転倒災害を防止しましょう

2021/09/03|1,190文字

 

<転倒災害の現状>

労働災害のうち、休業4日以上の死傷災害の中で、最も件数が多いのは転倒災害です。

実に全体の4分の1を占めています。

 

<滑って転ぶ危険の解消>

床にこぼれた液体で滑って転倒する場合があります。

床に水や油などがこぼれていたらすぐに拭き取れる道具を常備しておき、実際にすぐに拭き取るルールにしておく必要があります。

また、どうしても水や油などのたまりやすい場所には、マットを敷くなどして危険の発生を未然に防ぎましょう。

もちろん、自分でこぼした水は自分で拭くなどは常識として徹底しましょう。

どうせ後で清掃業者が来るからと放置しておくと、危険が増してしまいます。

 

<つまずいて転ぶ危険の解消>

床の上に置いたものやコード類につまずく危険も大きいものです。

「仮に」「ちょっと」ということで、一時的に床の上に物品を置くことは危険です。

人事異動に伴う席替えの際は、ほんの短時間という気の緩みから、書籍やファイルを床の上に置いてしまうことがあります。

普段は無い物が床の上にあると、これにつまずいて転倒する危険は想定外に大きいものです。

また、コード類は通路を横断しないように配線するのが基本です。

レイアウトの変更に伴い配線を変えられるよう、コード類を床の下に置くフリーアクセスにしておけば安全です。

これができない場合には、モールというカバーをコードの上に設置するのがお勧めです。

ただ、このモールは蹴飛ばされているうちに外れたり破損したりしますから、予備の部材を置いておき、適宜補修することをお勧めします。

 

<階段で転ぶ危険の解消>

階段で足を踏み外して転ぶことがあります。

この場合、打撲や骨折、場合によっては死亡事故になることもあります。

予防には、物理的な対策と安全のためのルール順守が有効です。

・急勾配の階段は設置を避ける

・滑り止めを設ける

・手すりを設ける

・十分な照明を設置する

・昇降する際は手すりを使用する

・必ず片手は空けておく

・ポケットに手を入れない

 

<凍結した水たまりや雪で転ぶ危険の解消>

冬になると、凍結した路面での転倒が多発します。

時間帯は朝に集中します。

凍結する場所や雪が積もる通路は特定できますので、その部分に重点的に対策を施すのが効果的です。

・凍結しやすい路面に凍結防止用の砂を撒く

・凍結しやすい出入口には凍結防止のマット類を敷く

・滑りやすい靴の使用を避ける

・必ず片手は空けておく

・ポケットに手を入れない

・危険な場所を歩行する際は、小さな歩幅で、靴の裏全体を着け、急がずにゆっくりと歩行する

・万一に備えて手袋を着用する

 

<解決社労士の視点から> 

手ぶらで転倒しても、大怪我をすることがあります。

ましてや、荷物や高温の料理を運んでいるときに転倒すると、障害が残るような大怪我となることもあります。

ちょっとした経費と手間で、戦力ダウンを防ぎ、安心して働ける職場環境にしましょう。

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