2026/07/23|1,222文字
求人広告に書かれていた賃金よりも、実際の給与明細の金額が低い場合は「おかしい」可能性があります。ただし、必ずしも違法とは限らず、いくつかの理由で金額が少ないケースもあるため、状況を整理して判断することが大切です。
1.求人広告の賃金は「基本給」なのか「総支給額」なのか
求人広告には、次のような表記が混在しています。
・基本給〇円
・月給〇円(諸手当含む)
・モデル月収〇円(残業代〇時間分含む)
この違いがとても重要です。
給与明細の「総支給額」が求人広告より低い場合
→広告の表示が不適切だった可能性が高いです。
給与明細の「基本給」が求人広告より低いが、手当を含めると同じくらいになる場合
→広告の読み違いの可能性があります。
2.よくある「金額が低く見える理由」
給与明細を初めて見ると、次のような理由で「低い」と感じることがあります。
①控除(社会保険料・税金)が引かれている
求人広告は「手取り」ではなく「総支給額」を示します。給与明細は、健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料、所得税などが引かれるため、手取りは必ず広告より低くなります。
②残業代が含まれていない
求人広告の「月収例」は、固定残業代、想定残業代を含んでいることがあります。
入社初月は研修などで残業が少ないため、広告のモデル月収より低くなることがあります。
③各種手当が支給開始前
例えば皆勤手当、資格手当、住宅手当などは、入社初月は対象外になることがあります。
3.それでも「おかしい」ケース
次のような場合は、会社側に説明を求めるべきです。
①求人広告の基本給より低い基本給が支給されている
これは明確に問題です。求人広告は「労働条件の提示」であり、虚偽表示は職業安定法違反の可能性があります。
②固定残業代の説明がなかった
固定残業代を含む場合は、何時間分か、計算方法を明示しなければ違法です。また、基準時間を超える残業時間に対応する残業手当は、毎月計算して支給しなければ違法です。
③「試用期間は賃金が低い」と説明されていないのに低くなっている
試用期間中の賃金を下げる場合は、事前に明示が必要です。説明なしに下げるのは不適切です。
4.どう確認すればよいか(簡単チェック)
次の3点を確認すると状況が整理できます。
・求人広告の「基本給」「手当」「モデル月収」の内訳
・労働条件通知書(雇用契約書)に書かれている賃金
・給与明細の「基本給」「手当」「総支給額」
この3つを並べると、どこが違うのかが一目で分かります。
5.疑問に思う方へのアドバイス
もし広告より明らかに低い賃金が支給されている場合は、次のように会社に確認するとよいでしょう。
「求人広告の賃金と給与明細の金額が違うように見えるのですが、どの部分が広告と異なるのか説明していただけますか。」
会社が誠実に説明してくれれば問題は解決します。説明が曖昧だったり、広告と明らかに違う賃金を正当化しようとしたりする場合は、労働基準監督署に相談することをおすすめします。