2026/09/01|1,213文字
定年後の継続雇用とは、会社が定年に達した従業員を、希望すれば原則として65歳まで働き続けられるようにする制度です。
これは「高年齢者雇用安定法」で義務付けられており、日本の少子高齢化の中で高齢者の雇用を安定させるための重要な仕組みです。
1.定年後の継続雇用とは?
会社が定年(多くは60歳)に達した従業員に対し、希望者全員を対象に、65歳まで働けるようにする制度です。
継続雇用の方法は主に次の2つです。
①再雇用制度(いったん退職→再契約)
・定年で一度退職し、嘱託・契約社員などとして再度雇用する方式
・労働時間や賃金を柔軟に設定しやすい
・多くの企業が採用している方式
②勤務延長制度(退職せずそのまま延長)
・正社員のまま雇用期間を延長
・待遇が維持されやすいが、人件費負担が大きくなる傾向
2.なぜ継続雇用が義務なのか?
背景には日本の社会構造の変化があります。
- 少子高齢化による労働力不足
生産年齢人口(15〜64歳)は減少し続けており、企業は人材確保が難しくなっています。
そのため、高齢者の経験や技能を活かすことが不可欠になっています。
- 社会保障制度の維持
高齢者を支える現役世代が減っており、年金・医療制度の維持が課題です。
高齢者が働くことで保険料負担の分散や健康維持が期待されます。
3.会社が守らなければならないルール
高年齢者雇用安定法では、次のことが義務付けられています。
①希望者全員を対象にする
健康上の問題や著しい勤務不良など、合理的な理由がある場合を除き、会社は希望者を全員受け入れる必要があります。
②65歳までの雇用確保措置
会社は次のいずれかを必ず実施します。
・定年を65歳へ引き上げる
・定年制を廃止する
・65歳までの継続雇用制度を導入する(再雇用・勤務延長)
③70歳までの就業確保は「努力義務」
2021年改正により、70歳まで働ける仕組みを整えることが努力義務となりました。
罰則はありませんが、社会的要請は強まっています。
4.継続雇用後の労働条件はどうなる?
継続雇用後の働き方は、会社と本人の話し合いで決めます。
- 労働時間
・フルタイム
・短時間勤務
・週3日勤務など柔軟な設定が可能
- 賃金
・定年前より下がるケースが多い
・ただし、仕事内容や責任が同じなのに大幅に下げると「不合理な待遇差」と判断される可能性あり(同一労働同一賃金)
・賃金が下がった場合は「高年齢雇用継続給付」で手取りを補う仕組みもある
- 契約期間
・再雇用の場合は1年更新が一般的
・ただし通算5年を超えると「無期転換ルール」が発生するため、制度設計に注意が必要
5.相談会でよくある質問
Q1:会社は継続雇用の対象者を選べますか?
→原則選べません。希望者全員が対象です
Q2:定年後の給与は下げてもいいですか?
→仕事内容・責任が変わる場合は可能。ただし合理的な説明が必要です。
Q3:定年後に1日空白があっても再雇用できますか?
→可能です。ただし本人が不利益を受けないよう配慮が必要です。