プレゼンティーイズムの問題

2026/07/13|904文字

 

<プレゼンティーイズム>

欠勤や休職といった分かりやすい形ではなく、出勤しているにもかかわらず集中力低下や判断力の鈍り、ミスの増加などの形でメンタル不調が見られることもあります。

このように、出勤はしていても、本来の力を発揮できていない状態を「プレゼンティーイズム」と呼ぶことがあります。

本人は「休むほどではない」「迷惑をかけたくない」と考え、無理を続けている場合もあります。

本人も辛いのですが、会社にとっても見えにくい損失が発生している状態です。

 

<対象者への対応>

こうした社員に対して、最初から「病気ではないか」「メンタル不調ではないか」と疾病を疑うような話をすると、防衛的になりやすく、対話が難しくなることが指摘されています。

そこで重要なのが「事例性」の視点です。事例性とは、職場で実際に確認される具体的な変化や業務上の支障のことを指し、「以前より確認漏れが増えている」「締切に遅れることが続いている」「会議での発言が減った」といった客観的事実を共有することが、本人との対話を円滑にします。

「あなたはメンタルヘルス不調ではないか」と言うよりも、「最近こうした業務上の変化が見られるが、負担が増えていないか」と尋ねるほうが受け止めやすいとされています。

 

<具体的な対処方法>

会社・上司による具体的な対応の方法としては、休職が必要な状態になる前に、業務負荷の小さな調整を行うことが有効です。

例えば、期限の近い業務を一時的に減らす、複数業務を同時に抱えさせない、判断が必要な仕事を上司が一緒に確認する、短時間の定期面談を設定するなどです。

ただし、あやふやな「特別扱い」ではなく、「一定期間、業務負荷を調整し、状態を確認する」という明確な枠組みで行うことが重要です。

 

<医師への相談>

さらに、睡眠障害や食欲低下、強い不安などが疑われる言動がある場合には、産業医や医療機関への相談を勧める必要があります。職場が行うべきことは診断ではなく、業務上の変化を丁寧に拾い、本人と対話することです。「病気かどうか」を急いで判断するのではなく、「職場で何が起きているか」という事例性から関わることが、早期発見と支援の出発点になります。

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