社内にキャリアコンサルタントはいかがでしょうか

2022/05/24|1,280文字

 

<若者の退職理由>

若者の退職理由は、相変わらず人間関係や待遇への不満が高い比率を占めていますが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響もあり、自分の将来のキャリア形成についての不安が原因での退職が急増しています。

「このままこの会社で働き続けた場合、自分の能力開発・能力向上はどうなるのか、別の企業に転職して、より高い成長やキャリアアップを目指すのが得策ではないか」「そもそも今の仕事は自分に向いているのか、自分の能力・適性・関心に合った仕事で経験を積み、スキルを向上させたほうが、長期的なキャリア形成に有利ではないか」といったことで悩み、転職を考えるようになるのです。

この疑問に対して、上司や社内の相談窓口が適確に回答できれば、漠然とした悩みを理由とする転職をかなり防げるのですが、多くの会社では態勢が整っていないようです。

 

<キャリアコンサルタントの役割>

キャリアコンサルタントの資格を認定する日本キャリア開発協会(JCDA)は、キャリアコンサルタントの役割について、次のように説明しています。

 

「キャリアコンサルタント」とは、キャリアコンサルティングを行う専門家です。

キャリアコンサルティングとは、労働者の職業の選択、職業生活設計又は職業能力の開発及び向上に関する相談に応じ、助言及び指導を行うことをいいます。

キャリアコンサルティングを通じて、自分の適性や能力、関心などに気づき、自己理解を深めるとともに、社会や企業内にある仕事について理解することにより、その中から自身に合った仕事を主体的に選択できるようになることが期待できます。

 

また、キャリアコンサルタント国家資格について、次のように説明しています。

 

「キャリアコンサルタント」は、平成28年4月より国家資格になりました。

キャリアコンサルタントは登録制の名称独占資格とされ、守秘義務・信用失墜行為の禁止義務が課されています。

キャリアコンサルタントでない人は「キャリアコンサルタント」やそれと紛らわしい名称を名乗れません。

 

平成28年といえば、2016年ですからまだ歴史が浅く、いわゆる難関資格とはなっていません。

 

<キャリアコンサルタントになるには>

とはいえ、資格の取得には、一定の知識と技能の習得が必要であり、資格の維持には、自己研鑽の継続が必要です。

 

キャリアコンサルタント国家資格は学科試験と実技試験の両方に合格し、キャリアコンサルタント名簿に登録することにより「キャリアコンサルタント」として名乗ることができます。

なお、学科試験は、特定非営利活動法人キャリアコンサルティング協議会と共同で、同一日に共通問題で行います。

その他、キャリアコンサルタントは5年ごとに更新を行い、最新の知識・技能を身につける必要があります。

 

<解決社労士の視点から>

欲を言えば、すべての管理職がキャリアコンサルタントの登録を受け、いつでも部下からの相談に適確に対応できるようにしたいものです。

手始めに、人事部門のメンバーからキャリアコンサルタントを誕生させ、社内の相談窓口を担当させるところから始めてはいかがでしょうか。

 

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