2026/08/03|1,286文字
休職後に「軽い仕事で復職させる」とは、本人の体調・能力に合わせて、仕事の量・内容・時間・責任を段階的に調整し、無理なく職場に戻れるようにする仕組みを会社側が整えることです。
単に「簡単な仕事を与える」ではなく、医師の意見・本人の状態・職場の業務内容を踏まえて、計画的に復職プロセスを作ることが重要です。
1.「軽い仕事で復職」の必要性
休職明けは、体力・集中力・ストレス耐性が落ちていることが多く、いきなり元の業務に戻ると再発のリスクが高まります。
そのため、段階的に負荷を上げる「リハビリ勤務」が推奨されています。
2.具体的にすること(実務的に)
①医師の意見を確認する
・「どの程度の業務なら可能か」
・「勤務時間はどれくらいか」
・「避けるべき業務は何か」
・「ストレス要因は何か」
これらを診断書や主治医意見書で確認します。
②会社側で復職可能な業務を整理する
医師の指示を踏まえ、会社側で次のような観点で業務を選びます。
・身体的負荷が少ない仕事
例:座ってできる作業、軽作業、短時間の事務処理など
・精神的負荷が少ない仕事
例:クレーム対応を避ける、締め切りが厳しい業務を外す
・責任が重くない仕事
例:判断を求められる業務を減らし、補助的な役割にする
・量を減らせる仕事
例:通常の半分の量からスタートする
③勤務時間を短くする(短時間勤務)
一般的には次のような段階を踏みます。
・1〜2週間:1〜3時間勤務
・次の2週間:4〜6時間勤務
・その後:通常勤務へ移行
会社の就業規則に「試し出勤」「短時間勤務制度」があればそれを使います。
④業務内容を段階的に増やす
最初は「補助業務」から始め、徐々に通常業務へ近づけます。
例:事務職の場合
・第1段階:簡単な入力作業、書類整理
・第2段階:定型業務(メール返信、資料作成)
・第3段階:担当業務の一部を再開
・第4段階:通常業務へ復帰
例:現場作業の場合
・第1段階:軽作業、点検補助
・第2段階:短時間の作業
・第3段階:通常作業の一部
・第4段階:通常業務へ
⑤職場のサポート体制を整える
・上司・同僚に復職者の状況を共有
・無理を感じたらすぐ相談できる窓口を設置
・業務量の調整をこまめに行う
・ハラスメント防止(「甘えている」などの言動を避ける)
⑥定期的に面談を行う
復職後は、週1回程度の面談で次を確認します。
・体調の変化
・業務負荷が適切か
・ストレス要因の有無
・次の段階に進めるかどうか
必要に応じて医師の意見を再度確認します。
3.よくある「軽い仕事」の例
事務職
・データ入力
・書類整理
・郵便物の仕分け
・定型的な資料作成
・電話対応を減らす
接客・販売
・バックヤード作業
・品出し
・レジ補助
・クレーム対応を外す
製造・物流
・軽作業
・検品
・ラベル貼り
・短時間のライン作業
4.注意点(会社がやってはいけないこと)
・「軽い仕事がないから復職させない」はNG
→業務の工夫や配置転換で対応する努力が必要です。
・「軽い仕事=雑用だけを延々とやらせる」はNG
→本人のキャリアを損なう恐れがあり、合理的配慮の観点から問題になります。
・医師の指示を無視して通常業務に戻すのは危険
→再発や労災のリスクが高まります。