2026/07/19|734文字
実際の降格が「懲戒処分」ではなく、人事権に基づく適格性評価の結果としての配置転換・役職変更であることを、会社が論理的かつ丁寧に説明できていることが重要です。
不満が出たならば、従業員が「処分された」と受け止めている可能性が高いため、懲戒との違いを明確にし、判断の根拠・手続の正当性を示すことがポイントになります。
<会社が対象者に伝えるべき基本的な考え方>
・今回の降格は、懲戒処分ではなく、業務遂行能力・役割適性に基づく人事上の措置であること
・会社には、労働契約の範囲内で、配置転換・役職変更を行う人事権があること
・懲戒処分は就業規則に基づき、非違行為に対する制裁として行うものであり、今回のケースとは性質が異なること
この3点が明確に説明できないのであれば、従業員の疑念は晴れません。
<従業員への説明の骨子>
(1)今回の措置の性質
今回の役職変更は、懲戒処分ではなく、業務遂行状況や役割適性を踏まえた人事上の判断によるものです。
(2)判断の理由
これまでの業務の進め方、指示理解、成果の状況などを総合的に評価した結果、現行の役職・職務を遂行するには負荷が大きいと判断しました。
このため、より適性に合った職務で力を発揮いただくことを目的として、役職を変更したものです。
※具体的な事実(指示の理解不足、報告の遅延、ミスの頻発など)がある場合は、客観的事実のみを淡々と示すと説得力が増します。
(3)懲戒との違い
懲戒処分は、就業規則に定める非違行為に対する制裁として行うものです。
今回はそのような非違行為を理由とするものではなく、あくまで業務適性に基づく人事上の措置です。
※これらのことが明確に説明できないのであれば、その降格は不当な懲戒処分ではないと立証することが困難となります。