2024/11/19|1,187文字
<国民年金の手続>
海外に居住することになれば、国民年金の加入義務が無くなります。
つまり、国民年金の強制加入被保険者ではなくなります。
しかし、日本国籍の人であれば、国民年金に任意加入することができます。
これから海外に転居する人は、国内居住地の市区町村役場で手続します。
保険料を納める方法は、国内にいる親族等の協力者が、本人に代わって納める方法と、日本国内に開設している預貯金口座から引落とす方法があります。
なお、海外の大学等に留学した場合には、学生納付特例制度(保険料納付を猶予する制度)は利用できません。
任意加入し保険料を納めることで、海外在住期間に死亡した場合、病気やけがで障害が残った場合に、遺族基礎年金や障害基礎年金が支給されます。
<厚生年金保険の手続>
厚生年金保険は、海外に住所がある人に対しても引き続き適用されます。
そのため、加入者(被保険者)が会社から外国勤務を命じられた場合は、外国の年金制度と二重に加入しなければならないという問題が生じていました。
こうした問題の解消を進めるため、国は、外国と順次社会保障協定を締結し、二重加入等の防止を図っています。
事業主により協定相手国へ5年を超えない見込みで派遣される場合には、協定の例外規定が適用されます。
この場合には、引き続き日本の厚生年金保険のみに加入し、協定相手国での加入が免除されます。
ただし協定によっては、派遣期間が5年を超える見込みであっても、派遣開始日から5年間は日本の厚生年金保険のみに加入し、協定相手国での加入が免除されます。
<協定による例外規定適用手続>
一時的に日本から協定相手国に派遣され就労する人について、協定相手国の年金制度への加入が免除されるためには、日本の厚生年金保険に加入していることを証明する「適用証明書」の交付を受ける必要があります。
事業主が所轄の年金事務所(郵送の場合には事務センター)に申請手続を行います。
【具体的な手続】
1.事業主が年金事務所に「適用証明書交付申請書」を提出します。
2.審査の結果、申請が認められた場合には、「適用証明書」が交付されます。 3.派遣された社員(被保険者)は、協定相手国内の事業所に「適用証明書」を提出します。 4.協定相手国の当局により相手国実施機関に提示または提出を求められた時、また協定相手国の年金制度に加入していない理由を尋ねられた時には、「適用証明書」を提示または提出します。 |
当初の一時派遣期間の予定を延長して、協定相手国で就労する必要が生じた場合は、事業主から年金事務所に「適用証明書期間継続・延長申請書」を提出します。
両国関係機関間での協議の結果、延長申請が認められた場合には、新しい「適用証明書」が交付されます。
「適用証明書」を紛失・棄損した場合、記載内容に変更があった場合には、「適用証明書再交付申請書」を提出してください。