夏の職場の健康管理

2026/07/05|722文字

 

職場での熱中症は年々深刻化しています。

2025年は1,681人が死傷し過去最多となりました。

死亡例も増えていて、対策の「具体性」が不足していることが課題とされています。

 

2025年6月の改正労働安全衛生規則では、WBGT28℃以上などの暑熱環境で働く労働者に対し、体調異変の報告体制の整備、悪化防止措置(離脱→冷却→水分・塩分→搬送)の手順策定・周知が事業者の義務となりました。

死亡災害の多くで初期対応の遅れが確認されており、現場での周知徹底が重要です。

 

2026年策定の新ガイドラインでは、WBGT値の把握、暑熱順化、作業環境管理、健康管理、教育を「望ましい措置」として示し、リスク評価に基づく対策選択を推奨しています。特にWBGT値の未把握が死亡例の多数を占めており、優先度の高い取組みです。

また、2026年4月からは混在作業場での一人親方・フリーランスへの配慮も求められています。

 

冷房に関しては「冷房病」という医学的概念はなく、実際の不調の多くは換気不足や空調設備の汚れによる「シックビル症候群」です。

温度設定は24℃〜26℃を目安とし、気流・湿度管理や個別調整の余地を残すことが重要です。設定温度と実際の室温が異なるため、温湿度計での確認が推奨されます。

 

夏の「見えない不調」として、脱水と睡眠不足が生産性を大きく低下させます。

  • 労働者の約70%が就業開始時点で脱水状態。
  • 体重の2%以上の水分喪失で認知機能が顕著に低下。
  • 熱帯夜で睡眠不足が増え、翌日の安全行動が悪化。

心身の不調を抱えながら出勤しているために、本来のパフォーマンスを発揮できていない状態によるコスト増は、総コストの6〜8割を占めるとされ、軽度の不調でも企業に大きな影響があります。

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