セクハラの記事

<セクハラは犯罪になることがある>

社内でセクハラを受けたなら、その行為は強制わいせつ罪にあたる可能性があります。〔刑法176条〕

わいせつ行為には、普通の人であれば嫌がるような行為すべてが含まれます。たとえば、相手が嫌がっているのにもかかわらず、服を脱がせたり、キスをしたり、身体に触る行為は、全てわいせつ行為にあたります。

社長が行為者であれば、自由な意思で同意しているとは認められにくい場合が多いでしょう。拒んだらクビにされると思い、仕方なく耐えている状態は、暗黙の脅迫がある状態ともいえます。

 

<行為者の民事責任>

被害者に対して不法行為責任を負います。〔民法709条〕

つまり、損害賠償責任を負うのです。

ここは、セクハラ行為者が社長でも他の従業員でも同じです。

 

<会社の民事責任>

会社も不法行為責任を負います。〔民法441項〕

まともに働ける環境を提供していないといえる場合なら、債務不履行責任も負います。〔民法415条〕

「社長=会社」ではありませんから、社長がセクハラを行った場合には、会社も社長も責任を負います。

 

<被害者が取るべき行動>

・セクハラ行為の記録や証拠を残す。

・同じ行為者からのセクハラ被害者がいれば協力する。

・労働相談情報センターなどに相談する。

社長がセクハラを行う人物である場合、その権限の強さから、被害者が複数である可能性は高いでしょう。一人では心細いですが、被害者が協力し合うことによって、解決しやすくなります。

また、セクハラの問題は、第一に社内で解決するのが原則です。しかし、セクハラの相談窓口や担当者は、被害者の味方に付いてくれないかもしれません。早めに社外の相談窓口に相談することをお勧めします。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

本気でセクハラ、パワハラ、マタハラなどを防止したい会社なら、相談窓口は社外の専門家に委託して、社内でもみ消されないようにするのではないでしょうか。

ハラスメントに限らず、働いている人たちの相談窓口として、信頼できる社労士をご検討ください。

 

2017.04.19.解決社労士

<日本語に直すと>

英語のハラスメント(harassment)は、日本語の「いやがらせ」にあたります。

「いやがらせ」は、相手に対して、わざと不快感や損害を与える行為で、道徳に反するものを言います。

「いたずら」も近い意味を持ちます。しかし、「いたずら」は第三者が見たときに笑えることもあるのですが、「いやがらせ」は道徳に反するので笑えません。

 

<セクシャルハラスメント>

これは「セクハラ」と略されることが多い「性的なことについてのいやがらせ」です。

職場に限らず、性的なことに対する興味が特に強い人がいます。こうした人が、「いたずら」のつもりで「いやがらせ」をするとセクハラになるのですが、本人は道徳に反しないと思っているので、反省することなく繰り返します。

また職場では、部下が上司に対して愛想よく、従順で素直です。これは立場上当然なのですが、上司が勘違いして部下から好かれていると思い込むことがあります。上司は、部下が自分に魅力を感じ恋愛感情を抱いていると勘違いすることによって、その部下に対して、ある程度は性的な言動をすることも許されるだろうと思い込んでしまいます。そして、対象となった部下は、立場上、その気が無いことをハッキリと言い出せずに、限界を超えるところまで従い耐えることになります。

 

<パワーハラスメント>

これは「パワハラ」と略されることが多い「力関係に基づくいやがらせ」です。

年齢、経験年数、能力、地位、権限、人気などのパワーを持った人が、自分から見てある側面で「劣る」と思える相手に対して、主に指導の名目で「いやがらせ」をします。多少不快感や損害を与えたとしても、指導に伴うものはある程度仕方がないという勘違いがあります。

職場では、上司と部下、先輩と後輩の関係で多く見られます。怖いことに、セクハラを伴うパワハラも見られます。それでも、行為者は自分の行為を許されていると思い込んでいます。

 

<会社など使用者の責任>

職場で、セクハラ、パワハラ、マタハラ、その他のハラスメントが起きないよう、使用者がしっかり管理しなければなりません。

働いている人たちは、労働契約によって働いています。雇い主の「働いてください。給料を支払います」という意思と、労働者の「働きます。給料を支払ってください」という意思の合致によって、労働契約が成り立っています。

ですから、会社側は労働者がきちんと働ける環境を整える義務を負っています。また、労働者もきちんと働ける環境を侵害しない義務を負っています。

つまり、労働者がハラスメントをしない義務を負っているのと同じく、会社側もハラスメントを防止する義務を負っています。

万一、ハラスメントが発生すれば、その行為者と会社の両方が責任を負います。

ここでのポイントは、見つけ次第対応することだけが会社の義務ではなく、発生しないように、十分な教育を繰り返すことも会社の義務だということです。

この義務は特別なことではなく、労働契約の性質から当然のことなのです。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

ハラスメントをなくすには、まず経営者の「許さない」という意志の表明が大切です。これが無くては、何も始まりません。

そして教育と、相談窓口の設置が必須となります。

教育についても、相談窓口についても、社内で間に合わせるよりは社外の専門家に委託したほうが、はるかに効果的です。

ぜひ、信頼できる社労士(社会保険労務士)にご相談ください。

 

2017.01.03.解決社労士

<セクシュアルハラスメントとは>

相手の気持ちに反して行われる性的な言動は、その相手の性別に関係なく、また、直接的な身体接触によるものだけではなく、言葉によって行われるものも、セクシュアルハラスメントとなります。

さらに、わいせつな行為を強要したり、相手の名誉や社会的信用を傷つけたりすれば、犯罪として刑法上の責任が問われることがあります。〔刑法176条、230条など〕

そして、被害者に対する損害賠償責任を発生させることにもなります。〔民法709条〕

男女雇用機会均等法では、職場の中でセクシュアルハラスメントの被害が発生しないよう、事業主が積極的に予防措置と事後対応を取ることを義務付けています。

防止すべきものとされているセクシュアルハラスメントは、性的な要求を拒否したことなどを理由に、職場で不利益な取扱いをする「対価型」だけでなく、性的な言動などによって職場環境を悪くする「環境型」のセクシュアルハラスメントも含まれます。

 

<事業主の責任>

事業主は、このようなセクシュアルハラスメント行為に対して厳正に対処すること、被害を受けたときの相談窓口があることなどについて、あらかじめ管理職を含む労働者に知らせておき、もし被害の申出があったら、適切な調査と対応をすることが義務付けられています。

このように職場でのセクシュアルハラスメントは、「個人の問題」ではすまない問題です。

適切な対応を怠った事業主に対しては、国の行政機関(労働局など)による助言・指導などが行われます。

 

<被害者の権利>

被害者は加害者に損害賠償を請求できるだけではなく、雇い主に対しても、加害者の使用者として、あるいは被害者本人への適切な環境整備を怠った義務違反として、損害賠償を請求することができます。〔民法715条、415条〕

セクシュアルハラスメントについては、事業主の責任を踏まえて、社内で解決することが望ましいといえます。ですから、まずは社内の相談窓口や上司に相談することです。もちろん、上司からの被害であれば、上司の上司に相談すべきです。

しかし、セクシュアルハラスメント問題について、会社が適切な対処をしてくれないときは、国の行政機関(東京労働局雇用均等室)や専門家(弁護士、社労士)などに相談してください。

 

2016.07.13.

<セクハラとは?>

セクシュアルハラスメントの略で、「職場において、労働者の意に反する性的な言動が行われ、それを拒否するなどの対応により解雇、降格、減給などの不利益を受けること(対価型)」または「性的な言動が行われることで職場の環境が不快なものとなったため、労働者の能力の発揮に悪影響が生じること(環境型)」をいいます。これが厚生労働省による説明です。

これによると、労働者が「不利益を受けること」あるいは「悪影響が生じること」という実害の発生が、セクハラ成立の条件のようにも見えます。しかし、企業としてはセクハラを未然に防止したいところです。

 

<企業の責任は?>

法令により、企業にはセクハラ対策が義務付けられています。〔男女雇用機会均等法11条〕

従業員からセクハラ被害の申し出があれば、企業は誠実に対応しなければなりませんから、被害申し出のための窓口を設置する義務もあります。

就業規則にセクハラの禁止規定と、これに対応する懲戒規定も必要になります。

 

<就業規則に定義を!>

まず就業規則にセクハラの定義を定めなければ、従業員には何が禁止されているのか不明確ですし、それらしき行為があっても確信が持てなければ、誰も注意することができないのですから被害者は救われません。

「自分の言動が、セクハラとなるかどうかわからない。要は、相手の受け取り方次第なので、ハッキリしない。」というのが加害者側の理屈でしょう。

これを許さないためには、「自分と相手との間柄を前提として、客観的に見て、相手や周囲の社員が性的な意味合いを感じ不快に思う言動」はセクハラに該当するというような具体的で明確な定義が必要なのです。

社内での相手に対する言動が、周囲の社員にとって、あるいは、相手の家族にとって、性的な意味合いで不快感を与えていれば、セクハラになると思います。

 

<なぜセクハラが発生するのか?>

そもそも部下や後輩が自分に対して従順で素直で協力的なのは、自分に好意を寄せているからではなくて、立場上、仕方が無いからです。決して、二人の間柄が、仕事上の立場を超えたわけではありません。ここを勘違いしている方が、セクハラに走っているように思います。

セクハラ防止のための教育研修の内容には、このセクハラ発生のメカニズムも加える必要があるでしょう。

 

<企業として必要な対策>

セクハラに限らず、パワハラでもマタハラでも、ハラスメント対策としては、次のことが必要です。

・ハラスメントは許さないというトップのメッセージ

・就業規則の懲戒処分に関連規定を置く

・実態を把握するための体制と仕組みの整備

・社員教育

・再発防止措置

・相談窓口の設置

この中で、相談窓口としては、厚生労働省が社会保険労務士など社外の専門家を推奨しています。なぜなら、社内の担当者や部門では、被害者が申し出をためらいますし、被害拡大やもみ消しの恐れもあるからです。

まずは、経営トップがハラスメントの問題を重くとらえ理解し、社内に「許さない」というメッセージを発信するのが第一歩です。

 

<対策が遅れると…>

法は、企業に対して自主的解決を求めています。〔男女雇用機会均等法15条〕

しかし、被害者の申し出にもかかわらず、企業が納得のいく対応をしてくれない、また、企業としてはきちんと対応したのに、被害者が納得してくれないという場合には、労働局に申請して紛争調整委員会に調停をしてもらうことができます。

調停では、委員会から具体的な事情を踏まえた和解案が提示されます。

双方がこれに従えば、一件落着ですが、そうでなければ訴訟に発展することもあります。

特定社会保険労務士は、この調停での一方当事者の代理人となる資格を持っています。専門家の助力が必要であれば、弁護士か特定社労士にご相談ください。

 

2016.03.18.