労災保険の葬祭料・健康保険の埋葬料

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2020/07/07|1,245文字

 

<労災保険の給付>

労災事故で、不幸にして従業員が亡くなった場合には、葬祭料(葬祭給付)の支給があります。

支給対象は、必ずしも遺族とは限りませんが、通常は葬祭を行うにふさわしい遺族が該当します。

葬祭を執り行う遺族がなく、社葬として、亡くなった従業員の会社で葬祭を行なった場合は、葬祭料(葬祭給付)はその会社に対して支給されることになります。

葬祭料(葬祭給付)の額は、315,000円に給付基礎日額の30日分を加えた額ですが、この額が給付基礎日額の60日分に満たない場合は給付基礎日額の60日分が支給額となります。

ここで、「給付基礎日額」とは、原則として労働基準法の平均賃金に相当する額をいいます。

そして、「平均賃金」とは、原則として、業務上又は通勤による負傷や死亡の原因となった事故が発生した日又は医師の診断によって疾病の発生が確定した日(賃金締切日が定められているときは、その日の直前の賃金締切日)の直前3か月間にその従業員に対して支払われた賃金の総額を、その期間の暦日数で割った1日あたりの賃金額のことです。

請求手続は、所轄の労働基準監督署長に、葬祭料請求書(様式第16号)又は葬祭給付請求書(様式第16号の10)を提出して行います。

死亡診断書、死体検案書、検視調書又はそれらの記載事項証明書など、従業員の死亡の事実及び死亡の年月日を証明することができる書類の添付が必要です。

ただし、併せて遺族(補償)給付の請求書を提出する際に添付してある場合には、必要ありません。

 

<健康保険の給付>

業務外の原因で、健康保険の加入者(被保険者)が亡くなったときは、埋葬を行う人に埋葬料または埋葬費が支給されます。

亡くなった被保険者により生計を維持されていた人が、埋葬を行う場合に「埋葬料」として5万円が支給されます。

ここで、「生計を維持されていた人」とは、被保険者によって生計の全部又は一部を維持されていた人であって、民法上の親族や遺族であることは問われません。

また、被保険者が世帯主であるか、同一世帯であるかも問われません。

埋葬料を受けられる人がいない場合は、実際に埋葬を行った人に、埋葬料(5万円)の範囲内で実際に埋葬に要した費用が「埋葬費」として支給されます。

「実際に埋葬に要した費用」とは、霊柩車代、霊柩運搬代、霊前供物代、火葬料、僧侶の謝礼等が対象となります。

さらに、扶養家族(被扶養者)が亡くなったときは、被保険者に「家族埋葬料」として5万円が支給されます。

手続は、「健康保険埋葬料(費)支給申請書」を保険者に提出して行います。

 

<健康保険資格喪失後の給付>

被保険者がその資格喪失後に亡くなり、次のいずれかに該当する場合は、埋葬料または埋葬費が支給されます。

・被保険者だった人が、退職などで資格喪失後3か月以内に亡くなったとき

・被保険者だった人が、資格喪失後の傷病手当金または出産手当金の継続給付を受けている間に亡くなったとき、あるいは継続給付を受けなくなってから3か月以内に亡くなったとき

 

解決社労士