残業が多い人への評価

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<残業が多い人のイメージ>

入社10年目の正社員Aさんが、毎日午後6時から10時まで残業しているとします。

他部署の管理職や社長から見れば、「Aさんは頑張っているなぁ。プライベートの時間をけずって、会社に貢献している」と見えることでしょう。

一方、Aさんと同期のBさんが毎日定時であがっていたらどうでしょう。「自分だけサッサと帰ってしまって、やる気が無いのか」と見えるかもしれません。

 

<残業が多いAさんの実情>

直属の上司からすると「相変わらずAさんは仕事が遅いなぁ。同じ仕事を与えても、Bさんなら定時であがるのに」という見方かもしれません。

Aさんは帰宅するとバタンキュー。休日は死んだように眠っています。家族は「かわいそうに。こんなになるまで働かせてひどい会社だ。いつか訴えてやる」と感じるものです。

いつも疲れが残っているAさんは、朝から調子が上がらずグダグダしているのではないでしょうか。このAさんの態度は、同僚や後輩にもだらしなく見え、悪影響を及ぼすかもしれません。

直属の上司としては、Aさんに重要な仕事や新しい仕事を任せることができません。何しろ、全く余力が無いのですから。

 

<残業しないBさんの実情>

直属の上司からすると「Bさんには余力がある。一段上の仕事を任せてみようか」ということになります。

Bさんには英会話スクールに通ったり、映画館で楽しんだりする時間があります。休日のプライベートも充実させることができます。それが、仕事に良い影響を与えています。

Bさんの働く姿は、同僚や後輩にも良い影響を与えています。後輩が目標にしているかもしれません。

 

<人件費の配分>

Aさんの残業が、違法なサービス残業であったとしても、Bさんと同じ給与ならもらい過ぎでしょう。ましてや、きっちり残業代が支給されているとしたら、会社に対する貢献度と支払われる給与は逆転しています。

さらに、上級の管理職から良く見えるAさんは、Bさんよりも高い評価を得て、より多額の賞与を支給されるかもしれません。

こうなると人件費の配分が、かなり不合理になってしまいます。

 

<こうしたことを防ぐには>

何となくのイメージではなく、客観的な評価基準に基づいた人事考課が必要です。

賞与の金額を決める人事考課で、残業が多いほど評価を下げる会社があります。方向性としては正しいでしょう。

残業時間の基準を設け、残業時間が基準より少ない社員に対しては、賞与の金額に「浮いた人件費」を上乗せするという会社もあります。

何となくのイメージで評価が決まる会社には、仕事のできない人ばかりが残り、仕事のできる人はあきれて去っていくという現象が見られます。

できる社員を定着させるためにも、みんなのやる気を引き出すためにも、きちんとした人事考課を実施しましょう。

 

本に書いてあったり、ネットで検索できたりする人事考課制度は、一般論に過ぎません。

会社の実情に合った人事考課制度の構築と運用については、信頼できる社労士(社会保険労務士)にご相談ください。

 

2016.11.03.