年功序列から脱却した賃金制度

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<賃金制度の決定>

賃金制度について、労働基準法による規制はありません。

賃金制度のあり方は、労使が対等の立場で話し合って決定するたてまえです。〔労働契約法第3条第1項〕

とはいえ、最低賃金法は守らなければなりませんし、働き方改革により同一労働同一賃金の制約はあります。

 

<年功序列型賃金>

年功序列型賃金の統一的な定義はありません。しかし一般的には、企業での勤続年数や従業員の年齢の上昇に従って、賃金(基本給)も上昇する仕組みです。

従業員の全員が新卒採用で、定年まで働き続けるという職場であれば、今もなお一定の合理性を保った制度だといえます。

しかし実態として、転職が盛んになっています。

従業員は今の会社で定年まで働こうと決意してはいないでしょうし、企業も定年まで働いてもらえると期待してはいません。

 

<非年功序列型賃金>

勤続年数や年齢に関係なく、担当している仕事の難易度や仕事上発揮した能力による成果を重視した賃金の決定の仕組みが、多く採用されるようになっています。

こうした賃金制度は、経費節減となり、従業員の意欲を刺激することを期待して採用されています。しかし、その具体的な内容は、企業の経営戦略や人事政策により異なることになります。

 

<賃金制度の種類>

賃金制度には、従業員の属人的要素(例えば、年齢、勤続年数など)で基本給を決める「年齢給」、従業員の能力で基本給を決める「職能給」、従業員が従事している仕事で基本給を決める「職務給」、従業員が行った仕事の「成果・業績」で基本給を決める業績給などがあります。

どの賃金制度にも長所と短所があります。

そこで実際には、自社の実態を踏まえ、これらの賃金制度を組み合わせることによって、最適な制度を構築することになります。

また、賃金制度は固定的であってはなりません。

社会の価値観の変化や市場環境に応じた変更は、すべての従業員にチャンスを与える意味でも必要不可欠です。

社内外の事情を具体的に把握・分析したうえで、採用する賃金制度を検討されるとよいでしょう。

 

2019.05.01. 解決社労士 柳田 恵一

東京都社会保険労務士会 武蔵野統括支部 働き方改革研究会 代表

複雑な案件や専門性の高い業務には、30名を擁する働き方改革研究会の選抜チームで対応しております。