとするのであれば、「会社が労働者の能力を評価して判断する」と明示すればよいでしょう。

 

<労働契約書(雇用契約書)の場合>

会社によっては、労働契約書を交わして労働条件を明示しています。

契約書は、当事者の意思表示の合致を書面にしたものです。

ですから、労働契約書の契約更新の条件のところに「労働者の能力により判断する」と書いてある場合には、契約書には使用者と労働者双方の名前が入っていて、この文書は共同で作成したという形式をとっているので、必ずしも使用者が単独で判断するのが当然ということにはならず、労働者の意見も反映されるべきではないかという疑問が出されうることになります。

特に労働者が契約更新を期待していたのに、会社が更新しなかった場合には、能力の評価について意見の対立が生じうることになります。

ですから、労働条件の明示に契約書の形式をとるのであれば、「会社が労働者の能力を評価して判断する」というように、判断者を明示することが必須となります。

ちょっとしたことですが、紛争の発生を予防するための大きなポイントといえるでしょう。

 

2016.08.08.

<派遣労働者>

派遣労働者は、労働者派遣法で定められた正式名称です。

労働者派遣とは、労働者が人材派遣会社(派遣元)との間で労働契約を結び、派遣元が労働者派遣契約を結んでいる会社(派遣先)に労働者を派遣して、労働者は派遣先の指揮命令を受けて働くというものです。

特徴として、労働者に賃金を支払う会社と指揮命令をする会社が異なるという複雑な労働形態となっていることから、労働者派遣法が派遣労働者のための細かいルールを定めています。

労働者派遣では、法律上の雇い主は人材派遣会社です。ですから、事故やトラブルが起きた際は、まず人材派遣会社が責任をもって対処しなければなりません。しかし、実際に指揮命令をしている派遣先が全く責任を負わないというのは不合理です。そこで、労働者派遣法が派遣元と派遣先との責任分担について定めています。

 

<契約社員(有期労働契約)>

契約社員は、法律上の名称ではないので、その意味も会社によって違います。

正社員と違って、労働契約にあらかじめ雇用期間が定められている場合があります。このような期間の定めのある労働契約は、労働者と使用者の合意により契約期間を定めたものであり、契約期間の満了によって労働契約は自動的に終了することとなります。1回当たりの契約期間の上限は一定の場合を除いて3年です。

 

<パートタイム労働者>

パートタイム労働者は、正式名称ではありません。パートタイム労働法では、「短時間労働者」といいます。

パートタイム労働者とは、1週間の所定労働時間が、同じ事業所に雇用されている正社員と比べて短い労働者をいいます。「パートタイマー」や「アルバイト」など、呼び方は異なっても、この条件を満たせばパートタイム労働法の「短時間労働者」となります。

パートタイム労働者を雇用する使用者は、パートタイム労働法に基づき、公正な待遇の確保や正社員への転換などに取り組むことが義務づけられています。

また、労働者を雇い入れる際、使用者は、労働条件を明示すること、特に重要な条件については文書を交付することが義務付けられていますが、パートタイム労働法では、昇給・退職手当・賞与の有無についても文書の交付などによる明示を義務づけています。

 

<短時間正社員>

短時間正社員とは、フルタイムの正社員と比べて、その所定労働時間(所定労働日数)が少ない正社員であって、次のどちらにもあてはまる労働者をいいます。

・期間の定めのない労働契約を結んでいる。

・1時間あたりの基本給および賞与・退職金などの算定方法などが同じ事業所に雇用される同種のフルタイムの正社員と同等である。

このような働き方を就業規則に制度化することを指して、「短時間正社員制度」と呼んでいます。

短時間正社員制度の導入には、優秀な人材の獲得や社員の定着率の向上、採用コストや教育訓練コストの削減、社員のモチベーションアップ、外部に対するイメージアップといったメリットがあります。

 

<業務委託(請負)契約を結んで働く人>

正社員や派遣労働者、契約社員、パートタイム労働者、短時間正社員などは、「労働者」として、労働基準法など労働法の保護を受けることができます。

ところが、「業務委託」や「請負」といった形態で働く場合には、注文主から受けた仕事の完成に対して報酬が支払われるので、注文主の指揮命令を受けない「事業主」として扱われ、基本的には「労働者」としての保護を受けることはできません。

ただし、「業務委託」や「請負」といった契約をしていても、その働き方の実態が、注文主の指揮命令を受けるなどによって「労働者」であると判断されれば、労働基準法など労働法の保護を受けることができます。

 

<家内労働者>

家内労働者とは、委託を受けて、物品の製造または加工などを個人で行う人をいいます。家内労働者は「事業主」として扱われますが、委託者との関係が使用者と労働者の関係に似ていることから家内労働法が定められていて、委託者が家内労働者に仕事を委託する場合には、家内労働手帳の交付や最低工賃の順守など、家内労働法に基づいた対応が求められます。

 

<在宅ワーカー>

在宅ワーカー(在宅就業者)とは、委託を受けて、パソコンなどの情報通信機器を使用してホームページの作成などを個人で行う人をいいます。在宅ワーカーも「事業主」として扱われますが、委託者に対して弱い立場に置かれやすいため、在宅ワーカーに仕事を委託する場合には、「在宅ワークの適正な実施のためのガイドライン」を踏まえた対応が求められます。

 

2016.07.11.

<行政通達とは>

行政通達は、行政機関が行政上の取扱いの統一性を確保することを目的として定める指針です。その内容は、法令の解釈、運用・取扱基準や行政執行の方針などです。

 

<労働法の世界での行政通達の役割>

労働法の世界では、労働者を保護するための法令が多数制定されています。

しかし、現実の世界で生じる具体的な問題や紛争のすべてをカバーすることはできません。法令が予定していないことも起こるのです。

また、法令というのは、抽象的な表現を多く含んでいます。そのため、いくつもの解釈ができてしまうことがあります。これでは、法令の適用によって労働者と使用者の両方が納得する結論を出すことができません。

そのため、行政機関が法令の解釈・運用・取扱基準を示すことがあります。これは「行政通達」の形をとることが多いのです。

 

<行政通達の効力>

あくまでも行政機関内部の指針です。国民の権利・義務を直接に規制するものではありません。しかし、たとえば労働基準監督署が企業を指導する場合には、行政通達の基準に従って指導します。ですから、事実上の強制力をもっていると考えられます。

 

<行政通達に逆らえるのか>

たとえば、行政通達そのものの効力を争って、企業が裁判を起こしても門前払いとなります。

しかし、行政通達に従った指導によって、企業が不当な損害をこうむった場合には、国家賠償を求める形で争うことはできます。

反対にいえば、企業はそこまでする気がないのなら、行政通達に基づく指導に従わざるをえないということです。

 

2016.05.04.

<通常の場合>

期間の定めのある労働契約(有期労働契約)で働く労働者について、使用者はやむを得ない事由がある場合でなければ、契約期間の途中で労働者を解雇することはできないとされています。〔労働契約法17条1項〕

期間の定めのない労働契約の場合よりも、解雇の有効性は厳しく判断されます。

 

<長期勤続の場合>

また、有期労働契約が3回以上更新されている場合や、1年を超えて継続勤務している有期契約労働者について、契約を更新しない場合、使用者は少なくとも契約の期間が満了する日の30日前までに、その予告をしなければなりません。〔有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準1条〕

ただし、あらかじめその契約を更新しない旨が明示されている場合を除きます。

 

<証明書の交付>

さらに、使用者は、雇止めの予告後に労働者が雇止めの理由について証明書を請求した場合は、遅滞なくこれを交付しなければなりません。

これは、雇止めの後に労働者から請求された場合も同様です。〔有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準2条〕

明示すべき「雇止めの理由」は、契約期間の満了とは別の理由とすることが必要です。

たとえば、以下のような理由です。

・前回の契約更新時に、本契約を更新しないことが合意されていたため

・契約締結当初から、更新回数の上限を設けており、本契約はその上限に係るものであるため

・担当していた業務が終了・中止したため

・事業縮小のため

・業務を遂行する能力が十分ではないと認められるため

・職務命令に対する違反行為を行ったこと、無断欠勤をしたことなど勤務不良のため

 

2016.04.20.

<無期転換ルール>

労働契約法の改正により、有期労働契約が反復更新されて通算5年を超えることとなったときに、労働者の申し込みによって、無期労働契約に転換されるルール が導入されています。これが「無期転換ルール」です。

有期労働契約で働く人の約3割が、通算5年を超えて有期労働契約を繰り返し更新しているのが実態です。

無期転換ルールは、こうした状態で働いている労働者の雇止めに対する不安を解消するためにできました。

 

<まだ対応しなくても大丈夫?>

「無期転換ルール」を定めた改正労働契約法は、平成25年4月1日に施行されました。単純に5年後というと平成30年4月1日なので、それまでは無期転換が発生しないようにも思えます。

ところが、

平成25年4月1日から平成28年3月31日までの3年契約を更新して、

平成28年4月1日から平成31年3月31日までの3年契約を交わす場合、

平成30年4月1日には通算5年となります。

この場合、平成28年4月1日以降、労働者から会社に無期転換の申し込みができるのです。

こうした労働者がいる会社では、すでに就業規則や労働契約書などに規定があるはずです。

 

<法改正の趣旨に反する動き>

「無期転換ルール」の導入は、労働者の雇用の安定を図ろうとするものですが、このルールの導入に伴い、有期契約労働者が無期労働契約への転換前に雇止めとなる場合が増加するのではないかとの心配があります。

このため、雇用の安定がもたらす労働者の意欲や能力の向上、企業活動に必要な人材の確保に寄与することなど、無期転換がもたらすメリットについても十分に理解し、雇止めの判断に当たっては、その実際上の必要性を十分慎重に検討のうえ、対応しなければなりません。

 

<高年齢者等についての特例>

専門的知識等を持つ有期雇用労働者や、定年後引き続いて雇用される有期雇用労働者については、「専門的知識等を有する有期雇用労働者等に関する特別措置法」(有期雇用特別措置法)により特例が設けられています。

この特例の適用を受けるためには、専門的知識等を持つ有期雇用労働者や、定年後引き続いて雇用される有期雇用労働者について、雇用管理に関する特別の措置に関する都道府県労働局長の認定を受ける必要があります。

この認定を受ける条件は、決して高いハードルではありませんが、認定を受けずに「無期転換ルール」の例外を設けることはできません。所轄の労働基準監督署を経由して申請することもできますので、早めの対応を心がけましょう。

 

2016.03.20.

有期労働契約の打ち切り>

会社がパートやアルバイトなど、有期労働契約で雇っている労働者を、期間満了時に契約の更新を行わずに終了させることを「雇い止め」といいます。

 

<法律の規定は?>

一定の場合に「使用者が(労働者からの契約延長の)申込みを拒絶することが、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められないときは、使用者は、従前の有期労働契約の内容である労働条件と同一の労働条件で当該申込みを承諾したものとみなす」という抽象的な規定があります。〔労働契約法19条〕

 

<裁判になったら>

これは、数多くの裁判の積み重ねによって作られた「雇い止めに関する法理」という理論を条文にしたものです。

ですから、雇い止めがこの理論による有効要件を満たしていなければ、裁判では無効とされ、有期労働契約が自動的に更新されることになります。

 

<雇い止めに関する法理>

雇い止めは、次のような事情が多く認められるほど、有効と判断されやすくなります。

業務内容や労働契約上の地位が臨時的なものであること。

契約更新を期待させる制度や上司などの言動が無かったこと。

契約更新回数が少ないこと、また、通算勤続期間が短いこと。

他の労働者も契約更新されていないこと。

雇い止めに合理的な理由が認められること。

 

<注意ポイント>

契約期間の終了間際になってから雇い止めの話を切り出したり、事前に充分な説明が無かったりすれば、それだけで「社会通念上相当でない」と判断されます。

ですから、雇い止めをする事情が発生したら、対象者には早く説明してあげることが大切です。

 

2016.02.21.

<雇い止めとは?>

会社がパートやアルバイトなど、有期労働契約で雇っている労働者を、期間満了時に契約の更新を行わずに終了させることをいいます。

 

<雇い止めの問題点は?>

契約更新の繰り返しにより、一定の期間雇用を継続したにもかかわらず、会社が期間満了時に突然退職させるなどの場合にはトラブルとなりがちです。

 

<トラブル防止のためには?>

厚生労働省では、トラブル防止のため「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準」を策定しています。

労働基準監督署は、この基準に基づいて、使用者に対して必要な助言や指導を行っています。

 

<この基準の内容は?>

これによると、有期労働契約の締結にあたり、更新の有無とその判断基準の明示が必要です。

また、有期労働契約が3回以上更新されているか、1年を超えて継続して雇用されている労働者について契約を更新しない場合には、契約期間満了の30日前までに予告しなければなりません。

さらに会社は、雇い止めの理由について労働者から証明書を請求された場合には、遅滞なくこれを交付しなければなりません。

 

2016.01.30.

<有期労働契約とは?>

有期労働契約とは、1年契約、6か月契約など契約期間の定めのある労働契約のことをいいます。

パート、アルバイト、契約社員、嘱託など会社での呼び名にかかわらず、契約期間の取り決めがあれば、有期労働契約です。

 

<最長期間の定め>

有期労働契約の期間は、原則として3年が上限です。

ただし、専門的な知識等を有する労働者、満60歳以上の労働者との労働契約については、上限が5年とされています。〔労働基準法14条1項〕

 

<2つの利益のバランス>

労働契約の期間が短ければ、労働者の立場が不安定になります。

ところが、あまり長くても、労働者を拘束してしまうことになります。

労働者が安定して働けることと、長期間の契約で縛られないこととは、相反する要請です。

有期労働契約の最長期間は、この2つの利益のバランスを考えて法定されているのです。

 

<無期労働契約への転換>

有期労働契約が繰り返し更新されて通算5年を超えたときは、労働者からの申し込みにより、期間の定めのない無期労働契約に転換できるというルールがあります。〔労働契約法18条〕

これには特例があり、高度な専門的知識等を有する有期雇用労働者、定年後引き続き雇用される有期雇用労働者については、会社が労働局長に申請することによって、一定の期間については、無期転換申込権が発生しないことになります。〔専門的知識等を有する有期雇用労働者等に関する特別措置法〕

さらに特殊な例外ですが、研究開発能力の強化と教育研究の活性化等の観点から、大学等や研究開発法人の研究者、教員等については、無期転換申込権発生までの期間が原則10年となっています。〔研究開発システムの改革の推進等による研究開発能力の強化及び研究開発等の効率的推進等に関する法律及び大学の教員等の任期に関する法律の一部を改正する法律〕

 

2016.01.25.